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笑う門には福来る 笑顔応援隊 i 少納言日記 https://syounagon.hatenablog.com/

「笑顔応援隊 i 」すーちゃん👼ぶんぶん👱‍♀️少納言👩は、 寛容で豊かで笑顔溢れる世界にする使命をおびて日夜活動中🌷 少納言👩があれやらこれやら綴るブログでございます💖

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2020/10/16

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  • 【平家物語28 第2巻 西光被斬③〈さいこうがきられ〉〜The Tale of the Heike🪷

    翌くる六月一日の未明、清盛は、 検非違使安倍資成《けびいしあべのすけなり》を召し、 院の御所への使いを命じた。 資成は御所に着くと、 大膳大夫信業《だいぜんのだいふのぶなり》を呼んで清盛の伝言を、 法皇に伝えてくれるように頼んだ。 「わが君の仰有《おっしゃ》るには、 法皇側近の方々が、 平家一門を滅して天下を乱そうという計画をお持ちとききました。 こちらとしても捨てては置かれませんから、 一人一人召し捕え、いい様に処分するつもりでいますが、 その点あらかじめご了承下さって、 何卒ご妨害などしないで頂きたいのです」 信業もこの知らせにひどく、どぎまぎしながら、 「暫くお待ちを、唯今、法皇にお取次…

  • 【源氏物語648 第21帖 乙女3】源氏の若君 夕霧が元服の式を挙げた。大変華やかな祝い事であったが、源氏は考えがあり夕霧は六位の浅葱の袍《ほう》を着せた。大宮は言語道断だとお嘆きになった。

    第21帖 乙女3です🪻 故太政大臣家で生まれた源氏の若君の 元服の式を上げる用意がされていて、 源氏は二条の院で行なわせたく思うのであったが、 祖母の宮が御覧になりたく思召すのがもっともで、 そうしたことはお気の毒に思われて、 やはり今までお育てになった宮の御殿でその式をした。 右大将を始め伯父君《おじぎみ》たちが 皆りっぱな顕官になっていて勢力のある人たちであったから、 母方の親戚からの祝品その他の贈り物もおびただしかった。 かねてから京じゅうの騒ぎになるほど 華美な祝い事になったのである。 初めから四位にしようと源氏は思ってもいたことであったし、 世間もそう見ていたが、まだきわめて小さい子…

  • 【平家物語26 第2巻 西光被斬②〈さいこうがきられ〉】〜The Tale of the Heike🪷

    額に汗をみなぎらせ、真蒼《まっさお》な顔に息使いも荒く、 西八条の邸に入ってきた行綱に、 家来達も驚いて、早速、清盛の所に知らせた。 「何、行綱だと? めったに来もしない奴が、 又何でこんな夜中にやって来たんだ? とにかくおそいから、わしは逢わん、 盛国《もりくに》、お前が、言伝てを聞いてこい」 清盛は傍らの主馬判官《しゅめのはんがん》盛国にいった。 暫くして盛国が戻ってきて、 「何か、直《じ》きじき、お話したいとか」 「直きじきだと? 一体何だろう?」 さすがに清盛も、行綱の唯ならぬ様子に、 何事か起ったのかと、不安になってきて、 自分で渡殿《わたどの》の中門まで出てきた。 「この夜更けに、…

  • 【平家物語26 第2巻 西光被斬①〈さいこうがきられ〉】〜The Tale of the Heike🪷

    山門の衆徒が、前座主《ざす》の流罪を妨害して、 山へ連れ戻した知らせは、後白河法皇をひどく怒らせた。 「山門の大衆どもは、勅命を何と心得えて、 このように言語道断のことをするのだろうか?」 側に侍《はべ》っていた西光法師も、 前座主帰山の知らせに何か手をうたなくてはと、 考えていた矢先だから、ここぞとばかり、一ひざ進めると、 「山門の奴らの横暴な振舞は今に始った事ではございませぬが、 此度は又以ての他の狼藉《ろうぜき》振り、 これは余程、厳重な処分をいたさねば、 後々までも禍恨は絶たれぬものと思います」 したり顔に申し上げた。 とにかく讒臣《ざんしん》は国を乱すということわざがあるが、 西光ら…

  • 平家物語25 第2巻 座主流し③〈ざすながし〉〜The Tale of the Heike🪷

    驚いたのは、明雲大僧正である。 元々、道理一点ばりの人だからここに及んでも、 喜ぶより先に、この事件の行末を気にかけていた。 「私は、法皇の勅勘を受けて流される罪人なのですから、 少しも早く、都の内を追い出されて、 先を急がねばならぬ身です。 お志は有難いが、貴方方に迷惑はかけたくない、 早くお引き取り下さい」 と言う。 しかし、このくらいで引き下る衆徒ではない。 何が何でも山に戻って貰わねば、 山の名誉にもかかわるとばかり、座主の決意を促した。 「家を出て山門に入ってからというもの、 専ら、国家の平和を祈り、 衆徒の皆さんをも大切にしてきたつもりですし、 我が身にあやまちがあろうとは思われず…

  • 平家物語24 第2巻 座主流し②〈ざすながし〉〜The Tale of the Heike🪷

    この明雲大僧正は、 久我大納言顕通《こがのだいなごんあきみち》の子で、 仁安《にんあん》元年座主となり、 当時天下第一と言われる程の智識と高徳を備えた人で、 上からも下からも、尊敬されていた人だったが、 ある時、陰陽師《おんようし》の安倍泰親《あべのやすちか》が、 「これ程、智識のある人にしては不思議だが、 明雲の名は、上に日月、下に雲と、 行末の思いやられるお名前だ」 といったことがあったが、今になってみると、 その言葉もある程度うなずけるものがある。 二十一日は、座主の京都追放の日であった。 執行役人に追い立てられながら、 座主は泣くなく京をあとにして、 一先ず、一切経谷にある草庵に入った…

  • 【源氏物語647 第21帖 乙女2】朝顔の姫君と源氏との結婚は 皆が望んでいることであったが、姫君は、結婚をしようとは思わない。

    「源氏の君というと、いつも美しい少年が思われるのだけれど、 こんなに大人らしい親切を見せてくださる。 顔がきれいな上に心までも並みの人に違ってでき上がっているのだね」 とおほめになるのを、若い女房らは笑っていた。 西の女王とお逢いになる時には、 「源氏の大臣から熱心に結婚が申し込まれていらっしゃるのだったら、 いいじゃありませんかね、今はじめての話ではなし、 ずっと以前からのことなのですからね、 お亡くなりになった宮様もあなたが斎院におなりになった時に、 結婚がせられなくなったことで失望をなすってね、 以前宮様がそれを実行しようとなすった時に、 あなたの気の進まなかったことで、 話をそのままに…

  • 【源氏物語646 第21帖 乙女1】源氏は、禊の日に手紙を藤の花につけて朝顔の姫君に届ける。源氏は何かにつけ 宮家に物質的に御補助をする。

    春になって女院の御一周年が過ぎ、 官人が喪服を脱いだのに続いて四月の更衣期になったから、 はなやかな空気の満ち渡った初夏であったが、 前斎院はなお寂しくつれづれな日を送っておいでになった。 庭の桂《かつら》の木の若葉がたてるにおいにも若い女房たちは、 宮の御在職中の加茂の院の祭りのころのことを恋しがった。 源氏から、神の御禊《みそぎ》の日も ただ今はお静かでしょうという挨拶を持った使いが来た。 今日こんなことを思いました。 かけきやは 川瀬の波も たちかへり 君が御禊《みそぎ》の 藤《ふぢ》のやつれを 紫の紙に書いた正しい立文《たてぶみ》の形の手紙が 藤の花の枝につけられてあった。 斎院はもの…

  • 【平家物語 第2巻🪷】平家物語23 座主流し〈ざすながし〉〜

    治承元年五月五日、叡山の座主、明雲《めいうん》大僧正は、 宮中の出入りを差しとめられた。 同時に、天皇平安の祈りを捧げるために預っていた、 如意輪観音《にょいりんかんのん》の本尊も取上げられた。 更に検非違使庁《けびいしのちょう》を通じて、 神輿を振り上げて、 都へ押し寄せた張本人を摘発せよという命令もきていた。‥ 【ふるさと納税】KABUTO MKA-06(五月人形)価格: 535000 円楽天で詳細を見る 【ふるさと納税】KABUTO MKA-07(五月人形)価格: 570000 円楽天で詳細を見る

  • 【平家物語23 第2巻 座主流し①〈ざすながし〉】〜The Tale of the Heike🪷

    治承元年五月五日、叡山の座主〈ざす〉、明雲《めいうん》大僧正は、 宮中の出入りを差しとめられた。 同時に、天皇平安の祈りを捧げるために預っていた、 如意輪観音《にょいりんかんのん》の本尊も取上げられた。 更に検非違使庁《けびいしのちょう》を通じて、 神輿を振り上げて、 都へ押し寄せた張本人を摘発せよという命令もきていた。 こうした、矢次ぎ早の朝廷の強硬策は、 先の京の大火事に原因と理由があったろうが、 もう一つには、とかく、法皇の信任厚い西光《さいこう》法師が、 あることないこと、山門の不利になることばかりを、 後白河法皇に告げ口したためであった。 そのため、法皇は、ひどく山門に対する心証を害…

  • 【源氏物語645 第20帖 朝顔27 完】藤壺の中宮を恋しく思いながら眠りにつくと、藤壺の宮の面影が見えた。お恨めしいふうで「恋の過ちが知れてしまい恥ずかしく苦しい思いをしています」とお言いになる。

    月はいよいよ澄んで美しい。夫人が、 氷とぢ 岩間の水は 行き悩み 空澄む月の 影ぞ流るる と言いながら、外を見るために少し傾けた顔が美しかった。 髪の性質《たち》、顔だちが恋しい故人の宮にそっくりな気がして、 源氏はうれしかった。 少し外に分けられていた心も取り返されるものと思われた。 鴛鴦《おしどり》の鳴いているのを聞いて、 源氏は、 かきつめて 昔恋しき 雪もよに 哀れを添ふる 鴛鴦《をし》のうきねか と言っていた。 寝室にはいってからも 源氏は中宮の御事を恋しく思いながら眠りについたのであったが、 夢のようにでもなくほのかに宮の面影が見えた。 非常にお恨めしいふうで、 「あんなに秘密を守…

  • 【平家物語21 第1巻 神輿振〈みこしぶり〉】〜 The Tale of the Heike🪷

    加賀守師高、目代師経の断罪を度々叫び続けていたのにも拘らず、 一向に沙汰のないのにしびれを切らした山門の僧兵達は、 再び実力で、事を処理する決心を固めた。 折柄行われる予定の日吉《ひえ》の祭礼をとりやめると、 安元《あんげん》三年四月、御輿を陣頭に京へくり出して来た。 賀茂の河原から、法成寺《ほうじょうじ》の一角に兵をくり出し、 御所を東北から囲む体形で迫ってきた。 京の街々辻々には、 坊主、神官、その他、各寺、神社に仕える者達がはしくれに至るまで、 都大路をぎっしり埋めていた。 神輿は、折柄の朝日を受けて、輝くばかりのきらびやかさで、 人目をうばうばかりである。 事に驚いた朝廷側からは、 早…

  • 【平家物語22 第1巻 内裏炎上〈だいりえんじょう〉1巻 完】〜The Tale of the Heike🪷

    僧兵の引揚げた後、取り残された神輿について、 俄かに、公卿会議が開かれた。 とにかく、いささか、不気味なお土産《みやげ》だけに、 いくたの論議が繰り返されたが、 結局、保延《ほうえん》四年神輿入洛《じゅらく》の前例にならって、 祇園の神社に奉置することに話が決まり、 夕刻を選んで、祇園別当、澄憲《ちょうけん》の手で、 祇園の社に入った。 神輿に突き刺った矢は神官が抜いた。 昔から、山門の僧兵を先頭に、 都に押しかけたことは、何度かあったが、 今度のように、神輿に矢が当ったのは始めてのことであった。 それだけに、一般の庶民はもちろん、 殿上人の中にも山王の祟りを恐れて、 戦々兢々《せんせんきょう…

  • 【源氏物語644 第20帖 朝顔26】源氏は、紫の上に女君達について話す。朧月夜の尚侍、明石の上、東の院の女君‥こんな話をしながら夜はふけていった。

    「尚侍《ないしのかみ》は 貴婦人の資格を十分に備えておいでになる、 軽佻《けいちょう》な気などは 少しもお見えにならないような方だのに、 あんなことのあったのが、私は不思議でならない」 「そうですよ。艶《えん》な美しい女の例には、 今でもむろん引かねばならない人ですよ。 そんなことを思うと自分のしたことで 人をそこなった後悔が起こってきてならない。 まして多情な生活をしては年が行ったあとで どんなに後悔することが多いだろう。 人ほど軽率なことはしないでいる男だと思っていた 私でさえこうだから」 源氏は尚侍の話をする時にも涙を少しこぼした。 「あなたが眼中にも置かないように軽蔑している山荘の女は…

  • 【平家物語20 第1巻 願立②〈がんだて〉】〜The Tale of the Heike🪷

    藤原氏の専横を抑え、院政の始りを開いた程の、 豪気な帝であった故白河院が、 「賀茂川の水、双六《すごろく》の骰《さい》、 比叡の山法師、これだけは、いかな私でも手に負えない」 といって嘆いたという話がある。 山門の横暴振りは他にも伝わっている。 鳥羽院の時、白山平泉寺《はくさんへいせんじ》を比叡山が、 しきりに欲しがったことがあった。 余り無理な願いであったから、あわや、却下と思われたが、 大江匡房《おおえのまさふさ》が、 法皇を諫《いさ》めて、 「お断りになってもようございますが、 もしも、山門の僧兵共が、神輿《みこし》を先頭に攻めてきたら、 いかがなさいますか、面倒な事になるかも知れません…

  • 【平家物語19 第1巻 願立〈がんだて〉】〜The Tale of the Heike🪷

    藤原氏の専横を抑え、院政の始りを開いた程の、 豪気な帝であった故白河院が、 「賀茂川の水、双六《すごろく》の骰《さい》、 比叡の山法師、これだけは、いかな私でも手に負えない」 といって嘆いたという話がある。 山門の横暴振りは他にも伝わっている。 鳥羽院の時、白山平泉寺《はくさんへいせんじ》を比叡山が、 しきりに欲しがったことがあった。 余り無理な願いであったから、あわや、却下と思われたが、 大江匡房《おおえのまさふさ》が、 法皇を諫《いさ》めて、 「お断りになってもようございますが、 もしも、山門の僧兵共が、神輿《みこし》を先頭に攻めてきたら、 いかがなさいますか、面倒な事になるかも知れません…

  • 【平家物語18 第1巻 鵜川の戦〈うかわのいくさ〉】〜The Tale of the Heike🪷

    安元《あんげん》三年三月五日、 藤原師長《もろなが》は太政大臣、 その後を重盛が襲って内大臣に任命された。 当然内大臣になるべき、 大納言 定房《さだふさ》を越えての栄進であった。 ところで話は二年程さかのぼって安元元年 加賀守《かがのかみ》に任ぜられた師高《もろたか》という男があった。 彼は例の西光の息子である。 この男、人を人とも思わぬ暴君で、 加賀国一円に暴政の限りをつくし、 悪評ふんぷんたるものがあった。 ところでこの弟の師経《もろつね》が、 又兄貴に輪をかけたような乱暴者で、 加賀の代官に任ぜられた時、 鵜川という山寺で、 僧侶がお湯を沸かして浴びていたのをみつけると、 あっというま…

  • 【源氏物語643 第20帖 朝顔25】紫の上に、藤壺の中宮は、気高く柔らかく完全な貴女であったと話す。また朝顔の姫君については、敬意の払われる友人として手紙をかく交際相手という。

    「昔 中宮がお庭に雪の山をお作らせになったことがある。 だれもすることだけれど、 その場合に非常にしっくりと合ったことをなさる方だった。 どんな時にもあの方がおいでになったらと、 残念に思われることが多い。 私などに対して法《のり》を越えた御待遇はなさらなかったから、 細かなことは拝見する機会もなかったが、 さすがに尊敬している私を信用はしていてくだすった。 私は何かのことがあると歌などを差し上げたが、 文学的に見て優秀なお返事でないが、 見識があるというよさはおありになって、 お言いになることが皆深みのあるものだった。 あれほど完全な貴女《きじょ》がほかにもあるとは思われない。 柔らかに弱々…

  • 【平家物語17 第1巻 鹿ケ谷〈ししがたに〉②】〜The Tale of the Heike🪷

    ところで、成親と、動機こそ違え、志を同じくする者は、 まだ幾人かあった。 彼らがいつも好んで寄り集りの場所にしたのは、鹿ヶ谷にある、 これも同志の一人 俊寛《しゅんかん》の山荘である。 ここは、東山のふもとにあり、 後は三井寺に続いた、要害堅固なところで、 こういった陰謀を企むには、まさにもってこいの場所だったのである。 ある晩、後白河院が、お忍びでここにお出でになり、 話がいつか、平家に対する不満から次第に、 平家を葬る具体的な話になりそうになってきた。 後白河院のお供で席に連っていた浄憲法印《じょうけんほういん》は 思慮深い男であったから、 「まだこの種の話し合いはすべきではない。 それに…

  • 【源氏物語642 第20帖 朝顔24】美しい月の夜。源氏は御簾をあげ 童女を庭へおろして雪まろげをさせた。童女たちが、子どもらしく走り回ったり、雪玉を作ったりする。

    雪のたくさん積もった上になお雪が降っていて、 松と竹がおもしろく変わった個性を見せている夕暮れ時で、 人の美貌《びぼう》もことさら光るように思われた。 「春がよくなったり、秋がよくなったり、 始終人の好みの変わる中で、 私は冬の澄んだ月が雪の上にさした無色の風景が 身に沁《し》んで好きに思われる。 そんな時にはこの世界のほかの大世界までが想像されて これが人間の感じる極致の境だという気もするのに、 すさまじいものに冬の月を言ったりする人の浅薄さが思われる」 源氏はこんなことを言いながら御簾《みす》を巻き上げさせた。 月光が明るく地に落ちてすべての世界が白く見える中に、 植え込みの灌木類の押しつ…

  • 【平家物語16 第1巻 鹿ケ谷①〈ししがたに〉】〜The Tale of the Heike🪷

    思い掛けぬ出来事があって、天皇元服の決め事も伸びのびになっていたが、 二十五日に無事に行われた。 基房は、太政大臣に昇任したが、 何となく割り切れない昇級でもあった。 年も明けて、嘉応三年正月、無事に元服が済み、 清盛の娘の徳子(後の建礼門院)が十五歳で女御になった。 内大臣、左大将、藤原|師長《もろなが》が、左大将を辞任した。 この顕職の後釜《あとがま》をねらって、 猛烈な就職運動が始ったのである。 即ち、徳大寺大納言実定《とくだいじのだいなごんじってい》、 花山院中納言兼雅《かざんいんのちゅうなごんかねまさ》、 新大納言成親《しんだいなごんなりちか》(故中御門藤中納言家成の三男) の三人が…

  • 【源氏物語641 第20帖 朝顔23】紫の上の機嫌をとる。優しく妻の髪を直したりして源氏はいるのであったが、夫人はいよいよ顔を向こうへやってしまって何も言わない。

    「女院がお崩《かく》れになってから、 陛下が寂しそうにばかりしておいでになるのが心苦しいことだし、 太政大臣が現在では欠けているのだから、 政務は皆私が見なければならなくて、 多忙なために家《うち》へ帰らない時の多いのを、 あなたから言えば例のなかったことで、 寂しく思うのももっともだけれど、 ほんとうはもうあなたの不安がることは何もありませんよ。 安心しておいでなさい。 大人になったけれどまだ少女のように思いやりもできず、 私を信じることもできない、可憐なばかりのあなたなのだろう」 などと言いながら、 優しく妻の髪を直したりして源氏はいるのであったが、 夫人はいよいよ顔を向こうへやってしまっ…

  • 源氏は宮に手紙を送る。宮は悲しみが募る【源氏物語 171 第九帖 葵44】左大臣は女房達に故人の愛した手まわりの品、衣類などを分ける

    大臣は女房たちに、身分や年功で差をつけて、 故人の愛した手まわりの品、 それから衣類などを、目に立つほどにはしないで上品に分けてやった。 源氏はこうした籠居《こもりい》を続けていられないことを思って、 院の御所へ今日は伺うことにした。 車の用意がされて、前駆の者が集まって来た時分に、 この家の人々と源氏の別れを同情してこぼす涙のような 時雨《しぐれ》が降りそそいだ。 木の葉をさっと散らす風も吹いていた。 源氏の居間にいた女房は非常に皆心細く思って、 夫人の死から日がたって、 少し忘れていた涙をまた滝のように流していた。 今夜から二条の院に源氏の泊まることを予期して、 家従や侍はそちらで主人を迎…

  • 【平家物語15 第1巻 殿下の乗合〈でんかの のりあい〉〜The Tale of the Heike🪷

    嘉応《かおう》元年七月十六日、後白河院が出家された。といっても、今まで通り、政務は、続けられていたから、別に変りはなかった。益々わがまま一方になる平家のやり口については、心の内で、何かとご不満を感じていられた様子だったが、それを公けにされたわけでもなく、 平家の方でも当らず、さわらずといった態度で、 表面は、何事もない平和な日が過ぎていった。 が、事件は、思いがけないところから、口火を発することになった。 重盛の次男で、新三位《しんさんみの》中将 資盛《すけもり》は、 まだ十三の腕白坊主だが、年は若くても、 良い星の下に生れたおかげで、身分は高く、 したい放題の事をしても、誰もとがめるものがい…

  • 【源氏物語640 第20帖 朝顔22】源氏が二条の院に寝ない夜も多くなったのを夫人は恨めしがっていた。悲しみをおさえる力も尽きることがあるわけである。源氏の前で涙のこぼれることもあった。

    源氏はあながちにあせって結婚がしたいのではなかったが、 恋人の冷淡なのに負けてしまうのが残念でならなかった。 今日の源氏は最上の運に恵まれてはいるが、 昔よりはいろいろなことに経験を積んできていて、 今さら恋愛に没頭することの不可なことも、 世間から受ける批難も知っていながらしていることで、 これが成功しなければいよいよ不名誉であると信じて、 二条の院に寝ない夜も多くなったのを夫人は恨めしがっていた。 悲しみをおさえる力も尽きることがあるわけである。 源氏の前で涙のこぼれることもあった。 「なぜ機嫌《きげん》を悪くしているのですか、 理由《わけ》がわからない」 と言いながら、額髪《ひたいがみ》…

  • 平家物語🌊 インデックス

    祇園精舎《ぎおんしょうじゃ》の鐘の声、 諸行無常の響《ひびき》あり。 娑羅双樹《しゃらそうじゅ》の花の色、 盛者《しょうじゃ》必衰の理《ことわり》をあらわす。 おごれる人も久しからず、唯、春の夜の夢のごとし。 猛《たけ》きものもついにはほろびぬ、 偏《ひとえ》に風の前の塵《ちり》に同じ。 【ふるさと納税】能面ギャラリー(至寶館)と工房での能面鑑賞・簡単能楽講座・能面作成見学と体験【1374552】価格: 37000 円楽天で詳細を見る 【ふるさと納税】能楽師による能装束着附け&能舞台の上で写真撮影 ふるさと 納税 楽天ふるさと 神奈川県 神奈川 鎌倉市 鎌倉 支援品 返礼品 返礼 体験 ア…

  • 【平家物語14 第1巻 東宮立(とうぐうだち)】〜The Tale of the Heike🪷

    その年は喪中のため即位の行事も取やめになったが、暮の二十四日、東の御方、建春門院《けんしゅんもんいん》の腹になる、後白河院の皇子に親王の宣旨《せんじ》があり、明けて、年号が変って仁安《にんあん》となった。この年の十月、この皇子が東宮になられたが、何と東宮は伯父《おじ》で六歳、天皇が甥《おい》で三歳という、全く政権争いの格好な道具でしかなかったのだ。 仁安三年には、この天皇が位を伯父の東宮に譲り、新院になった。新院は五つ、天皇は八つ、西も東もわからない、いたいけな幼児たちは、この頽廃《たいはい》した院政の、最も大きな犠牲者だったのである。 というのも、新しく即位した高倉《たかくら》天皇の母は平家…

  • 【源氏物語639 第20帖 朝顔21】朝顔の姫君は、友情で書かれた手紙には友情でむくいることにして、御自身は神に奉仕していた間怠っていた仏勤めを、取り返しうるほどできる尼になりたいとお思いになった。

    友情で書かれた手紙には友情で酬《むく》いることにして、 源氏が来れば人づてで話す程度のことにしたいとお思いになって、 御自身は神に奉仕していた間怠っていた仏勤めを、 取り返しうるほど 十分にできる尼になりたいとも願っておいでになるのであるが、 この際にわかにそうしたことをするのも源氏へ済まない、 反抗的の行為であるとも必ず言われるであろうと、 世間が作る噂というものの苦しさを経験されたお心からお思いになった。 女房たちが源氏に買収されてどんな行為をするかもしれぬという懸念から 女王はその人たちに対してもお気をお許しにならなかった。 そして追い追い宗教的な生活へ進んでお行きになるのであった。 女…

  • 源氏物語 第21帖 乙女 〈おとめ〉

    光源氏33歳の夏から35歳冬の話。 源氏の息子夕霧が、12歳で元服を迎えた。 しかし源氏は夕霧を敢えて優遇せず、六位にとどめて大学に入れた。 同じ年、源氏の養女斎宮女御が冷泉帝の中宮に立后する。 源氏は太政大臣に、右大将(頭中将)は内大臣になった。 立后争いで源氏に敗れた内大臣は、 大宮に預けている次女雲居の雁を東宮妃にと期待をかけるが、 彼女は共に育った幼馴染の従兄弟・夕霧と密かに恋仲になっていた。 これを知った内大臣は激怒し、雲居の雁を自らの邸に引き取ると宣言。 大宮を嘆かせる。 邸への引越し当日。 諦め切れない夕霧は密かに、雲居の雁へ逢いに行く。 涙ながらに別れを惜しむ二人。 そこへ女房…

  • 【平家物語13 第1巻 清水炎上〈きよみずえんじょう〉】〜The Tale of the Heike🪷

    二条帝の葬儀の際の、興福寺と延暦寺の争いは比叡山の僧兵が、 大挙して山を下るという噂《うわさ》が拡がった。 この時誰がいい出したのか、 「何でも、後白河院が、平家追討を叡山の坊主に申付けられたって話だぞ」 といったたぐいの噂が、まことしやかに、 人の口から口へと語り継がれていった。 慌《あわ》てた平家方は、御所の囲りをがんじがらめに警戒し、 一門は六波羅に集って、善後策を協議することになった。 慌てたのは、後白河院も同じである。 日頃から、平家の専横を快く思っていないだけに、 アリバイが危いとばかり、早速、車をとばして、 これも又六波羅へかけつけた。 何が何だかわからないから、清盛も不安で仕方…

  • 【平家物語12 第1巻 額打論〈がくうちろん〉】〜The Tale of the Heike🪷

    永万《えいまん》元年の春頃から、 病みつき勝ちだった天皇の容態が急変し、 六月には、 大蔵大輔伊岐兼盛《おおくらのたいふいきのかねもり》の娘に生ませた 第一皇子に位を譲られた。 間もなく七月、二十三歳という若さで世を去った。 時に新天皇は二歳という幼な児であった。 天皇の葬儀の夜、一寸《ちょっと》した争い事が起った。 元々、天皇崩御の儀式として、奈良、京都の僧侶がお供をして、 墓所の廻りに額《がく》を打つ習慣があった。 それも順序が決っていて、 第一が、奈良東大寺《ならとうだいじ》、次が興福寺《こうふくじ》、 延暦寺《えんりゃくじ》という順で、代々守られてきたのである。 ところがこの日、何を思…

  • 【源氏物語637 第20帖 朝顔19】月が出て淡い雪の光といっしょになった夜の色が美しかった。源氏は、真剣なふうに恋を訴える。朝顔の姫君は年を重ねた今になって結婚は考えられないと思う。

    西のほうはもう格子が下《お》ろしてあったが、 迷惑がるように思われてはと斟酌《しんしゃく》して 一間二間はそのままにしてあった。 月が出て淡い雪の光といっしょになった夜の色が美しかった。 今夜は真剣なふうに恋を訴える源氏であった。 「ただ一言、 それは私を憎むということでも御自身のお口から聞かせてください。 私はそれだけをしていただいただけで満足してあきらめようと思います」 熱情を見せてこう言うが、 女王《にょおう》は、自分も源氏もまだ若かった日、 源氏が今日のような複雑な係累もなくて、 どんなことも若さの咎《とが》で済む時代にも、 父宮などの希望された源氏との結婚問題を、 自分はその気になれ…

  • 【源氏物語636 第20帖 朝顔18】儚いのが人生であるからと源氏は思いながらも、源典侍が長生きをして 気楽に仏勤めして暮らしているのも仏のお教えになったこの世の相であると感じてしんみりとした。

    「あのころのことは皆昔話になって、 思い出してさえあまりに今と遠くて心細くなるばかりなのですが、 うれしい方がおいでになりましたね。 『親なしに臥《ふ》せる旅人』と思ってください」 と言いながら、御簾のほうへからだを寄せる源氏に、 典侍《ないしのすけ》はいっそう昔が帰って来た気がして、 今も好色女らしく、 歯の少なくなった曲がった口もとも想像される声で、 甘えかかろうとしていた。 「とうとうこんなになってしまったじゃありませんか」 などとおくめんなしに言う。 今はじめて老衰にあったような口ぶりであるとおかしく源氏は思いながらも、 一面では哀れなことに予期もせず触れた気もした。 この女が若盛りの…

  • 【平家物語11 第1巻 二代の后〈きさき〉】〜The Tale of the Heike🌺

    とかく戦乱がうち続き、世の中が騒然としてくると、 倫理とか、道徳といったものが、無視されがちである。 平家一門の栄耀栄華《えいようえいが》の陰には、 敗戦の不運に泣く源氏の将兵があり、 又、天皇と上皇は、 互にけんせいし合いながら、政権をねらうという、 不穏な空気が時代を支配していた。 ところで大ていのことには驚かなくなっていた人々が、 こればかりはと眉をひそめた話がある。 故近衛院《このえのいん》の后《きさき》、 太皇大后宮《たいこうたいこうぐう》と呼ばれる女性が話題の人である。 右大臣公能《うだいじんきんよし》の娘で、 天下第一と言われる程の美貌の持主であった。 先帝の死去の後は、近衛川原…

  • 【平家物語9 第1巻 妓王④完〈ぎおう〉】〜The Tale of the Heike🪷

    仏《ほとけ》も昔は凡夫なり 我等も遂には仏なり。 何《いず》れも仏性《ぶっしょう》具《ぐ》せる身を 隔《へだ》つるのみこそ悲しけれ。 俗謡《ぞくよう》に事よせて、切々と歌い続ける妓王の姿は、 並みいる人の涙をそそるものがあった。 清盛も少しは気の毒に思ったらしく、 ねぎらいの言葉を与えて家へ帰した。 我が家に帰りつくと妓王は又さめざめと涙を流しながら、 こんな生き恥をさらしているより死んだ方がよっぽど良いと 母の膝によりすがって、かき口説《くど》く。 妹の妓女も、姉が死ぬならと、暗に、自殺をほのめかす。 年老いた母一人が、おろおろしながら、二人の短慮を戒めて、 もう一度考え直させようとする。 …

  • 【源氏物語635 第20帖朝顔17】五の宮様のお居間から退出した源氏。その時に 尼になって女五の宮のお弟子分でお仕えしている源典侍に会う。今でも息災であったことに驚く。

    源氏はまず宮のお居間のほうで例のように話していたが、 昔話の取りとめもないようなのが長く続いて 源氏は眠くなるばかりであった。 宮もあくびをあそばして、 「私は宵惑《よいまど》いなものですから、 お話がもうできないのですよ」 とお言いになったかと思うと、 鼾《いびき》という源氏に馴染《なじみ》の少ない音が聞こえだしてきた。 源氏は内心に喜びながら宮のお居間を辞して出ようとすると、 また一人の老人らしい咳をしながら御簾《みす》ぎわに寄って来る人があった。 「もったいないことですが、 ご存じのはずと思っておりますものの私の存在を とっくにお忘れになっていらっしゃるようでございますから、 私のほうか…

  • 【平家物語9 第1巻 妓王③(ぎおう)】〜The Tale of the Heike💐

    別れるとき、妓王は、居間の障子に一首の歌をかきつけた。 もえ出るもかるるも同じ野辺の草 いずれか秋にあわではつべき 今は得意絶頂の仏さま、 貴女《あなた》だっていつ何時、 私みたいなことにはなりかねないかも知れませんよ。 それは、妓王の精一杯の無言の抗議だったのである。 妓王が西八条からはなれたことはたちまち、京都中に知れ渡った。 毎月欠かさず母の許に送られてきた、手当金もぱったり途絶えた。 そして今は仏御前の親類縁者たちが、 莫大《ばくだい》な仕送りで生活しているという噂がひろがっていた。 清盛の寵姫であったあいだは、 高嶺《たかね》の花よと諦めていた妓王が、 一度び市井《しせい》の人間にな…

  • 【平家物語8第1巻 妓王②】〜The Tale of the Heike🌹

    邸を出ようとしていた仏は、たちまち呼び返されて、 清盛の前に連れて来られた。逢ってみると、 何せ、今をときめく白拍子である。 年は若いし、器量は良いし、その上、持ち前の度胸のよさで、 清盛の前に出ても、ハキハキと受け答えする様子が、 いかにも溌剌《はつらつ》としていて、 かつてない新鮮な色気を感じさせる。 「今様《いまよう》でも歌ってみろ」 といわれれば、 「殿に逢えた嬉しさに、私の命も伸びるでしょう」 と、臆する色もなく、受け答えをしてから、 目出度い歌を口ずさむ機転の良さに、 清盛の気持も次第に和《なご》やかになってきた。 「歌がうまいのなら、舞うのもうまそうだな、一つみせてくれないか。 …

  • 【源氏物語 634 第20帖 朝顔16】お屋敷の門は錆びていて なかなか開かない。物の錆びたことに時の流れを感じる。仮の世の執着が離れず、人に心の惹かれることのやむ時がない自分であると源氏は恥じた。

    桃園のお邸《やしき》は北側にある普通の人の出入りする門をはいるのは 自重の足りないことに見られると思って、 西の大門から人をやって案内を申し入れた。 こんな天気になったから、 先触れはあっても源氏は出かけて来ないであろうと 宮は思っておいでになったのであるから、 驚いて大門をおあけさせになるのであった。 出て来た門番の侍が寒そうな姿で、 背中がぞっとするというふうをして、 門の扉をかたかたといわせているが、 これ以外の侍はいないらしい。 「ひどく錠が錆《さ》びていてあきません」 とこぼすのを、源氏は身に沁《し》んで聞いていた。 宮のお若いころ、 自身の生まれたころを源氏が考えてみるとそれはもう…

  • 平家物語7 第1帖 妓王(ぎおう)①〜The Tale of the Heike 🪷 🙇平家物語6ではなく7です🙇‍♀️

    当時、京都には、妓王、妓女《ぎじょ》と呼ばれる、 白拍子《しらびょうし》の、ひときわ衆に抜きん出た姉妹があった。 その母も刀自《とじ》と呼ばれ、昔、白拍子であった。 清盛が目をつけたのは、姉の妓王で、片時も傍を離さずに寵愛していた。 おかげで、母親も妹も、家を建てて貰ったり人にちやほやされて、 結構な暮しをしていた。 白拍子というのは、鳥羽天皇の時代に、男装の麗人が、水干《すいかん》、 立烏帽子《たてえぼし》で舞を舞ったのが始りとされているが、 それがいつか、 水干だけをつけて踊る舞姫たちを白拍子と呼ぶようになったのである。 京の白拍子たちは、玉の輿にのった同性の幸福を羨やんだり、ねたんだり、…

  • 【源氏物語633 第20帖 朝顔15】言い訳をしながら、朝顔の姫のもとを訪ねる準備をする源氏。「立派な方だけれど、恋愛をおやめにならない点が傷だね。御家庭がそれで済むまいと心配だ」と前駆の者も言う。

    喪服の鈍《にび》色ではあるが 濃淡の重なりの艶《えん》な源氏の姿が 雪の光《あかり》でよく見えるのを、 寝ながらのぞいていた夫人はこの姿を見ることも 稀《まれ》な日になったらと思うと悲しかった。 前駆も親しい者ばかりを選んであったが、 「参内する以外の外出はおっくうになった。 桃園の女五《にょご》の宮様は寂しいお一人ぼっちなのだからね、 式部卿の宮がおいでになった間は私もお任せしてしまっていたが、 今では私がたよりだとおっしゃるのでね、 それもごもっともでお気の毒だから」 などと、 前駆を勤める人たちにも言いわけらしく源氏は言っていたが、 「りっぱな方だけれど、恋愛をおやめにならない点が傷だね…

  • 【源氏物語638 第20帖 朝顔20】朝顔の姫君は、好意を見せても源氏の美貌だけを愛していると思われるのは嫌である。源氏を近づけることで この恋を源氏に看破されるのもつらくお思いになるのである。

    「つれなさを 昔に懲りぬ 心こそ 人のつらさに添へてつらけれ 『心づから』 (恋しさも心づからのものなれば置き所なくもてぞ煩ふ)苦しみます」 「あまりにお気の毒でございますから」 と言って、女房らが女王に返歌をされるように勧めた。 「改めて 何かは見えん 人の上に かかりと聞きし 心変はりを 私はそうしたふうに変わっていきません」 と女房が斎院のお言葉を伝えた。 力の抜けた気がしながらも、 言うべきことは言い残して帰って行く源氏は、 自身がみじめに思われてならなかった。 「こんなことは愚かな男の例として 噂《うわさ》にもなりそうなことですから人には言わないでください。 『いさや川』 (犬上《い…

  • 【平家物語 第1巻6 一門の栄華】〜The Tale of the Heike 🪷

    平家一族は、高位、高官の顕職を、ほしいままにし始めた。 一寸見廻しただけでも、長男 重盛《しげもり》は、 内大臣《ないだいじん》兼 左大将《さだいしょう》、 次男 宗盛《むねもり》は、中納言《ちゅうなごん》右大将、 三男|知盛《とももり》が三位《さんみの》中将、 孫の維盛《これもり》が四位《しいの》少将といった具合である。 このほかに数えあげれば、きりがないくらいで、 参議《さんぎ》、大、中納言、三位以上の公卿十六人、殿上人三十余人、 各地の地方官がざっと六十何人という盛況だった。 清盛は、息子のほかに、八人の娘を持っていたが、 これ又、揃いも揃って、権門、貴顕に縁づいている。 即ち、花山院《…

  • 【平家物語 第1巻 5 禿童〈かぶろ〉】〜The Tale of the Heike

    清盛は、五十一歳の時、出家し、浄海《じょうかい》と名乗った。 大病にかかったのが、きっかけで、 さしもの彼も、少しばかり、気が弱くなったらしい。 しかし、たちまち、病は全快、彼はつるつる頭を撫でながら、 「まだ当分生きられるぞ」 といってほくそ笑んだ。 とにかく、平家一族の繁栄振りは、ちょっと類がなかった。 かつての名門の貴族たちにしても、 今では、まともに顔も合せられない有様である。 平家に非ずんば人に非ずといった言葉も、 むしろ当然のように迎えられたし、 六波羅《ろくはら》風と言えば、猫も杓子も、右へならえで、 烏帽子《えぼし》の折り方やら、着つけの仕方まで、 皆が平家一族を真似するのであ…

  • 【平家物語 第1巻 4 鱸〈すずき〉】〜The Tale of the Heike 🪻

    仁平《にんぺい》三年正月、忠盛は、五十八歳で死に、 息子の清盛《きよもり》が、跡を継いだ。 清盛は、父親にもまして、才覚並々ならぬ抜目のない男だったらしい。 保元《ほげん》、平治《へいじ》の乱と、 権力者の内紛に、おちょっかいを出しながら、 自分の地歩は、着々と固めていって、 さて皆が、気がついた時分には、 従一位《じゅういちい》、太政大臣 平清盛という男が、でき上っていた。 異例のスピード出世というところである。 この時代は、成功も失敗も、一様に、神仏に結びつけたがる傾向があった。 平氏の繁昌《はんじょう》振りをみて、 これは、熊野権現《くまのごんげん》のご加護だと誰からとなくいい出した。 …

  • 源氏物語 インデックス〜The Tale of Genji 🌸

    【源氏物語〜The Tale of Genji】 いづれの御時にか、 女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、 いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。 【ふるさと納税】京都・遊絲舎/真綿紬の絹糸が映える。丹後帯 半幅帯「源氏香」(グレー) 半幅帯 源氏香 絹糸 シンプル 贅沢 軽い 美しい グレー グレー色 ふるさと納税 帯 ふるさと納税 半幅帯 ふるさと納税 着物 ふるさと納税 着物小物 ふるさと納税 和服価格: 150000 円楽天で詳細を見る 【ふるさと納税】京都・遊絲舎/真綿紬の絹糸が映える。丹後帯 半幅帯「源氏香」(白) 半幅帯 源氏香 絹糸 シンプル 贅沢…

  • 平家物語3〈殿上の闇討(やみうち)②〉〜The Tale of the Heike 🪷

    戦場で鍛え上げた忠盛の目は、宮中のうす暗いところで、 かすかに人の気配のするのを敏感に感じ取った。 彼はやおら、刀を抜き放つと、 びゅん、びゅんと振り廻《まわ》したからたまらない。 大体が、臆病者揃いの公卿たちは、 闇夜《やみよ》にひらめく一閃《いっせん》のすさまじさに、 かえって生きた心地もなく、呆然と見ていただけだった。 主人が大胆な男だから、家来の方もまた粒よりだ。 左兵衛尉平家貞《さひょうえのじょうたいらのいえさだ》という男は、 狩衣《かりぎぬ》の下にご丁寧にも鎧《よろい》までつけて、 宮中の奥庭に、でんと御輿《みこし》を据えて動かない。 蔵人頭《くらんどのとう》の者が、 目ざわりだか…

  • 🌊【平家物語 インデックス】🌊

    【第1巻】 【ふるさと納税】 着物 ベビー服 ファースト 袴 赤ちゃん ベビー着物 コットン お正月 初節句 ハーフバースデー お誕生日 セット ファースト着物と袴のセット 男の子用(麻の葉文様/紺) ベビー ベビー用品 プレゼント ギフト価格: 35000 円楽天で詳細を見る 【ふるさと納税】 着物 子供服 羽織 袴 作り帯 半衿 羽織紐 蝶ネクタイ 自宅洗濯可能 便利 七五三 お正月 羽織袴 7点 セット デニム ブルー 5歳 男の子 キッズ プレゼント価格: 160000 円楽天で詳細を見る

  • 【源氏物語632 第20帖 朝顔14】朝顔の姫君の元へ向かう源氏を 紫の上は見ようともせず 明石の姫君の相手をしていた。源氏を信頼して暮らしてきた紫の上は、寂しい気持ちになっていた。

    さすがに出かけの声をかけに源氏は夫人の所へ来た。 「女五の宮様が御病気でいらっしゃるから お見舞いに行って来ます」 ちょっとすわってこう言う源氏のほうを、 夫人は見ようともせずに姫君の相手をしていたが、 不快な気持ちはよく見えた。 「始終このごろは機嫌が悪いではありませんか、 無理でないかもしれない。 長くいっしょにいてはあなたに飽かれると思って、 私は時々御所で宿直《とのい》をしたりしてみるのが、 それでまたあなたは不愉快になるのですね」 「ほんとうに長く同じであるものは悲しい目を見ます」 とだけ言って向こうを向いて寝てしまった女王を 置いて出て行くことはつらいことに源氏は思いながらも、 も…

  • 平家物語 第1巻 〈殿上の闇討ち①〉〜The Tale of the Heike🪷

    昔の権力者は、地位が安定してくるとやたらに、 お寺とか、お墓とかを建てる習慣があったらしい。 人力では及びのつかない、神仏の加護を借りて、 権力の座にいつまでも とどまることを願うという心理にもとづくものである。 鳥羽院もかねがね三十三間の御堂《みどう》を建てたがっていた。 これが忠盛の尽力で完成したときは、 大へんな喜びようだったといわれる。 そのとき備前守《びぜんのかみ》だった忠盛は、 但馬国《たじまのくに》の国司に任ぜられ、 その上、あんなに待ち望んでいた昇殿を始めて許された。 時に忠盛は、三十六歳の男盛り、 その感激は又ひとしおであった。 ところが、ここに意外なところから、反対運動がも…

  • 🪷平家物語 第1巻 1〈祇園精舎〉The Tale of the Heike

    祇園精舎《ぎおんしょうじゃ》の鐘の声、 諸行無常の響《ひびき》あり。 娑羅双樹《しゃらそうじゅ》の花の色、 盛者《しょうじゃ》必衰の理《ことわり》をあらわす。 おごれる人も久しからず、唯、春の夜の夢のごとし。 猛《たけ》きものもついにはほろびぬ、 偏《ひとえ》に風の前の塵《ちり》に同じ。 二十余年の長きにわたって、その権勢をほしいままにし、 「平家に非《あら》ざるは人に非ず」 とまで豪語した平氏も元はといえば、微力な一地方の豪族に過ぎなかった。 その系譜をたずねると、 先ず遠くさかのぼって桓武天皇の第五皇子、 一品式部卿葛原親王《いっぽんしきぶきょうかずらはらのしんのう》 という人物が、その先…

  • 【源氏物語631 第20帖 朝顔13】源氏は、少し着て柔らかになった小袖になお薫物《たきもの》を多くしたり、化粧に時間を費やしたりして 朝顔の宮のところに訪ねる支度をしている。

    冬の初めになって今年は神事がいっさい停止されていて寂しい。 つれづれな源氏はまた五の宮を訪ねに行こうとした。 雪もちらちらと降って艶《えん》な夕方に、 少し着て柔らかになった小袖《こそで》に なお薫物《たきもの》を多くしたり、 化粧に時間を費やしたりして 恋人を訪《と》おうとしている源氏であるから、 それを見ていて気の弱い女性は どんな心持ちがするであろうと危ぶまれた。 🪷🎼#あの日も雨 written by#yuhei komatsu 少納言のホームページ 源氏物語&古典 少納言の部屋 ぜひご覧ください🪷 https://syounagon.jimdosite.com 🪷聴く古典文学 少納言…

  • 【源氏物語630 第20帖 朝顔12】朝顔の姫君に夢中になって 御所の宿直の夜が多くなり、自宅でも手紙を書いている源氏に、紫の上は 姫君との噂は本当であり、打ち明けてくれてもいいのにと思った。

    顧みられないというようなことはなくても、 源氏が重んじる妻は他の人で、自分は少女時代から養ってきた、 どんな薄遇をしても 甘んじているはずの妻にすぎないことになるのであろうと、 こんなことを思って夫人は煩悶《はんもん》しているが、 たいしたことでないことは あまり感情を害しない程度の夫人の恨み言にもなって、 それで源氏の恋愛行為が 牽制《けんせい》されることにもなるのであったが、 今度は夫人の心の底から恨めしく思うことであったから、 何ともその問題に触れようとしない。 外をながめて物思いを絶えずするのが源氏であって、 御所の宿直《とのい》の夜が多くなり、 役のようにして自宅ですることは手紙を書…

  • 【源氏物語629 第20帖 朝顔11】朝顔の姫君と源氏が似合いの縁であるという世間の噂に 源氏の愛がうつってしまったら自分は惨めであろうと 辛い気持ちになる。

    初めの態度はどこまでもお続けになる朝顔の女王の 普通の型でない点が、 珍重すべきおもしろいことにも思われてならない源氏であった。 世間はもうその噂《うわさ》をして、 「源氏の大臣は前斎院に御熱心でいられるから、 女五の宮へ御親切もお尽くしになるのだろう、 結婚されて似合いの縁というものであろう」 とも言うのが、紫夫人の耳にも伝わって来た。 当座はそんなことがあっても 自分へ源氏は話して聞かせるはずであると思っていたが、 それ以来気をつけて見ると、 源氏の様子はそわそわとして、 何かに心の奪われていることがよくわかるのであった。 こんなにまじめに打ち込んで結婚までを思う恋を、 自分にはただ気紛れ…

  • 【源氏物語628 第20帖 朝顔10】源氏は朝顔の姫君に手紙を送り続ける。姫君は、冷静であり 友情以上の気持ちはなく 恋愛をする年でもないと 心動くことはなかった。

    今になってまた若々しい恋の手紙を人に送るようなことも 似合わしくないことであると源氏は思いながらも、 昔から好意も友情もその人に持たれながら、 恋の成り立つまでにはならなかったのを思うと、 もうあとへは退《ひ》けない気になっていて、 再び情火を胸に燃やしながら心をこめた手紙を続いて送っていた。 東の対のほうに離れていて、 前斎院の宣旨を源氏は呼び寄せて相談をしていた。 女房たちのだれの誘惑にもなびいて行きそうな人々は 狂気にもなるほど源氏をほめて夢中になっているこんな家の中で、 朝顔の女王だけは冷静でおありになった。 お若い時すらも友情以上のものを この人にお持ちにならなかったのであるから、 …

  • 【源氏物語627 第20帖 朝顔9】源氏は朝顔に手紙をつけて朝顔の姫君に贈る。姫君からは、「秋にふさわしい花をお送りくださったことで ももの哀れな気持ちになっています」と言った返事があった。

    不満足な気持ちで帰って行った源氏は ましてその夜が眠れなかった。 早く格子を上げさせて源氏は庭の朝霧をながめていた。 枯れた花の中に朝顔が 左右の草にまつわりながらあるかないかに咲いて、 しかも香さえも放つ花を折らせた源氏は、 前斎院へそれを贈るのであった。 あまりに他人らしくお扱いになりましたから、 きまりも悪くなって帰りましたが、 哀れな私の後ろ姿を どうお笑いになったことかと口惜しい気もしますが、 しかし、 見し折りの つゆ忘られぬ 朝顔の 花の盛りは 過ぎやしぬらん どんなに長い年月の間あなたを お思いしているかということだけは 知っていてくださるはずだと思いまして、 私は歎《なげ》き…

  • 【源氏物語626 第20帖 朝顔8】朝顔の姫君に袖にされた源氏。「あまりに哀れに自分が見えすぎますから」と深い歎息《たんそく》をしながら源氏は帰った。女房の宣旨は源氏に同情をした。

    なべて世の 哀ればかりを 問ふからに 誓ひしことを 神やいさめん と斎院のお歌が伝えられる。 「そんなことをおとがめになるのですか。 その時代の罪は皆 科戸《しなど》の風に追 ってもらったはずです」 源氏の愛嬌《あいきょう》はこぼれるようであった。 「この御禊《みそぎ》を神は (恋せじとみたらし川にせし 御禊《みそぎ》神は受けずもなりにけるかな) お受けになりませんそうですね」 宣旨は軽く戯談《じょうだん》にしては言っているが、 心の中では非常に気の毒だと源氏に同情していた。 羞恥《しゅうち》深い女王は 次第に奥へ身を引いておしまいになって、 もう宣旨にも言葉をお与えにならない。 「あまりに哀…

  • 【源氏物語625 第20帖 朝顔7】「今はもう神に託しておのがれになることもできないはずです。私が不幸な目にあっていた時以来の苦しみの記録の片端でもお聞きください」源氏は朝顔の姫君に会いたいと伝える。

    「今になりまして、 お居間の御簾の前などにお席をいただくことかと 私はちょっと戸惑いがされます。 どんなに長い年月にわたって 私は志を申し続けてきたことでしょう。 その労に酬《むく》いられて、 お居間へ伺うくらいのことは 許されていいかと信じてきましたが」 と言って、源氏は不満足な顔をしていた。 「昔というものは皆夢でございまして、 それがさめたのちのはかない世かと、 それもまだよく決めて思われません境地に ただ今はおります私ですから、 あなた様の労などは静かに考えさせていただいたのちに 定《き》めなければと存じます」 女王の言葉の伝えられたのはこれだった。 だからこの世は定めがたい、頼みにし…

  • 【第12帖 須磨 すま】源氏の君 26歳頃‥源氏は都を離れ わずかな側近とともに須磨へ

    朧月夜との仲が発覚し、 追いつめられた光源氏は後見する東宮に累が及ばないよう、自ら須磨への退去を決意する。 左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、 東宮や女君たちには別れの文を送り、 一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託した。 須磨へ発つ直前、桐壺帝の御陵に参拝したところ、 生前の父帝の幻がはっきり目の前に現れ、 源氏は悲しみを新たにする。 須磨の侘び住まいで、 源氏は都の人々と便りを交わしたり絵を描いたりしつつ、 淋しい日々を送る。 つれづれの物語に明石の君の噂を聞き、 また都から頭中将がはるばる訪ねてきて、一時の再会を喜び合った。 やがて三月上巳の日、 海辺で祓えを執り…

  • 【第10帖 賢木 さかき】光源氏23歳秋9月から25歳夏の話。六条御息所の伊勢下向 野の宮の別れ

    光源氏23歳秋9月から25歳夏の話。 源氏との結婚を諦めた六条御息所は、 娘の斎宮と共に伊勢へ下ることを決意する。 紫の上と結婚した源氏も、 さすがに御息所を哀れに思って秋深まる野の宮を訪れ、 別れを惜しむのだった。 斎宮下向から程なく、桐壺帝が重態に陥り崩御した。 源氏は里下がりした藤壺への恋慕がますます止みがたく忍んでいくが、 藤壺に強く拒絶される。 事が露見し東宮の身に危機が及ぶことを恐れた藤壺は、 源氏にも身内にも知らせず桐壺帝の一周忌の後突然出家した。 悲嘆に暮れる源氏は、右大臣家の威勢に押されて鬱屈する日々の中、 今は尚侍となった朧月夜と密かに逢瀬を重ねるが、 ある晩右大臣に現場を…

  • 【第9帖 葵 あおい】藤壺の宮との若宮が東宮になる。車争い 葵の上の出産‥ 源氏の二十二歳春から二十三歳正月まで

    桐壺帝が譲位し、源氏の兄の朱雀帝が即位する。 藤壺中宮の若宮が東宮【実は源氏と藤壺の子】となり、 源氏は東宮の後見人となる。 また、六条御息所と前東宮の娘(後の秋好中宮)が斎宮となった。 賀茂祭(葵祭、4月 (旧暦)の中の酉の日)の御禊(賀茂斎院が加茂川の河原で禊する)の日、 源氏も供奉のため参列する。 その姿を見ようと身分を隠して見物していた六条御息所の一行は、 同じくその当時懐妊して体調が悪く気晴らしに見物に来ていた源氏の正妻・葵の上の一行と、 見物の場所をめぐっての車争いを起こす。 葵の上の一行の権勢にまかせた乱暴によって六条御息所の牛車は破損、 御息所は見物人であふれる一条大路で恥をか…

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  • 【源氏物語623 第20帖 朝顔5】女五の宮は、源氏の子どもを孫にしている縁で 始終源氏に会えることので切る 姉君の女三の宮(葵の上等の母君)を羨ましがる。

    「お姉様の三の宮がおうらやましい。 あなたのお子さんを孫にしておられる御縁で 始終あなたにお逢いしておられるのだからね。 ここのお亡くなりになった宮様もその思召しだけがあって、 実現できなかったことで歎息《たんそく》を あそばしたことがよくあるのです」 というお話だけには源氏も耳のとまる気がした。 「そうなっておりましたら 私はすばらしい幸福な人間だったでしょう。 宮様がたは私に御愛情が足りなかったとより思われません」 と源氏は恨めしいふうに、しかも言外に意を響かせても言った。 🌸優しい憂雨に written by 蒲鉾さちこ 少納言のホームページ 源氏物語&古典 少納言の部屋 ぜひご覧くださ…

  • 【源氏物語624 第20帖 朝顔6】源氏は朝顔の姫君を訪ねた。鈍色の縁の御簾に黒い几帳の添えて立てられてある透影は身にしむものに思われた。薫物の香が風について吹き通う艶なお住居である。

    女王のお住まいになっているほうの庭を遠く見ると、 枯れ枯れになった花草もなお魅力を持つもののように思われて、 それを静かな気分でながめていられる麗人が直ちに想像され、 源氏は恋しかった。 逢いたい心のおさえられないままに、 「こちらへ伺いましたついでにお訪ねいたさないことは、 志のないもののように、誤解を受けましょうから、 あちらへも参りましょう」 と源氏は言って、縁側伝いに行った。 もう暗くなったころであったが、 鈍《にび》色の縁の御簾《みす》に黒い几帳《きちょう》の 添えて立てられてある透影《すきかげ》は身にしむものに思われた。 薫物《たきもの》の香が風について吹き通う 艶《えん》なお住居…

  • 【源氏物語622 第20帖 朝顔4】女五の宮は源氏の美貌を褒める。源氏は自分は衰えてしまったが、帝の美貌は古今無比であると言うと、宮は 「陛下を拝んでおればいっそう長生きできますね」と申された。

    また続けて、 「ますますきれいですね。 子供でいらっしった時にはじめてあなたを見て、 こんな人も生まれてくるものだろうかとびっくりしましたね。 それからもお目にかかるたびに あなたのきれいなのに驚いてばかりいましたよ。 今の陛下があなたによく似ていらっしゃるという話ですが、 そのとおりには行かないでしょう、 やはりいくぶん劣っていらっしゃるだろうと 私は想像申し上げますよ」 長々と宮は語られるのであるが、 面と向かって美貌をほめる人もないものであると源氏はおかしく思った。 「さすらい人になっておりましたころから 非常に私も衰えてしまいました。 陛下の御美貌は古今無比とお見上げ申しております。 …

  • 【源氏物語621 第20帖 朝顔3】女五の宮様に 源氏は なかなか訪ねられなかったことを詫びた。宮は「私は長生きがいやでしたが、貴方がお栄えになる日を見ることができ 考えが変わりました」と言う。

    ずいぶん老人《としより》めいておしまいになったと思いながらも 源氏は畏《かしこ》まって申し上げた。 「院がお崩《かく》れになりまして以来、 すべてのことが 同じこの世のことと思われませんような変わり方で、 思いがけぬ所罰も受けまして、 遠国に漂泊《さすら》えておりましたが、 たまたま帰京が許されることになりますと、 また雑務に追われてばかりおりますようなことで、 長い前からお伺いいたして故院のお話を承りもし、 お聞きもいただきたいと存じながら果たしえませんことで 悶々《もんもん》としておりました」 「あなたの不幸だったころの世の中はまあどうだったろう。 昔の御代もそうした時代も 同じようになが…

  • 【源氏物語620 第20帖 朝顔2】女五の宮と朝顔の姫君は同じ御殿に住んでおいでになる。源氏が訪ねると とてもお喜びになった。

    同じ御殿の西と東に分かれて、 老内親王と若い前斎院とは住んでおいでになった。 式部卿《しきぶきょう》の宮がお薨《かく》れになって 何ほどの時がたっているのでもないが、 もう宮のうちには荒れた色が漂っていて、 しんみりとした空気があった。 女五の宮が御対面あそばして源氏にいろいろなお話があった。 老女らしい御様子で咳が多くお言葉に混じるのである。 姉君ではあるが太政大臣の未亡人の宮はもっと若く、 美しいところを今もお持ちになるが、 これはまったく老人らしくて、 女性に遠い気のするほど こちこちしたものごしでおありになるのも不思議である。 「院の陛下がお崩《かく》れになってからは、 心細いものに私…

  • 【源氏物語619 第20帖 朝顔1】朝顔の斎院は、父君の桃園式部卿の宮の喪のために職をお辞しになり、叔母の女五の宮と同居しておいでになる。宮のお見舞いに託して源氏は訪問しに行った。

    斎院は父宮の喪のために職をお辞しになった。 源氏は例のように古い恋も忘れることのできぬ癖で、 始終手紙を送っているのであったが、 斎院御在職時代に迷惑をされた噂の相手である人に、 女王は打ち解けた返事をお書きになることもなかった。 九月になって旧邸の桃園の宮へお移りになったのを聞いて、 そこには御叔母の女五《にょご》の宮が 同居しておいでになったから、 そのお見舞いに託して源氏は訪問して行った。 故院がこの御同胞《はらから》がたを 懇切にお扱いになったことによって、 今もそうした方々と源氏には 親しい交際が残っているのである。 🌺🎼Anemone written by H.Lang 少納言のホ…

  • 【源氏物語618 第19帖 薄雲49 完】源氏は 明石の上を慰めた。少し暇のできたころであったから、御堂の仏勤めにも没頭することができて、二、三日源氏が山荘に滞在でき 明石の気持ちも慰められた。

    住み馴れるにしたがって ますます凄い気のする山荘に待つ恋人などというものは、 この源氏ほどの深い愛情を持たない相手をも 引きつける力があるであろうと思われる。 ましてたまさかに逢えたことで、 恨めしい因縁のさすがに浅くないことも思って歎く女は どう取り扱っていいかと、 源氏は力限りの愛撫を試みて慰めるばかりであった。 木の繁《しげ》った中からさす篝《かがり》の光が 流れの蛍と同じように見える庭もおもしろかった。 「過去に寂しい生活の経験をしていなかったら、 私もこの山荘で逢うことが心細くばかり思われることだろう」 と源氏が言うと、 「いさりせし かげ忘られぬ 篝火《かがりび》は 身のうき船や …

  • 【源氏物語617 第19帖 薄雲48】源氏は 明石の上の事が気になりながらも 位が上がり窮屈な立場になったため 通うのが困難になったが 例の嵯峨の御堂の不断の念仏に託して山荘を訪ねた。

    大井の山荘の人も どうしているかと絶えず源氏は思いやっているが、 ますます窮屈な位置に押し上げられてしまった今では、 通って行くことが困難にばかりなった。 悲観的に人生を見るようになった明石《あかし》を、 源氏はそうした寂しい思いをするのも心がらである、 自分の勧めに従って町へ出て来ればよいのであるが、 他の夫人たちといっしょに住むのがいやだと思うような 思い上がりすぎたところがあるからであると見ながらも、 また哀れで、 例の嵯峨《さが》の御堂の不断の念仏に託して 山荘を訪《たず》ねた。 🪷🎼哀歌 written by ハシマミ 少納言のホームページ 源氏物語&古典 少納言の部屋 ぜひご覧くだ…

  • 【源氏物語616 第19帖 薄雲47】源氏は紫の上に「女御の秋がよいとお言いになるのにも同情されるし、貴方が春が好きなことにも私は喜びを感じる。季節季節の草木で貴方方を楽しませたい」と語っていた。

    源氏は夫人に、 「女御の秋がよいとお言いになるのにも同情されるし、 あなたの春が好きなことにも私は喜びを感じる。 季節季節の草木だけででも気に入った享楽を あなたがたにさせたい。 いろいろの仕事を多く持っていて はそんなことも望みどおりにはできないから、 早く出家が遂げたいものの、 あなたの寂しくなることが思われてそれも実現難になりますよ」 などと語っていた。 🪻🎼#秋の風景 written by ゆうり 少納言のホームページ 源氏物語&古典 少納言の部屋 ぜひご覧ください🪷 https://syounagon.jimdosite.com 🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画。…

  • 🌺源氏物語【第20帖 朝顔 Asagao】源氏32歳の秋から冬の話🍂桃園式部卿の姫君で賀茂斎院出会った 朝顔の姫君に源氏は好意を持つ‥

    🌺源氏物語【第20帖 朝顔 Asagao】 光源氏32歳の秋から冬の話。 藤壺の死去と同じ頃、源氏の叔父である桃園式部卿宮が死去したので、 その娘、朝顔は賀茂斎院を退いて邸にこもっていた。 若い頃から朝顔に執着していた源氏は、 朝顔と同居する叔母女五の宮の見舞いにかこつけ 頻繁に桃園邸を訪ね、紫の上を不安にさせる。 朝顔も源氏に好意を抱いていたが、 源氏と深い仲になれば、 六条御息所と同じく不幸になろうと恐れて源氏を拒んだ。 朝顔への思いを諦めた源氏は、 雪の夜、紫の上をなぐさめつつ、 これまでの女性のことを話して過去を振り返る。 その夜源氏の夢に藤壺があらわれ、 罪が知れて苦しんでいると言っ…

  • 【源氏物語615 第19帖 薄雲46】源氏は、思ってはならぬ人に恋をし、悲しみに胸のふさがるような癖が まだ自分には残っているのでないかと思われたが、年が行けば分別ができるものであるとも悟った。

    西の対に帰った源氏は すぐにも寝室へはいらずに物思わしいふうで庭をながめながら、 端の座敷にからだを横たえていた。 燈籠《とうろう》を少し遠くへ掛けさせ、 女房たちをそばに置いて話をさせなどしているのであった。 思ってはならぬ人が恋しくなって、 悲しみに胸のふさがるような癖が まだ自分には残っているのでないかと、 源氏は自身のことながらも思われた。 これはまったく似合わしからぬ恋である、 おそろしい罪であることは これ以上であるかもしれぬが若き日の過失は、 思慮の足らないためと神仏もお許しになったのであろう、 今もまたその罪を犯してはならないと、 源氏はみずから思われてきたことによって、 年が…

  • 【源氏物語614 第19帖 薄雲45】可憐な斎宮女御(六条御息所の姫君)に源氏は思わず恋心を打ち明ける。女御は困惑して 柔らかにみじろぎをして少しずつあとへ引っ込んでお行きになる。

    お言葉尻《じり》の しどけなくなってしまう様子などの可憐《かれん》さに、 源氏は思わず規《のり》を越した言葉を口に出した。 「 君もさは 哀れをかはせ 人知れず わが身にしむる秋の夕風 忍びきれないおりおりがあるのです」 宮のお返辞のあるわけもない。 腑《ふ》に落ちないとお思いになるふうである。 いったんおさえたものが外へあふれ出たあとは、 その勢いで恋も恨みも源氏の口をついて出てきた。 それ以上にも事を進ませる可能性はあったが、 宮があまりにもあきれてお思いになる様子の見えるのも 道理に思われたし、 自身の心もけしからぬことであると思い返されもして 源氏はただ歎息《たんそく》をしていた。 艶…

  • 【源氏物語613 第19帖 薄雲44】源氏は、女御に「春と秋とどちらかお好きか」と尋ねる。女御は、「秋が 亡くなった母(六条御息所)を思い出される時になっており 特別な気がする」とお答えになる。

    「人聞きのよい人生の望みなどはたいして持ちませんが、 四季時々の美しい自然を生かせるようなことで、 私は満足を得たいと思っています。 春の花の咲く林、秋の野のながめを 昔からいろいろに優劣が論ぜられていますが、 道理だと思って、 どちらかに加担のできるほどのことはまだだれにも言われておりません。 支那《しな》では春の花の錦が最上のものに言われておりますし、 日本の歌では秋の哀れが大事に取り扱われています。 どちらもその時その時に感情が変わっていって、 どれが最もよいとは私らに決められないのです。 狭い邸《やしき》の中ででも、 あるいは春の花の木をもっぱら集めて植えたり、 秋草の花を多く作らせて…

  • 【源氏物語612 第19帖 薄雲43】源氏は、自分の望みは閑散な身になって 風流三昧の暮らしたいと言った。女御のお返事はおおようで、源氏の心それに惹きつけられてしまって、日の暮れるまでとどまっていた。

    「今の私の望みは閑散な身になって 風流三昧《ざんまい》に暮らしうることと、 のちの世の勤めも十分にすることのほかはありませんが、 この世の思い出になることを一つでも残すことのできないのは さすがに残念に思われます。 ただ二人の子供がございますが、 老い先ははるかで待ち遠しいものです。 失礼ですがあなたの手でこの家の名誉をお上げくだすって、 私の亡《な》くなりましたのちも 私の子供らを護《まも》っておやりください」 などと言った。 宮のお返事はおおようで、 しかも一言をたいした努力でお言いになるほどのものであるが、 源氏の心はまったくそれに惹《ひ》きつけられてしまって、 日の暮れるまでとどまって…

  • 【源氏物語611 第19帖 薄雲42】源氏は「恋愛問題のほうが大切に思われる私なのですから、どんな抑制を心に加えて貴女の御後見だけに満足していることか、それをご存じになっていますか?」と女御に伝えた。

    「私の何もかもが途中で挫折《ざせつ》してしまったころ、 心苦しくてなりませんでしたことが どうやら少しずつよくなっていくようです。 今東の院に住んでおります妻は、 寄るべの少ない点で絶えず私の気がかりになったものですが、 それも安心のできるようになりました。 善良な女で、 私と双方でよく理解し合っていますから朗らかなものです。 私がまた世の中へ帰って朝政に与《あずか》るような喜びは 私にたいしたこととは思われないで、 そうした恋愛問題のほうがたいせつに思われる私なのですから、 どんな抑制を心に加えてあなたの御後見だけに満足していることか、 それをご存じになっていますか、 御同情でもしていただか…

  • 【源氏物語610 第19帖 薄雲41】「自分の誠意がわかってもらえなかった二つのことがある、一つはあなたのお母様のことです。お恨ませしたままお別れしてしまった。‥」源氏は もう一つの話はしなかった。

    「私は過去の青年時代に、 みずから求めて物思いの多い日を送りました。 恋愛するのは苦しいものなのですよ。 悪い結果を見ることもたくさんありましたが、 とうとう終《しま》いまで 自分の誠意がわかってもらえなかった二つのことがあるのですが、 その一つはあなたのお母様のことです。 お恨ませしたままお別れしてしまって、 このことで未来までの煩いになることを 私はしてしまったかと悲しんでいましたが、 こうしてあなたにお尽くしすることのできることで 私はみずから慰んでいるものの なおそれでもおかくれになったあなたのお母様のことを考えますと、 私の心はいつも暗くなります」 もう一つのほうの話はしなかった。 …

  • 【源氏物語609 第19帖 薄雲40】源氏は几帳だけを隔てて、女御とお会いになった。艶な人であるに相違ない、今日まで お顔を見ることのできないことが残念であると、源氏の胸が騒いだ。困った癖である。

    御簾《みす》の中へ源氏ははいって行った。 几帳《きちょう》だけを隔てて王女御はお逢いになった。 「庭の草花は残らず咲きましたよ。 今年のような恐ろしい年でも、 秋を忘れずに咲くのが哀れです」 こう言いながら柱によりかかっている源氏は美しかった。 御息所《みやすどころ》のことを言い出して、 野の宮に行ってなかなか逢ってもらえなかった秋のことも話した。 故人を切に恋しく思うふうが源氏に見えた。 宮も 「いにしへの昔のことをいとどしくかくれば袖ぞ露けかりける」 というように、 少しお泣きになる様子が非常に可憐《かれん》で、 みじろぎの音も類のない柔らかさに聞こえた。 艶《えん》な人であるに相違ない、…

  • 【源氏物語608 第19帖 薄雲39】斎宮の女御は源氏の後援で安泰である。源氏は、女院のために源氏は続いて精進をしている。手に掛けた数珠《じゅず》を見せぬように袖に隠した様子などが艶《えん》であった。

    斎宮《さいぐう》の女御《にょご》は予想されたように 源氏の後援があるために後宮のすばらしい地位を得ていた。 すべての点に 源氏の理想にする貴女《きじょ》らしさの備わった人であったから、 源氏はたいせつにかしずいていた。 この秋女御は御所から二条の院へ退出した。 中央の寝殿を女御の住居に決めて、 輝くほどの装飾をして源氏は迎えたのであった。 もう院への御遠慮も薄らいで、 万事を養父の心で世話をしているのである。 秋の雨が静かに降って植え込みの草の花の濡れ乱れた庭をながめて 女院のことがまた悲しく思い出された源氏は、 湿ったふうで女御の御殿へ行った。 濃い鈍《にび》色の直衣《のうし》を着て、 病死…

  • 【源氏物語607 第19帖 薄雲38】源氏は、王命婦に尋ねた。命婦は「藤壺の宮様は、帝が秘密を知らぬことで、御仏の咎《とが》をお受けになりはせぬかと 御煩悶をあそばしたようでございました」と答えた。

    🪷標題は源氏物語606になってますが、正しくは【源氏物語607 第19帖 薄雲38】です💦すみません🙇 帝はそれも御不満足なことに思召して、 親王になることをしきりにお勧めあそばされたが、 そうして帝の御後見をする政治家がいなくなる、 中納言が今度大納言になって 右大将を兼任することになったが、 この人がもう一段昇進したあとであったなら、 親王になって閑散な位置へ退くのもよいと源氏は思っていた。 源氏はこんなふうな態度を 帝がおとりあそばすことになったことで苦しんでいた。 故中宮のためにもおかわいそうなことで、 また陛下には 御煩悶《はんもん》をおさせする結果になっている秘密奏上を だれがした…

  • 【源氏物語 第2帖 箒木 総集編🌿】光源氏17歳の夏。雨夜の品定め☔️ 方違えで伊予介の屋敷に 空蝉との出会い🎋

    五月雨の夜、17歳になった光源氏のもとに、頭中将が訪ねてきた。さらに左馬頭(さまのかみ)と藤式部丞(とうしきぶのじょう)も交えて、4人で女性談義をすることになる。その後、紀伊守の屋敷に方違えのために訪れた源氏は、伊予介の後妻である、前日話題となった中流階級の女性である空蝉(伊予介の後妻)のことを聞き、かいま見て、興味を持ち、深夜にその部屋に忍び込み、強引に一夜を共にする。 少納言のホームページ 源氏物語&古典 syounagon-web ぜひご覧ください🪷 https://syounagon-web-1.jimdosite.com 🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画。チャンネ…

  • 【源氏物語 第1帖 桐壺 総集編🪷】桐壺帝と桐壺の更衣の悲恋🪷光源氏の誕生から12歳まで

    光源氏の誕生から12歳まで🪷帝(桐壺帝)から大変な寵愛を受けた桐壺更衣。二人の間には輝くように美しい皇子が生まれたが、 他の妃たちの嫉妬や嫌がらせが原因か病気がちだった更衣は、3歳の皇子を残して病死する。これを深く嘆く帝を慰めるために、亡き更衣に生きうつしの先帝の皇女(藤壺)が入内する。 一方、皇子は帝のもとで育てられ、亡き母(桐壷更衣)に似ているという藤壺を慕う。 帝は元服した皇子を臣籍降下させ源姓を与えて、左大臣家の娘(葵の上)の婿とする。 彼はその光り輝くような美貌から光る君、藤壺の宮は輝く日の宮と呼ばれる。 少納言のホームページ 源氏物語&古典 syounagon-web ぜひご覧くだ…

  • 【百人一首に親しもう】1番 天智天皇 (てんじてんのう)〜26番 貞信公 (ていしんこう)まで🪷

    1天智天皇 (詳しくは↓のブログのリンクに書いてあります🌷) #秋の田のかりほの庵の苫を荒みわがころも手は露に濡れつつ https://syounagon.hatenablog.com/entry/2022/08/19/171354 2持統天皇 #春すぎて夏来にけらし白たへのころもほすてふあまの香具山 https://syounagon.hatenablog.com/entry/2022/08/21/175706 3柿本人麻呂 #あしひきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む https://syounagon.hatenablog.com/entry/2022/08/25/210…

  • 【源氏物語606 第19帖 薄雲37】秋の除目《じもく》に源氏を太政大臣に任じようとあそばして、内諾を得るためにお話をあそばした時に、帝は源氏を天子にしたいかねての思召しをおもらしになった。

    秋の除目《じもく》に源氏を太政大臣に任じようとあそばして、 内諾を得るためにお話をあそばした時に、 帝は源氏を天子にしたいかねての思召しを はじめてお洩《も》らしになった。 源氏はまぶしくも、恐ろしくも思って、 あるまじいことに思うと奏上した。 「故院はおおぜいのお子様の中で特に私をお愛しになりながら、 御位《みくらい》をお譲りになることは お考えにもならなかったのでございます。 その御意志にそむいて、 及びない地位に私がどうしてなれましょう。 故院の思召しどおりに私は一臣下として 政治に携わらせていただきまして、 今少し年を取りました時に、 静かな出家の生活にもはいろうと存じます」 と平生の…

  • 【源氏物語605 第19帖 薄雲36】皇子の源氏になった人が 即位される例は幾つもあった。りっぱな人格を尊敬することに託して、自分は源氏に位を譲ろうかとも思召すのであった。

    帝は王命婦にくわしいことを尋ねたく思召したが、 今になって女院が秘密を秘密とすることに苦心されたことを、 自分が知ったことは命婦にも思われたくない、 ただ大臣にだけほのめかして、 歴史の上にこうした例があるということを 聞きたいと思召されるのであったが、 そうしたお話をあそばす機会がお見つかりにならないために いよいよ御学問に没頭あそばされて、 いろいろの書物を御覧になったが、 支那にはそうした事実が公然認められている天子も、 隠れた事実として伝記に書かれてある天子も多かったが、 この国の書物からはさらにこれにあたる例を 御発見あそばすことはできなかった。 皇子の源氏になった人が納言になり、大…

  • 【源氏物語604 第19帖 薄雲35】喪服姿の源氏の顔と竜顔とは常よりも いっそうよく似て ほとんど同じもののように見えた。僧都がお話し申し上げたほど明確に秘密を帝がお知りになったとは想像しなかった。

    じみな黒い喪服姿の源氏の顔と竜顔《りゅうがん》とは 常よりもなおいっそうよく似てほとんど同じもののように見えた。 帝も以前から鏡にうつるお顔で 源氏に似たことは知っておいでになるのであるが、 僧都の話をお聞きになった今はしみじみとその顔に御目が注がれて 熱い御愛情のお心にわくのをお覚えになる帝は、 どうかして源氏にそのことを語りたいと思召すのであったが、 さすがに御言葉にはあそばしにくいことであったから、 お若い帝は羞恥をお感じになってお言い出しにならなかった。 そんな間帝はただの話も常よりはなつかしいふうにお語りになり、 敬意をお見せになったりもあそばして、 以前とは変わった御様子がうかがわ…

  • 【源氏物語603 第19帖 薄雲34】「死人が多くて人心が恐怖状態になっておりますことは、必ずしも 政治の正しいのと正しくないのとによることではございません。」そう源氏は、譲位を考える帝をお諌めした。

    「それはあるまじいことでございます。 死人が多くて人心が恐怖状態になっておりますことは、 必ずしも 政治の正しいのと正しくないのとによることではございません。 聖主の御代《みよ》にも天変と地上の乱のございますことは 支那《しな》にもございました。 ここにもあったのでございます。 まして老人たちの天命が終わって亡くなってまいりますことは 大御心《おおみこころ》におかけあそばすことではございません」 などと源氏は言って、 譲位のことを仰せられた帝をお諫《いさ》めしていた。 問題が間題であるからむずかしい文字は省略する。 🪷🎼天使のいる教会 written by マニーラ 少納言のホームページ 源氏…

  • 【源氏物語602 第19帖 薄雲33】源氏は女院をお慕いする親子の情から、お悲しいのであろうと拝見したその日に式部卿親王の薨去が奏上された。いよいよ天の示しが急になったと帝はお感じになったのであった。

    源氏は女院をお慕いあそばされる御親子の情から、 夜も昼もお悲しいのであろうと拝見した、その日に式部卿《しきぶきょう》親王の薨去が奏上された。いよいよ天の示しが急になったというように帝はお感じになったのであった。こんなころであったからこの日は源氏も自邸へ退出せずにずっとおそばに侍していた。しんみりとしたお話の中で、 「もう世の終わりが来たのではないだろうか。 私は心細くてならないし、 天下の人心もこんなふうに不安になっている時だから 私はこの地位に落ち着いていられない。 女院がどう思召すかと御遠慮をしていて、 位を退くことなどは言い出せなかったのであるが、 私はもう位を譲って責任の軽い身の上にな…

  • 【源氏物語 第19帖 薄雲 Usugumo】🪷光源氏31歳冬から32歳秋の話〜明石の御方は源氏に姫君を委ねる。藤壺の宮の崩御

    🪷光源氏31歳冬から32歳秋の話。 明石の御方は悩みぬいた末、 母尼君の説得もあって姫君を源氏に委ねることを決断する。 雪の日に源氏が姫君を迎えに訪れ、明石の御方は涙ながらにそれを見送った。 二条院では早速盛大な袴着が行われ、 紫の上も今は姫君の可愛らしさに魅了されて、 明石の御方のことも少しは許す気になるのだった。 翌年、太政大臣(頭中将と葵の上の父)が亡くなり、 その後も天変が相次いだ。 不安定な政情の中、3月に病に臥していた藤壺が37歳で崩御。 源氏は悲嘆のあまり、念誦堂に篭って泣き暮らした。 法要が一段落した頃、 藤壺の時代から仕えていた夜居の僧が、冷泉帝に出生の秘密を密かに告げた。 …

  • 【源氏物語601 第19帖 薄雲32】帝は隠れた事実をお聞きになって、故院のためにも済まないこととお思われになったし、源氏が父君でありながら自分の臣下となっているということももったいなく思召された。

    帝は隠れた事実を夢のようにお聞きになって、 いろいろと御煩悶《はんもん》をあそばされた。 故院のためにも済まないこととお思われになったし、 源氏が父君でありながら自分の臣下となっているということも もったいなく思召された。 お胸が苦しくて朝の時が進んでも御寝室をお離れにならないのを、 こうこうと報《しら》せがあって源氏の大臣が驚いて参内した。 お出ましになって源氏の顔を御覧になると いっそう忍びがたくおなりあそばされた。 帝は御落涙になった。 🪷🎼落陽 written by のる 少納言のホームページ 源氏物語&古典 少納言の部屋 ぜひご覧ください🪷 https://syounagon.jim…

  • 【源氏物語600 第19帖 薄雲31】帝は、女院と源氏の君の秘密を他に知った者はいないかと お聞きになった。僧都は、「‥私と王命婦以外にこの秘密をうかがい知った者はございません。」と答えた。

    何とも仰せがないので、 僧都は進んで秘密をお知らせ申し上げたことを 御不快に思召すのかと恐懼《きょうく》して、 そっと退出しようとしたのを、 帝はおとどめになった。 「それを自分が知らないままで済んだなら 後世《ごせ》までも罪を負って行かなければならなかったと思う。 今まで言ってくれなかったことを 私はむしろあなたに信用がなかったのかと恨めしく思う。 そのことをほかにも知った者があるだろうか」 と仰せられる。 「決してございません。 私と王命婦以外にこの秘密をうかがい知った者はございません。 その隠れた事実のために 恐ろしい天の譴《さとし》がしきりにあるのでございます。 世間に何となく不安な気…

  • 【源氏物語599 第19帖 薄雲30】僧都の奏上するところを聞こし召して、お驚きになった帝の御心《みこころ》は恥ずかしさと、恐しさと、悲しさとの入り乱れて名状しがたいものであった。

    「もったいない。 私は仏様がお禁じになりました真言秘密の法も 陛下には御伝授申し上げました。 私個人のことで申し上げにくいことが何ございましょう。 この話は過去未来に広く関聯《かんれん》したことでございまして お崩《かく》れになりました院、女院様、 現在国務をお預かりになる内大臣のおためにも かえって悪い影響をお与えすることになるかもしれません。 老いた僧の身の私は どんな難儀になりましても後悔などはいたしません。 仏様からこの告白はお勧めを受けてすることでございます。 陛下がお妊《はら》まれになりました時から、 故宮はたいへんな御心配をなさいまして、 私に御委託あそばしたある祈祷《きとう》が…

  • 【源氏物語598 第19帖 薄雲29】僧都は「陛下がご存じにならないでは 相当な大きな罪をお得になることでございますから、天の目の恐ろしさを思いまして、」と言い出した。

    僧都は昔風に咳《せき》払いをしながら、 世の中のお話を申し上げていたが、 その続きに、 「まことに申し上げにくいことでございまして、 かえってそのことが罪を作りますことになるかもしれませんから、 躊躇《ちゅうちょ》はいたされますが、 陛下がご存じにならないでは 相当な大きな罪をお得になることでございますから、 天の目の恐ろしさを思いまして、 私は苦しみながら亡《な》くなりますれば、 やはり陛下のおためにはならないばかりでなく、 仏様からも卑怯者としてお憎しみを受けると思いまして」 こんなことを言い出した。 しかもすぐにはあとを言わずにいるのである。 帝は何のことであろう、 今日もまだ意志の通ら…

  • 【源氏物語597 第19帖 薄雲28】女院も御信頼あそばされた人で、朝廷からも重い待遇を受けてた僧都が 夜居《よい》の僧として帝に侍していた。静かな夜明け 人は退出し誰もいなくなった。

    ⚠️表題を間違えました🙇 正しくは 源氏物語597 第19帖 薄雲28です💦 御葬儀に付帯したことの皆終わったころになって かえって帝はお心細く思召《おぼしめ》した。 女院の御母后の時代から 祈りの僧としてお仕えしていて、 女院も非常に御尊敬あそばされ、 御信頼あそばされた人で、 朝廷からも重い待遇を受けて、 大きな御祈願が この人の手で多く行なわれたこともある僧都があった。 年は七十くらいである。 もう最後の行をするといって山にこもっていたが 僧都は女院の崩御によって京へ出て来た。 宮中から御召しがあって、 しばしば御所へ出仕していたが、 近ごろはまた以前のように君側《くんそく》のお勤めを …

  • 【源氏物語596 第19帖 薄雲27】源氏は二条の院の庭の桜を見ても、故院の花の宴の日のことが思われ、当時の藤壺の中宮が思われた。「今年ばかりは」(墨染めに咲け)と口ずさまれるのであった。

    源氏は二条の院の庭の桜を見ても、 故院の花の宴の日のことが思われ、 当時の中宮《ちゅうぐう》が思われた。 「今年ばかりは」(墨染めに咲け) と口ずさまれるのであった。 人が不審を起こすであろうことをはばかって、 念誦《ねんず》堂に引きこもって終日源氏は泣いていた。 はなやかに春の夕日がさして、 はるかな山の頂《いただき》の 立ち木の姿もあざやかに見える下を、 薄く流れて行く雲が鈍《にび》色であった。 何一つも源氏の心を惹《ひ》くものもないころであったが、 これだけは身に沁《し》んでながめられた。 入り日さす 峯にたなびく 薄雲は 物思ふ袖《そで》に色やまがへる これはだれも知らぬ源氏の歌である…

  • 【源氏物語595 第19帖 薄雲26】すぐれた御人格の宮は、民衆のためにも大きな愛を持っておいでになった。世の中の人は皆 女院をお惜しみして泣いた。殿上の人も皆 真黒な喪服姿になって寂しい春であった。

    力を落として深い悲しみに浸っていた。 尊貴な方でもすぐれた御人格の宮は、 民衆のためにも大きな愛を持っておいでになった。 権勢があるために知らず知らず一部分の人を しいたげることもできてくるものであるが、 女院にはそうしたお過《あやま》ちもなかった。 女院をお喜ばせしようと当局者の考えることも それだけ国民の負担がふえることであるとお認めになることは お受けにならなかった。 宗教のほうのことも僧の言葉をお聞きになるだけで、 派手《はで》な人目を驚かすような仏事、 法要などの行なわれた話は、 昔の模範的な聖代にもあることであったが、 女院はそれを避けておいでになった。 御両親の御遺産、 官から年…

  • 【源氏物語594 第19帖 薄雲25】「‥頭はただ混乱いたすばかりで、私も長く生きていられない気がいたします」こんなことを 源氏が言っているうちに 女院は、あかりが消えていくように 崩御遊ばされた。

    「無力な私も陛下の御後見に できますだけの努力はしておりますが、 太政大臣の薨去されましたことで 大きな打撃を受けましたおりから、 御重患におなりあそばしたので、 頭はただ混乱いたすばかりで、 私も長く生きていられない気がいたします」 こんなことを源氏が言っているうちに、 あかりが消えていくように女院は 崩御《ほうぎょ》あそばされた。 悲しみのジュスティーヌ written by H.Lang 少納言のホームページ 源氏物語&古典 少納言の部屋🪷ぜひご覧ください🌿 https://syounagon.jimdosite.com 🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画。チャンネル登…

  • 【源氏物語593 第19帖 薄雲24】源氏は、女院のお若かった日から今日までのことを思うと、恋は別にして考えても 惜しいお命が人間の力でどうなることとも思われないことで限りもなく悲しかった。

    「院の御遺言をお守りくだすって、 陛下の御後見をしてくださいますことで、 今までどれほど感謝して参ったかしれませんが、 あなたにお報いする機会がいつかあることと、 のんきに思っておりましたことが、 今日になりましてはまことに残念でなりません」 お言葉を源氏へお取り次がせになる女房へ仰せられるお声が のかに聞こえてくるのである。 源氏はお言葉をいただいても お返辞ができずに泣くばかりである。 見ている女房たちにはそれもまた悲しいことであった。 どうしてこんなに泣かれるのか、 気の弱さを顕わに見せることではないかと 人目が思われるのであるが、 それにもかかわらず涙が流れる。 女院のお若かった日から…

  • 【源氏物語592 第19帖 薄雲23】女院は危篤状態に。源氏は、あらゆる神仏に頼んで宮のお命をとどめようとした。初恋以来の心を告げることが、この際になるまで果たしえないことを源氏は非常に悲しく思う。

    源氏は一廷臣として太政大臣に続いて また女院のすでに危篤状態になっておいでになることは 歎《なげ》かわしいとしていた。 人知れぬ心の中では無限の悲しみをしていて、 あらゆる神仏に頼んで 宮のお命をとどめようとしているのである。 もう長い間禁制の言葉としておさえていた 初恋以来の心を告げることが、 この際になるまで果たしえないことを 源氏は非常に悲しいことであると思った。 源氏は伺候して 女院の御寝室の境に立った几帳《きちょう》の前で 御容体などを女房たちに聞いてみると、 ごく親しくお仕えする人たちだけがそこにはいて、 くわしく話してくれた。 「もうずっと前からお悪いのを我慢あそばして 仏様のお…

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