マスクごし

マスクごし

電動車いすに乗せてもらい、うちの近くの公園をひとりで散策していたが、かえって息苦しくてくたびれるから、しばらくやめていた。 うちを出るとき、マスクをしなければならないからである。 伊達メガネで押さえる方法は思いついた。それでもマスクは動いてしまう。マスクがずれて目隠しになったとき、手が思う通りに動かず、なおせない。助手が必要なのである。 新型コロナウイルスが流行りだしてから、ひとりでの散策はひかえていた。ずっとうちの中にいるのも、息がつまってくる。電動車いすでおもてに出れば、すれちがう人が、こんにちは、とか、きょうはあったかくていいですね、とか、そういって会釈してくれる。脳性まひの症状でかって…