並んだご婦人さんに
散策への道すがら、キンモクセイの香りが、ほのかに漂ってくる。近くの家の庭に木があるが、もう咲いたのだろうか。 アスファルトの路面を枯れ葉がちらほら、乾いた音をたててころがっていく。 長町南はこのところ、雨の日が続いていたので自宅にいる日が多かった。せっかくの晴れ間である。 脳性まひという障害で手足が満足に動かせず、話すにも舌がもつれてはっきりしない。そのため、介護サービスを利用しながら暮らしている。 きょう二人目のヘルパーさんが用が終わって帰るとき、外においてある電動車いすへ移乗してもらった。十二時三十分ごろである。 「お気をつけて」 次のヘルパーさんの訪問は二時間後だから、それまでに戻れば玄…
2016/09/30 22:51