小説「後悔と追憶」

いつだったかな。 いつだったかな、あの頃の記憶。 まだ一年しかたってないのに、僕はこんなに変わってしまった。 もう戻れない。記憶が僕を責める。 そして思い出した。 揺れるカーテンから優しく降るあの夕日を。 玄関から出た僕の体。 不安と期待が待っている 終わりの会が終わった後は、かすかに眠かったことでさえも。 意識していなくても記憶に残っている。 一年前はそんなこと考えもしなかった。 思い出しもしなかった。 ただ、あたりまえに浸かっていただけだった。 あのときは幸せだったのかもしれない。 でも、幸せなら、学校に行かないなんて選択はしないはずだ。 理由がないまま、学校を嫌っていた。 他人と同じにな…

小説 「不登校だった僕の卒業式」

中学校の卒業式。 それは、あっさりと終わった。でも、なにか少し不安があった。 本当にこれでいいのかと。それでも、もう戻れない。 あの思い出も、あの記憶も、不登校になる前の記憶だ。 でも、少しだけ、不登校になってからの記憶もあるな。勇気を出してふざけた時の記憶。 他にもきっとなにかがある。言葉で表せない何か。 頭で再生される中学の思い出。それは少なかったが一つ一つ意味があるような気がした。 気がつくと昇降口。 前に友達がいないと、ブログで書いたような気がしたが、友達とは何かを考えたら、なんかわからなくなってきた。 だけど、僕は友達と写真を撮った。初めて学校にスマホを持ってきた。みんなも当たり前の…