水色の日傘--48

水色の日傘--48

篠田が弾んで言った。 「ママさん良かったね、氷なくなってしもたけどそれだけ売れたんやもんね」 私は思わず言った。 「あほ、ここからが商売やないけ」 「そやな、予想外の売れ行きやけど、どないしょ」 私は全員を見渡した。女子たちの何人かは、それだったら私たちはもういいとグループになって帰る者も居た。しかし男子が全員残っているしそれに関係する女子たちも残っていた。中学生の田中君と君ちゃんが居るし悟君と水口も居る。まだ結構な人数だ。 ママさんが問いかけるように言った。 「ごめんね、でもみんな食べてくれるんやったら今から氷買ってくるけど、どうないしょう」 篠田が素っ頓狂な声をあげた。 「え、今から買いに…