人類史の新たな古典:『万物の黎明』の衝撃
人類学者のデヴィッド・グレーバー、考古学者のデヴィッド・ウェングロウの共著。「人類史を根本からくつがえす」という副題の通りに、作家のケン・フォレットが書評を寄せている。「本書は、人類の歴史についてこれまで信じてきたことを全て爆破させる爆弾だ」と。 私たちが信じてきた人類の歴史。古代は未開で単純な社会だった、農業革命が不平等の起源となった、人類社会はイノベーションにより線形に発展してきた等。 著者たちは膨大な研究資料で裏付けしながら、これらの「常識」をくつがえしていく。「シリアス」ではなく「遊戯」が著者たちの大切なテーマでもあるので、訳書の語り口もやさしい。とはいえ壮大な内容を、膨大な証拠ととも…
2024/02/29 20:04