鉄道再改革待ったなし、30年間の軌跡と展望を総括せよ

鉄道再改革待ったなし、30年間の軌跡と展望を総括せよ

ちょうど30年前の4月1日に、年間2兆円の赤字体質だった旧国鉄が分割民営化され、JRグループが誕生した。30年の間に、JR本州3社は完全民営化を果たした。一方、“三島会社”のうち、JR九州は株式上場にこぎつけたが、JR北海道とJR四国は厳しい経営下にあり、特にJR北海道は、このままではあと3年で資金ショートになるという、極めて厳しい経営環境下にある。 私は、分割民営化が誤りだったとは考えていない。分割民営化の妥当性は、本州3社の採った戦略の違いを見るとよい。JR東日本は、特急電車の充実と新幹線の利便向上いう戦略を採り、鉄道需要の掘り起こしに成功した。JR東海は、売り上げの9割を担う東海道新幹線…