chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
kssa
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2020/04/30

arrow_drop_down
  • 「ひとり狼」(池広一夫監督)を見る 道中合羽に三度笠の雷蔵もすっきりとカッコイイが、映画自体はあまりすっきりとはいかないようで……

    雷蔵晩年の作品。相変わらず殺陣での動きはよいが、すでに病に侵された頃なのか、顔は陰影が深い。 「沓掛時次郎」「中山七里」(どちらも未見)に続く、雷蔵と池広監督の股旅物三部作の三作目でけっこう有名らしいのだが、どこかバランスが悪い映画で、セリフもさすがの雷蔵でも空々しいだろうというのがいくつかある。 ひとり狼 [DVD] 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2013/12/20 メディア: DVD この商品を含むブログを見る

  • 野球小僧のバトン NHK「平成史スクープドキュメント 第1回 大リーガー NOMO ~“トルネード” 日米の衝撃~」を観る

    番組の最後の方だ。インタビュアーが選手としての晩年の時期について質問をした。 「マイナー・リーグやベネズエラリーグでやったわけですね。あの野茂がというような視線は感じませんでしたか」 野茂は少し怪訝な表情をして答える。 「いや、マウンドに立ちたかったですから。マウンドに立つのが好きでしたから」 「引退というのは嫌でした。引退したらマウンドに立てませんから。実際、引退した後もマウンドに立ちたかったですから」 無精髭にノーネクタイ。およそ、伝説の大リーガー「NOMO」の印象からはほど遠い。インタビュアーの質問に淡々とというか、ポツポツとというか愛想なくこたえていたのが、この辺りから目の奥の方が輝い…

  • わが悪夢の系譜 ちょっと大げさな題名で恐縮ですが……

    私はよく苦しい夢を見る。悪夢といってもよい。夜中に、大声をあげたり、長々と喋ったりというのはけっこう頻繁にあって、あまりひどいと家内が揺り起こしてくれる。 3ヶ月ほど前に、それが極端に悪化した。妄想のような夢が多くなった。夢と現実の境が曖昧になって、ベッドから落ちたり、夢遊病のように家の中を歩くようになった。階段を上がるつもりが、間違えてチャブ台に足をかけて怪我をした。 私には長年の持病があるのだが、その頃服用している薬を変えた。私の持病は不眠になりやすいので、辛いときに使っていた睡眠導入剤も別のものにした。慌てて医者に相談したところ、もともとの持病のせいか、どちらかの薬がもたらすものなのかは…

  • 「張込み」(野村芳太郎監督)を観る 美しいモノクロ画面に繰り広げられる緊迫のサスペンス

    昔の映画を見ると、ついついあのころはこんな風だったんだな、というような風俗に目がいってしまう。 『あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション 張込み』 [Blu-ray] 出版社/メーカー: 松竹 発売日: 2015/07/03 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (2件) を見る

  • 庄内柿をいただいて……いつから、柿がこんなに好きになったのだろうか

    山形の叔母から父へ柿が送られてきた。父は94歳だから、年は離れているといっても、叔母も85、6歳にはなるのだろう。父が生き残っている兄弟では一番年上だから、3人いる叔母たちは随分気にかけてくれて、それぞれが携帯電話でしょっちゅう連絡してくる。父も携帯をいつも手元に置いている。 親戚づきあいは、それなりに大変だから、若いときは煩わしかったが、こうやって自分も年取ってみると、家族以外に年老いた父を気にかけてくれる人がいることは、本当にありがたいことだ。 特にここ数年、叔母や父の実家の従兄弟が、季節のものを頻繁に送ってくれるようになった。体の弱っている父がもう、山形に帰りたくても帰れないことがわかっ…

  • ここ一週間に読んだ本・読み通せなかった本 「僕が殺した人と僕を殺した人」東山彰良(文藝春秋)「高峰秀子 解体新書」斎藤明美著 (PHP研究所)「逆さに吊るされた男」田口ランディ(河出書房新社」

    私は仕事を引退しているので、まあ隠居といってよいのだが、主夫の仕事はしなくてはならず、毎日が日曜日というわけにはいかない。平日の午前中は買い物や父の昼飯の用意、午後は洗濯物を入れたり、夕飯の支度をしたりとなかなか忙しい。なんといっても手際が悪いというか、要領が悪いというかけっこうそれだけで時間がかかるのである。休日は、ありがたいことに妻が主婦業に戻ってくれるので自由に使える時間が増える。だから、三連休ともなると、いつもよりまとまった読書ができる。そこで、「積ン読」の山を崩して、何冊か用意していたのだが、予定外の外出があったり、選んだ本のチョイスの問題や、それ以上に体力や根気の不足が響いて、何の…

  • 「妻は告白する」(増村保造監督) 見ているうちに、若尾文子にじわじわと絡め取られていく

    見ているうちに、男が次第に女の用意した蜘蛛の巣に絡め取られるようなゾクゾクした、寒気のようなものを感じてくる。どこかおかしいと思いながらも、糸に巻かれるように、男は身動きができなくなっていく。若尾文子には艶でいて、どこか清潔感のある不思議な魅力があって、見ているものも次第に絡め取られていく。 妻は告白する [DVD] 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2014/06/27 メディア: DVD この商品を含むブログ (4件) を見る ドラマはヒロインが報道陣に囲まれながら法廷に入る場面から始まる。今風に言えば、疑惑のヒロインということになる。罪名は殺人。 北穂高滝谷の…

  • 映画「点と線」(小林恒夫 監督)を観る 昔の清張映画もなかなか新鮮なのだが……  それにしても、高峰三枝子は見事なほど美しい。

    「点と線」著者の最初の長編推理小説であり、松本清張ブームを巻き起こした作品であり、「ゼロの焦点」とともに、清張初期の推理小説の代表作だが、基本は時刻表トリックを使ったアリバイ崩しのどちらかといえば、地味な作品であり、いまの若い人にとっては刺激が弱すぎるだろうか。近くの図書館の棚からも、清張の本が随分外されているから、私より下の世代は、もう清張は読まないのだろうか。 点と線 [DVD] 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) 発売日: 2014/07/11 メディア: DVD この商品を含むブログ (2件) を見る それでもテレビドラマではいまだに松本清張作品は、…

  • 先崎学「うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間」(文藝春秋社)を読む こんなに近くにうつ病があった!

    闘病記である。私が、滅多に読まないジャンルの本だ。だが、あの「天才先崎」がうつ病?棋界きっての文才を誇る先崎学がうつ病になったのか。本屋の店先で思わず手に取った。10ページほど読んで、すぐにレジに向かった。多才な棋士である先崎学に何が起こったのか。 うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間 作者: 先崎学 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/07/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 本の帯にはこんな惹句が記されている。 「空前の藤井フィーバーに沸く将棋界、突然の休業を余儀なくされた羽生世代の騎士。うつ病回復末期の“患者”がリハビリを兼ねて綴った世に…

  • 山本周五郎「五辯の椿」を読む 復讐劇の仕掛けは……

    何十年ぶりかの再読である。根気がなくなっている昨今には珍しく、一気に読んだ。若い女の復讐劇。母「おその」とその愛人を焼き殺し、母の遊び相手だった男たちを色仕掛けで惑わせ、次々にかんざしで刺し殺していく。よくよく考えれば、ヒロイン「おしの」の復讐は凄惨なものなのだが、読んでいる時はそこに思い至らない。どこまでもおしのが清冽な印象を受けるのには、作者の周到な仕掛けがある。 五瓣の椿 作者: 山本周五郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2012/12/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、kssaさんをフォローしませんか?

ハンドル名
kssaさん
ブログタイトル
日付のない便り
フォロー
日付のない便り

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用