人生の様々な出来事を通じ、私自身に起こった“内なる変化”をたどってみます。それは「生きるとは」を見ていく作業。皆さんも、ご自分の人生を振り返りながら読んでいただき、ご自分にとっての「生きるとは」を見つめるきっかけになれば幸いです。
「前のページ[1-3]葬儀」から続く→ 自分でも不思議だな、と思ったのが、初めて両親の遺体と対面した時のことだった。 変わり果てた姿を見て、動揺してもよさそうなものなのに、そんな心情には全くならなかった。 その亡骸は、私にとっては、両親の魂が抜けた単なる物体でしかなかった。(これはもう両親じゃない)という思いがあり、ドラマで見るように、泣きすがるなんて気持ちには全くならなかった。 これはどうしたものか...
前のページ「[1-2]愛知県の実家で」から続く→ 両親の自死についての記事が、新聞に載ってしまったせいか、お通夜、お葬式、それから私達が帰るまでの間、母のお友達が入れ替わり立ち替わり来てくれた。ご飯を作って持ってきてくれることもあり、とても助けられた。 豊川に親族は誰もいなかったが、お陰様で、私達は孤独を感じることなく過ごすことができた。 東京から駆けつけた母の妹を最寄りの駅まで出迎えに行くと、真っ赤に...
前のページ「[1-1]深夜の電話」から続く→ 私が住んでいた横浜から豊川まで、夜中だったこともあり、4時間ほどで到着した。 豊川の実家に着いた時、そこにはまるでドラマの撮影現場のような光景が広がっていた。黄色と黒の立ち入り禁止のテープが家の周りに張り巡らされ、パトカーが何台も止まり、警察官が何人もいた。 「この家の者です」 と警察官に告げ、家の中に入る。家の中は、物々しい雰囲気だった。 その時はまだ、第...
「はじめに」 から続く→ 滅多に鳴らない家の電話の呼び出し音を、眠りの中で遠くに聞いた。時計を見ると夜中の2時を回っていた。 「こんな時間に誰だろう?」 寝ぼけまなこをこすりながら電話に出る。 「はい、工藤です」 「落ち着いて聞いて…」 電話の向こうは、ただならぬ気配の弟の押し殺した声。 「うん、なに?」 「お父さんとお母さんが、死んだ」 「………」 「今、豊川から電話があって、これからそっちに向かうか...
これから、これまでの私の歩みを書いてみようと思う。 出来事を追いながら書いていくが、様々な出来事を通して変化していく、私の心の内側の動きを追う試みだ。そして、私にとっての「生きるとは」を見ていく作業でもある。 皆さんも、ご自分の人生を振り返りながら読み進めていただき、ご自分にとっての「生きるとは」を見つめるきっかけにしていただければ幸いだ。Ladli →本編のはじまり「[1-1]深夜の電話」へ続く...
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