LES MISERABLES
カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した現代版『レ・ミゼラブル』を観てまいりました。ヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』を現代化。舞台は原作と同じく、パリ郊外のモンフェルメイユ。まず、余りにも挑戦的なタイトル。ミュージカル作品として広く知れ渡り、最早少女コゼットの成長譚でしかない『レ・ミゼラブル』という単語そのものを再定義するかのような作品です。それは「レミゼ好き」と宣う人々に対するメタ的な批判をも内包しているかのようで、「悲劇は現在も続いている」という監督の強い姿勢が垣間見えるようです。冒頭は人種を超えてオリンピックに熱狂するフランス国民の姿。仮初の一致団結を象徴する実にアイロニカルなシーンから始まります。ただ、実際のフランスではマリーヌ・ル・ペン率いる極右勢力が台頭してきており、移民への風当たりは年々強まっ...LESMISERABLES
2020/07/26 14:07