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オメガに説く幸福論(2)
<<はじめから読む! <(1) エルフの国へ行くのは、リッカの他に七人の年若い、番のいないオメガたちと決まった。 十四から十六の、妊娠・出産に適した年齢の少年たちには、リッカが直接告げに行った。 家族で暮らしている者もいれば、国の援助
2024/10/30 19:33
オメガに説く幸福論(1)
<<はじめから読む! 古来から、他国の貴賓が訪れたときには、舞踏会を開くのがマナーらしい。 エルフの国より書状が届いたときから、オメガの国の王、リッカの母親でもあるミオは、城を挙げて準備を進めさせた。 何せ相手は、あのエルフだ。 こ
2024/10/28 10:07
オメガに説く幸福論 プロローグ
燭台の心許ない灯りが照らす部屋は、薄暗い。 まるで自分の行く末を案じしているみたいじゃないか。リッカはそう思う。 ベッドの横につけた椅子に座り、母と目線を合わせる。彼の顔はげっそりと頬が痩け、青白かった。ウェーブを描き背を落ちる赤い毛は
2024/10/28 10:04
繋がる円盤
「UFOとか、興味はない?」 肩をツンツンされながら話しかけられた。人違いだと思いたかった。意味がわからずに、たっぷり三十秒は沈黙し、大地だいちは男の顔をまじまじと見つめてしまう。 鑑賞に堪える顔なのが、いっそうっとうしい。ぴかぴか光る
2024/10/22 13:56
歌ってマスール(23)
<<はじめから読む! <(22) 二〇二四年、十二月。 学生時代はそうでもなかったが、社会人になってから、「師走」という言葉に現実味を感じるようになっていた。一年があっという間に過ぎていく。 望美は二十五歳になった。なってしまった。兄
2024/10/20 08:28
歌ってマスール(22)
<<はじめから読む! <(21) 二学期の終業式。 ミッションスクール独自の行事として、クリスマスミサが行われる。近くの教会の神父を呼び、クリスチャンの生徒や教師が聖体を拝領する、本格的なものだ。 とはいえ、学校の生徒のほとんどが信仰
2024/10/19 19:13
歌ってマスール(21)
<<はじめから読む! <(20) 生徒が使う部屋と、広さは大差なかった。違うのは物の少なさで、本棚には聖書やカトリックに関する本が並んでいるだけだった。 「吉村さん」 立ち上がって出迎えてくれた鏡花は、入室したのが望美だと知ると、ホッと
2024/10/15 14:08
歌ってマスール(20)
<<はじめから読む! <(19) MIRAと鏡花が同一人物であるという疑惑を抱いて以降、望美は鏡花のことを徹底して避けた。菜々を助けるべく、相談して動かなければならないのに、一切言葉を交わしていない。 彼女の方は、何かを話したそうにこち
2024/10/13 14:33
歌ってマスール(19)
<<はじめから読む! <(18) その日以降、菜々は帰ってこなかった。 寮母にも生徒指導の教師にも聞きづらく、望美が彼女の処遇を尋ねたのは、鏡花だった。彼女は自分の味方だ。菜々ともよく話をしていて、仲がいい。 鏡花は菜々がタバコを持っ
2024/10/12 19:24
歌ってマスール(18)
<<はじめから読む! <(17) MIRAの痕跡を追うも、実像が見えてこないまま、十二月半ばになろうとしていた。 期末テストの季節である。 一度取った特待生は、目に余る素行不良や法律に反する行動を行わない限り、たとえ学年順位が下がった
2024/10/08 09:30
歌ってマスール(17)
<<はじめから読む! <(16) 帰寮してすぐ、MIRAの捜索を始めた。 彼女は兄が自殺する少し前に、歌い手の活動を休止している。理由については言及がなく、更新が途絶えているSNSには、活動を無期限休止すること、動画は削除しないことを端
2024/10/06 09:47
歌ってマスール(16)
<<はじめから読む! <(15) 在宅している期間が、めっきり短くなった母を、とうとう施設に入れる。 そして、祖父母は別の土地に引っ越しをするのだという。母の身持ちの悪さで、あれこれと噂をされる生活とも、これでおさらばというわけだ。
2024/10/05 09:45
歌ってマスール(15)
<<はじめから読む! <(14) 翌朝、鏡花に伴われて、元々の宿泊先であるホテルへと帰った。 修道院は静かで、自分の愚かな行いを嫌というほど反省した。眠れないと思ったが、実際はよく眠れて、鏡で見た顔はまだ腫れていたが、晴れ晴れとしていた
2024/10/02 08:47
2024年10月 (1件〜100件)
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