大学時代の小説家志望の知人の思い出
小説家になることを夢見ている知人が居た。 知り合った当時は僕も彼も大学生だった。脇目も振らずに夢を追いかけることが許されるような歳だ。 僕は前の記事で書いたとおり特に夢もなく、ぼんやりと生きていたわけだけれど、彼は違った。 彼は小説家になりたいのだと度々口にしていた。 それも、恥ずかしがることもなく堂々と。 そういったところから、文章をかいてメシを食っていきたいと心から思っていたらしいことは十二分に伝わってきた。 夢は誰かに語ってもすり減るものではないから、彼のように他人に豪語することは自分を鼓舞するのにうってつけの方法だと思った。彼はきっと僕以外の人間にも、まるで呪文を唱えるみたいに自身の夢…
2020/11/28 08:30