ある館のミステリー マリアの貢献
ストックホルムの南の島、ある一角を歩いていると多少違和感を覚えさせる館が視界に入る。館の背後からは泥酔した人々の雄叫びが響いて来る。 美しい装飾が施された1670年築のこの建物だけは、ホームレス人救済センター等の在るこの一角から端麗に取り残されている。 冷たい空気の中、この館を撮影していると、通りすがりの人達から訝りの視線を受ける。通行人の多くは、この館でかつて起きた事故のことをおそらく知らない。この館は60年前迄はこの地区における病院であった。 医療業界において重大な意義を残すこの病院は、1876年からはマリア病院と称されていた(それ以前の館の用途は孤児院)。
2021/12/04 06:41