純文学1000本ノック 115/1000 安部公房『他人の顔』

純文学1000本ノック 115/1000 安部公房『他人の顔』

どうも、こんにちは。 今回は戦後作家として絶大な人気を誇る安部公房の『他人の顔』です。有名な『砂の女』しか読んだことがなかったので、私にとって二作目の安部公房です。 1.ざっくりあらすじ 勤めている研究所の実験中に爆発を起こして顔一面に深いケロイドを負ってしまった主人公。包帯を顔に巻いて生活するが、他者と正常な交流ができなくなったことを思い悩み、リアルな仮面を作りはじめる。できた仮面は以前の自分とは違う顔にして、妻を誘惑することで、他者との交流を再開しようとする。それまでの経緯を長大な手紙にしたため、妻に告白するが、妻は家に戻って来なくなり、再び仮面を被り、今度は危険な行動に出ようとする。 2…