この世をば…「望月の歌」を巡る新解釈とは
「平安」時代という名前や「貴族の世の中」という括くくり」が影響しているのかもしれない。ちょうど1000年前、平安時代の貴族は優雅で安定した時代を 謳歌おうか していた、というのが多くの人の印象だろう。当時は摂関政治の全盛期で、その頂点にいたのが藤原道長(966~1028)だった。娘を次々に天皇の (皇后、中宮)として権勢をふるった道長には、傍若無人の専横を伝える多くの逸話がある。最も有名なのが、道長が詠んだ「望月の歌」だろう。 この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる ことも なしと思へば 「この世で自分の思うようにならないものはない。満月に欠けるもののないように、すべてが満足にそろってい…
2021/07/14 10:00