浜松城庭園、松韻亭でお茶
<浜松城庭園、松韻亭でお茶>和服の妙齢女性によってしずしずと運ばれてきたのは、お菓子と<煎茶>だった。(えっ!抹茶じゃなくて煎茶なの!)育ちが悪いせいか、緑茶系なら寿し屋で出てくるような大きく厚めの湯呑に入れた、熱々でたっぷりの「アガリ」こそが最上。抹茶ならともかく、適温でちょびっとの煎茶が主役なんて、とてもとてもなのだ。思わず、救いを求めて先客のカップル二組を見まわしてしまう。ねえねえ、これを飲んでいるうちに抹茶が届くんだよね?心の声に反応したのか、<残念だったね>と若いカップルのほうの男が首をかすかに振った。年配カップルのほうの男性は眼できっぱり言う。<うんにゃ、見たとおりの煎茶だ。抹茶を待っても金輪際来んぞ。潔くあきらめよ!>とばかり、まるで病を宣告する御典医のようにきっぱり頷いた。この日いつもの趣...浜松城庭園、松韻亭でお茶
2025/05/25 09:03