chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
温泉クンの旅日記 https://blog.goo.ne.jp/onsendaisuki-gogo

温泉巡り好き、旅好き、堂社物詣好き、物見遊山好き、老舗酒場好き、食べ歩き好き、読書好き・・・ROMでけっこうご覧あれ!

温泉クン
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2019/12/28

arrow_drop_down
  • 埼玉・熊谷、星渓園とフライ焼そば

    <埼玉・熊谷、星渓園とフライ焼そば>(あと、開店まで50分か・・・)腕時計をみて思わず呟く。熊谷駅から“熊谷桜”が咲く石上寺に行く途中で発見した、“行田フライ”が食べられる(ついでになんと缶ビールとか缶酎ハイも呑めちゃって、もしかしたらスパスパ喫煙できるかもの)ゴキゲンな食堂である。“星渓園”でけっこう時間を潰したはずなのに、まだ小1時間も待たねばならないとは・・・。石上寺のすぐ隣にある“星渓園(せいけいえん)”は、慶応から明治にかけて熊谷市の発展に功績を残した“竹井澹如(たけいたんじょ)”翁が設けた別邸である。「玉の池」を中心に木や竹を植え、名石を集めて回遊式庭園をつくられている。昭和初期、この地を訪れた“前大徳牧宗”禅師が、この別邸を「星溪園」と命名した。その後、昭和25年に熊谷市が譲り受け、市の名勝...埼玉・熊谷、星渓園とフライ焼そば

  • 埼玉・熊谷、石上寺の熊谷桜

    <埼玉・熊谷、石上寺の熊谷桜>JR熊谷駅の北口(正面口)を出たところで、スマホの地図で進行方向を確認し、おおまかな略図を頭に叩きこむ。駅前ロータリーに設置してあるブロンズ像は、地元の武将「熊谷直実(くまがいなおざね)」だ。今日の目的地である「石上寺(せきじょうじ)」へは、最寄駅の秩父鉄道・上熊谷駅から徒歩5分とのことだが、JR熊谷駅からでも徒歩10分強足らずと知り、わたしは迷わず熊谷駅からの歩きのほうを選択したのだ。(あいかわらず歩くのが好っきやのォー)「おっ、ここだ!」石上寺(せきじょうじ)は真言宗智山派の寺で、山号は「星河山」、本尊は「千手観音」である。(間に合わなかった、かな・・・)山門を入って一見したところ、桜は盛りをとうに過ぎているようだった。本堂前の階段の昇り口のところに、「熊谷桜葉桜になりま...埼玉・熊谷、石上寺の熊谷桜

  • 栃木、鹿沼名物のニラ蕎麦

    <栃木、鹿沼名物のニラ蕎麦>“渡良瀬橋のついで”という名目のもと、ついに訪れた「新鹿沼」駅。栃木には、佐野の「大根そば」、鹿沼の「ニラそば」、日光市や栃木市の「寒晒しそば」、栃木東部の「八溝そば」など、いろいろな蕎麦があるのだがわたしが最も興味が持ったのはニラそばだった。ニラそばの誕生については、どうやら次のような経緯だそうだ。『鹿沼市は戦後、ニラの栽培が盛んになった。鹿沼では客人が来たときに蕎麦を打ってもてなし、客人が帰った後に、栽培したニラを茹でて蕎麦と一緒に家族で食べるようになったことからニラ蕎麦が誕生したと言われている。約40年前に鹿沼市にある蕎麦屋で商品化され、その後提供店舗が増えていった・・・。』つまりは客人が食べて減った蕎麦を、ニラで混ぜて増量したのだろう。あえかな香りの蕎麦に、ニンニクに近...栃木、鹿沼名物のニラ蕎麦

  • 『♪渡良瀬橋』の聖地巡礼(2)

    <『♪渡良瀬橋』の聖地巡礼(2)>こちらの八雲神社は、立派な手水舎もあって、なんか安心した。こうでなくっちゃ。帰ってからよくよく調べてみると、足利には5つの八雲神社があり特定されていないため、訪れた観光客の混乱にならないように「足利市観光協会」は、格式も規模もある「足利公園近くにある八雲神社」を歌詞の“八雲神社”と暫定的に決めたのだという。(頼むぜ、こちとらはホント混乱しちまったよ)「八雲(やぐも)神社」は、貞観11年(869年)に清和天皇の勅定により「素盞嗚男命(すさのおのみこと)」他二神を祀ったのが始まりという。主祭神の素戔嗚尊は、開運厄除の神として知られる。八雲神社には、平将門の乱の際には「藤原秀郷」が戦勝祈願し、前九年の役および後三年の役の際には「源頼義」と「源義家」が戦勝祈願している。平成24年...『♪渡良瀬橋』の聖地巡礼(2)

  • 『♪渡良瀬橋』の聖地巡礼(1)

    <『♪渡良瀬橋』の聖地巡礼(1)>森高千里の曲であるという「渡良瀬橋」を初めて聴いたのは、ずいぶん昔の、たしか送別会だったか、歓送迎会だったと思う。一次会の出席者の殆どが二次会のカラオケにも出席して、誰もが退職者に敬意を表して進んで唄ってくれて、幹事のわたしを喜ばせた。渡良瀬橋で見る夕日をあなたはとても好きだったわきれいなとこで育ったねここに住みたいと言った電車にゆられこの街まであなたは会いに来てくれたわ私は今もあの頃を忘れられず生きてますふだん控えめな同僚女性が選んで唄ったその曲だが、唄い方がうまかったせいか、わたしの脳裡に歌詞が鮮やかに情景を紡ぎだし、「渡良瀬橋」と「八雲神社」の固有名詞とともに心にくっきり残ったのである。「えっ、ここが、あの『渡良瀬橋』で唄われた『八雲神社』なの?」あまりにも侘びしす...『♪渡良瀬橋』の聖地巡礼(1)

  • 奈良、東大寺・大仏殿(4)

    <奈良、東大寺・大仏殿(4)>本尊の大仏と両側の脇侍を、構図も考えずにパシャパシャと撮り終えて、たっぷりの満足感に包まれた。「たしか足立美術館も撮影フリ―だったな・・・」島根の安来にある「足立美術館」を訪ねた記事の中でこう書いた。『「庭園もまた一幅の絵画である」これは創設者の言葉である。美術館といえば、イコール撮影禁止が常識だがここの庭園は撮影が許可されている。太っ腹でなんとも素晴らしい。千葉の猫の美術館に続いての撮影フリーだ。もっとも来館する客の数が半端ではなく多いので、人を入れずに写すのが大変そうだが。』たいていどこの神社仏閣では建物内部は撮影禁止ばかりで、ましてや本尊の仏像は肉眼での観賞だけに限られるのに・・・。東大寺金堂でのこの<撮影OK>も、きっと人気寺社ベストテン1位押し上げに貢献しているに違...奈良、東大寺・大仏殿(4)

  • 奈良、東大寺・大仏殿(3)

    <奈良、東大寺・大仏殿(3)>大仏を格納している「大仏殿」は、間口約57メートル、奥行約50メートル、高さ約48メートルで、世界最大級の木造建築である。(さあショー・タイムだ!)いよいよその大仏殿に足を一歩踏み込む。「えっ、嘘だろ!みんな写真を撮ってるじゃんか!?」ついつい、素っ頓狂な声をだしてしまう。周りの観光客が次々と振りむいたので、慌てて口を噤んだ。信じがたいが、ここって写真を撮っていいンだ!ただしフラッシュは誰も使っていないようだ。嬉しくてついハイテンションになってしまう。東大寺金堂の本尊である<大仏>は、正式名称は「盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)」といい、親しみを込め「奈良の大仏さん」とも呼ばれ、お釈迦さまの身長を10倍して無限大の宇宙を表現したものとされている。大仏像の高さは15メートル近...奈良、東大寺・大仏殿(3)

  • 読んだ本 2024年1月と2月

    <読んだ本2024年1月と2月>1月末から突然、インスタグラムで俳句をスタートさせちゃいましたが、この経緯は次回に。昨春にインスタグラムを始めたせいでか、なんとなーく訪問者数が増えた気がする。「フォローワー」も「いいね」の数もあいかわらず<極少>、「コメント」に至ってはいつもゼロのブログなのだが、週1回更新なのに1週間の訪問者数が5000人を超えることがけっこうあるのだから、なんかニンマリとしてしまう。ネットの世界が気まぐれなのは承知のうえで、一喜一憂のせめて“一喜”ぐらいさせていただくわい。旅する前の下準備では、目的地(神社仏閣や名物の店など)へのマップ、アクセスと営業時間などは調べるが、それ以外の予備知識は持たずに旅をする。そんでもってはンで記事を書く段階で、後追いになるが、詳しく調べるのが「流儀」な...読んだ本2024年1月と2月

  • 奈良、東大寺・大仏殿(2)

    <奈良、東大寺・大仏殿(2)>(まさか、正門の“南大門(なんだいもん)であんなに時間食うとは思わなかったな・・・)そういえば、京都・東寺の方は同じ字だけれど読みが“南大門(みなみだいもん)”だったな・・・いろいろと難しいのォ。あの、はるか真正面に見えるのが大仏殿だろう。ほんとうに真っ直ぐの、これこそ大仏一直線である。歩いていると、やがて、右側に池がみえてきた。「鏡池(かがみいけ)」である。池に、柄の付いた鏡のような形の小島があり、そのことから「鏡池」という名前が付けられた。島には音楽・智恵・財物の女神、弁財天を祀る厳島神社が建っていて、池には天然記念物の「ワタカ」という珍しい魚が生息しているそうだ。穏やかな池の水面をみててハタと気がつき、慌てて引き返し、池の畔から「中門」と後ろの「大仏殿」を、池越しのショ...奈良、東大寺・大仏殿(2)

  • 奈良、東大寺・大仏殿(1)

    <奈良、東大寺・大仏殿(1)>京都府の神社仏閣数「約4700」まではいかないが、奈良県も約1800ヶ所の神社と、約1400ヶ所の寺、計「3200」の神社仏閣と、予想通り多い。(因みに全国で1番神社仏閣が多いのは愛知県で、約7800ヶ所)ところで奈良の神社仏閣の人気ベスト5だが、1位「東大寺」、2位「長谷寺」、3位「法隆寺」、4位「大神神社」、5位「東大寺・二月堂」だそうだ。いや~、参詣を主目的にとしてわたしが既に訪れた2ヶ所(長谷寺と大神神社)ともランクインしているとはなんとも嬉しい限りだ。「あそこに見える、どデカイ門が南大門だな・・・」時計をみると、もうすぐ朝の8時だ。東大寺の拝観時間は、春から秋(4月~10月)が朝7時半から、晩秋から早春(11月~3月)が朝8時からとなっている。南大門前へとつづく参道...奈良、東大寺・大仏殿(1)

  • 京都・九条、東寺(2)

    <京都・九条、東寺(2)>「桜が咲いたころなら、この構図の五重塔も、なかなかいいンでないかい!」おっといけない。五重塔はそろそろ切りあげて、前後してしまうけども、本堂を参拝せねば。いくらなんでも、五重塔だけで東寺を後にするわけにはいかない。よし、金堂に向かおう。延暦15年(796年)に東寺が創建され、最初に工事がはじめられたのが「金堂」である。以後600年以上、威風堂々とその姿を残していたが文明18年(1486年)に焼失し、現在の建物は、あの関ヶ原の合戦後に落慶したものだ。金堂は東寺の本堂で、宋の様式を取り入れた“天竺様”と“和様”を組み合わせた建物で、屋根の中央の切り上げは、東大寺大仏殿や平等院鳳凰堂にも見られる形だそうである。金堂前は弘法市のため撮影できず、後ろ姿の画像はやむを得ない。金堂の内部には、...京都・九条、東寺(2)

  • 京都・九条、東寺(1)

    <京都・九条、東寺(1)>京都のランドマークといえば、すぐ思い浮かぶのは<京都タワー>ともうひとつ、東寺の<五重塔>だろう。大阪以西への出張のとき、京都駅を新幹線が出るとすぐ左側に見えてくる塔が東寺の五重の塔だ。それを往復で、何度も何度もみた。その、京都らしいひとつの風景を瞬間に胸に刻みつけ、いつか訪れてみたいなと思うほんの滴(しずく)ほどの“念望”をその都度持ったのはわたしだけだろうか。(駅からも近いし、この際行ってみるか・・・渉成園も訪れたことだし、な)東寺は京都駅八条口をでれば、歩いても15ほどしかかからない。歩くのが大の苦手だったり、灼熱の猛暑日やひどい雨模様の日なら、近鉄の京都線でひと駅先の「東寺駅」で降りれば距離を半分節約できる。平安建都の際に、都の南玄関「羅城門」の東に作られた「東寺」は、正...京都・九条、東寺(1)

  • 東本願寺別邸、渉成園(3)

    <東本願寺別邸、渉成園(3)>渉成園の敷地は綺麗な正方形に近く、一辺が100間(約189メートル)だったので、俗に「百間屋敷」とも言われていた。東本願寺の飛地境内に渉成園が造られたきっかけについては、こんなエピソードがある。秀吉が残した西本願寺には立派な庭園(飛雲閣庭園や虎渓の庭)があったのにも関わらず、東本願寺にはなかった。これでは徳川家の面子(メンツ)がつぶれてしまう。負けず嫌いの徳川家(?)としては秀吉の造った西本願寺の庭園に負けじと、東本願寺に庭を造ることになったという。<石川丈山が趣向を凝らして作庭したという「丹楓渓(たんぷうけい)と印月池の間を進み、向岸の縮遠亭のある北大島に渡る木造橋「回棹廊(かいとうろう)」に辿りつく。紅葉の季節に丹楓渓を再訪してみたいものだ。廊橋は桧皮葺切妻造唐破風屋根に...東本願寺別邸、渉成園(3)

  • 東本願寺別邸、渉成園(2)

    <東本願寺別邸、渉成園(2)>(ちょっと面白い、個性的な建築物だな・・・)園林堂の前にある「傍花閣(ぼうかかく)」だ。「花の傍にある館」という意味で、園では“要”の位置を占めている。門のようでもあり、高見台のようでもあり、禅宗の三門と呼ぶ楼門に似ている。左右側面に階段がある、ユニークな形の建物で、階上には四畳半の部屋がある。その部屋の窓を開けて、園内の桜の木を愛でながら茶を愉しめる。「閬風亭(ろうふうてい)」は南端にある大書院。印月池を臨み、東山の丘陵地帯を背景にした景色を眺めることができる南端の広間がある、渉成園の中で最も大きな客殿だ。ゆるやかな屋根の、寄棟造桟瓦葺で銅板葺の軒を深く出して、実に穏やかで悠然たる外観だ。なお、閬風亭は江戸時代後期の「安政の大火(1864年)」で焼失し、翌年に再建された。「...東本願寺別邸、渉成園(2)

  • 東本願寺別邸、渉成園(1)

    <東本願寺別邸、渉成園(1)>京都府にある神社仏閣数だが、寺で3,000余、神社で1,700余の約4,700あるという。京都市内に限っても、寺で約1,700、神社で約800、合わせて2,500あるので、年に100カ所を無鉄砲に巡ったとしてもたっぷり25年掛かる。堂社物詣マニアも観光客も、それぞれ「訪れる寺社を選ぶ」のに悩みひと苦労するのは必至である。つまり堂社物詣において訪れる目標“数”は持つのは烏滸の沙汰といっていい。京都には着いたのは午後2時前だった。京都駅の近くにとった宿泊予定のホテルのチェックインタイムは午後3時である。さて、どうしようか。よし、まずはともかく、背中のザックをホテルに預けるとしよう。たいていの京都のホテルは、観光客が到着したときから出発するまでの間、快く荷物を預かってくれる。京都タ...東本願寺別邸、渉成園(1)

  • 謹賀新年 2024年

    <謹賀新年2024年>新年あけましておめでとうございます本年も皆さまのご多幸とご健康を心からお祈り申しあげます―長崎・平戸、千里ヶ浜―いまなんらかの事情で旅できない人にはあのころそのころの懐かしい記憶や気持ちや情景を一瞬でも呼び起こせればといまも旅する人には「そこ行ってみたい」みたいなという一抹の旅情を掻きたてられればとただただ願っています本年もなにとぞご愛顧のほどよろしくお願い申しあげます2024年1月1日温泉クン謹賀新年2024年

  • 読んだ本 2023年11月と12月

    <読んだ本2023年11月と12月>「やっと、“鬼レンチャン投稿”を完了したぞ!」週に一回更新のブログに加えて、インスタグラムの投稿をスタートしたのが今年の春、3月15日である。そしてある日、ご挨拶代わりに、全国の都道府県の画像の投稿することを思いついた。(仕事だけで行った沖縄を除く、46都道府県)人間、何事も目標を持つのが大事というこっちゃ。ついに、11月30日、242投稿、492画像で、無事完了。12月からはゆっくりペースの投稿に変更しちゃったのだ。ブログの長い文章にほとほと厭気がさすようなら、くれぐれも「温泉クンのインスタ」のフォローをお願いしますね。「念仏寺にいく前に、ちょっとだけ寄り道していきましょう。この先にまだ紅葉している見ごろの樹があるので」嵐山方面から来た人力車の車夫が、路地を曲がりなが...読んだ本2023年11月と12月

  • 京都・京田辺、酬恩庵一休寺(2)

    <京都・京田辺、酬恩庵一休寺(2)>酬恩庵一休寺を訪れるのであれば、脚力に自信があってもバスの使用(二名以上ならタクシー奮発するのもいいかも)をお薦めする。新田辺駅から1.5キロ、徒歩25分というが最短経路をとった場合であり、路を間違えると丘陵地なのでけっこう悲惨なことになる。間一髪で逃して、長い待ち時間ができたとしても辛抱したほうが賢い。歩いて、しかも路を間違えてしまったわたしはとんだ大失敗。江戸時代の文化人・「石川丈山」が終の棲家として建てた「詩仙堂」を訪ねた記事で、わたしはこう書いた。『丈山は小堀遠州、本阿弥光悦、松花堂昭乗、林羅山らとともに江戸時代初期の「寛永文化」を支えたひとりで、『渉成園(東本願寺)』や『酬恩庵(一休寺)庭園』、洛北の『蓮華寺庭園』などの作庭に関わったという。丈山の関わりのある...京都・京田辺、酬恩庵一休寺(2)

  • 京都・京田辺、酬恩庵一休寺(1)

    <京都・京田辺、酬恩庵一休寺(1)>京都の南、京田辺にある臨済宗大徳寺派の寺院「酬恩庵一休寺」の総門である。「酬恩庵」は、1288年から1293年の間に禅の道場として草創されたのが始まりであるとされているのだが、1330年前半の兵火にあい衰退してしまう。1456年に、禅僧として名高い<一休宗純>によって再興され、宗祖の恩に報いるという意味を込めて「酬恩庵」と名づけたと伝えられている。いまでは「一休寺」と呼ばれ広く親しまれている。一休は81歳で大徳寺住職となったときも、ここ酬恩庵を居として通われ、88歳で亡くなるまで晩年を過ごした。境内に建てられた廟所(宗純王廟)に埋葬されている。総門をくぐってすぐ左に、一休禅師墨蹟碑「諸悪莫作、衆善奉行(悪いことはするな、よいことをせよの意)」の石碑があった。一休さんの書...京都・京田辺、酬恩庵一休寺(1)

  • 京都・東寺通、殿田食堂のうどん

    <京都・東寺通、殿田食堂のうどん>(さあて、そろそろホテルに戻ってチェックインでもするか・・・)東本願寺の別邸「渉成園」の観光をサクッとすませ、門を後に歩きだす。京都駅の構内を通り抜け、ホテルへ向かっていると、なんか小腹が空いてきた。それに喉も乾いている。移動の電車の中でおにぎり二個を食べたきりであった。そうだ!先ほどチラリと見た店にいってみるとしよう。まずはホテルに荷物を預けにいくのに往復したとき、客が次々に吸い込まれていく蕎麦屋らしき店があったのだ。(ここだ!殿田というのか・・・)あとで調べると、この店は昭和38年(1963年)創業の老舗食堂「殿田食堂」だった。店に入り、腰を降ろしメニューを手にとった。冷たい麺類を探すがぜんぜんみつからない。悩んでいるのをみかねたのか、人気メニューをいくつか奨めてくれ...京都・東寺通、殿田食堂のうどん

  • 奈良・桜井、長谷寺(4)

    <奈良・桜井、長谷寺(4)>奈良県にかつてあった「榛原」と言う地名を「はいばら」と読み、現在でも駅名として残っている。この榛原の読みがなかなか覚えられない。しょうがない、「はいばら、はいばら、はいばら」と呪文のように唱えて脳に擦り込むしかないか。榛原の由来だが、かつて「榛の木(はんのき=カバノキ科の落葉樹)」がこの辺りに自生していたらしい。桜井市の「長谷寺駅」の隣駅である宇陀市の「榛原駅」に到着すると、計るように駅前で行儀よく待っていた送迎バスに吸い込まれるように乗りこんでしまい、あれよあれよという間に本日の宿「美榛苑(みはるえん)」に運ばれた。チェックイン手続きを済ませ、部屋の鍵をもらったとたん“ただの温泉バカ”の素に戻ってしまい、部屋に荷物を置き、電光石火で浴衣に着替えるとタオルを引っつかみいつもどお...奈良・桜井、長谷寺(4)

  • 奈良・桜井、長谷寺(3)

    <奈良・桜井、長谷寺(3)>長谷寺だが、”奈良大和路の花の御寺”といわれるほど、四季折々の花が季節ごとに異なる表情を見せてくれるのも魅力となっている。冬から春にかけては冬桜、蠟梅、椿などや、長谷寺の代名詞という7000株の牡丹が咲き誇る。また、吉野と並ぶ1000年来の桜の名所でもある。夏は初瀬山の新緑、そして山内のいたるところに3000株のアジサイが色とりどりに咲き乱れる。秋には楓やイチョウの木々も色づき、萩、彼岸花、金木犀など秋を代表する花々が見頃になるそうだ。花だけではなく寺内には長谷六坊や開山堂、五重塔とかのいろいろ見どころもあるようだ。もとより本日のわたしの目的は本堂参拝のみ、寺内の見どころや花のことなど一切考慮の外だが、観光を兼ねて参拝するのなら調べてから訪れたほうがいい。稲妻形に折れ曲がる登廊...奈良・桜井、長谷寺(3)

  • 奈良・桜井、長谷寺(2)

    <奈良・桜井、長谷寺(2)>平安時代から長谷寺(西国8番)は、京都の清水寺(西国16番)、滋賀の石山寺(西国13番)と並んで「三観音」の一角とされ、人々から絶大な信仰を受けていた。枕草子や蜻蛉日記、更科日記などにも、長谷寺への参拝について載っていて、時の権力者である「藤原道長」も参拝したと言われている。下廊と呼ばれる長い階段を昇り詰めると、直角に右に折れる中廊の階段が延びていた。(ここから右に延びる登廊は、少しは短かそうだ・・・)中廊を昇ると、左に直角に延びる最後の上廊である。息が切れてきたが、ここはもう一気にいくしかない。長い階段制覇には、とにかく“こんぴら参り”の経験が役に立つ。(やった!登廊を登りきったぞ)広場のような正面に「愛染堂」が、そして左手に目指した本堂があった。少し休んで息が整うのを待った...奈良・桜井、長谷寺(2)

  • 奈良・桜井、長谷寺(1)

    <奈良・桜井、長谷寺(1)>参拝メインで観光は少なめと決めたこの日、大神神社の次の目的地は長谷寺であった。三輪からJR万葉まほろば線に乗り、次の桜井駅で近鉄線に乗換えて長谷寺駅まで行くつもりが、三輪駅での長い待ち時間を利用して調べたら、桜井駅から長谷寺参道口というところまで桜井市のコミュニティーバスが出ていることを知った。コミュニティーバスなどまだ一度も乗ったことがないのでぜひとも体験してみたい。桜井駅に着き速足でバス乗り場を探し、運よく、一時間に一本あるかないかの少ない本数のバスに飛び乗って、参道口のバス停まで行けたのであった。スマホの道案内どおりの道順を辿り、急坂を大汗かいて登り、下っていくと左側に長谷寺があった。「ん!?」よせばいいのに振り返って、参道商店街をみつけて愕然とする。しまったァーッ!なん...奈良・桜井、長谷寺(1)

  • 奈良・三輪、大神神社 (3)

    <奈良・三輪、大神神社(3)>(ここ大神神社に、わたしは“呼び出された”気がしてならない・・・)仏縁ならぬ神縁だろう・・・拝殿に向かって歩きながら、強く思う。今まで気にならなかった“ある神社”のことが急に気になりだしたり、行きたくなったりすることがあるそうだ。奈良の大神神社も、参拝する人は“神社に呼ばれる”と言われており、呼ばれた人が参拝することが多いという。“呼ばれる”神社はどこの神社からでもというわけでなく、限られていて、伊勢神宮や天河神社などいくつかあるそうだ。拝殿で参拝し、係累の病気平癒、家内・知人・そして自身の息災と幸運を時間をかけて真剣に祈念した。大物主神は国造りの神様であり、医薬や方除など生活全般の守護神として知られ、大神神社は金運や縁結び、病気平癒や交通安全など数多くのご利益があるという。...奈良・三輪、大神神社(3)

  • 読んだ本 2023年9月と10月

    <読んだ本2023年9月と10月>いまではもうひと昔前の話だよといわれそうだが、北海道・道東の知床あたりを車で走らせていると、運よくエゾシカと出逢うことがあった。森の中で、いきなり“ビキニ美人のボンドガール”に出くわしたようなものだ。(古くさいけどジツにわかりやすい表現)舞いあがってしまって、ただただ目を見開き、胸をときめかせながらも思わずブレーキペダルを踏みこみ、車を止めてカメラを探してしまう。奈良では、鹿は神の使いとして手厚く保護されている。朝の通勤で忙しいなか、でかい面して、ゆっくり堂々と車道を横断しているのを見守らなければならない。奈良は鹿天国なのだ。最初は珍しいものだから可愛いなどと思っているが、だんだん麻痺している。広大な奈良公園だけでなく、東大寺、春日大社、興福寺と、どこへいってもウジャウジ...読んだ本2023年9月と10月

  • 奈良・三輪、大神神社 (2)

    <奈良・三輪、大神神社(2)>三輪駅は出口が一カ所しかなく、いったん南側(神社とは逆側)に出てから商店街を抜けて参道に入り、万葉まほろば線の線路を渡らないと大神神社には行けない。書くと長そうだが、なに徒歩で10分とはかからず、意外と近い。ひっそりと建つ、大神神社の一ノ鳥居。ふつうは三輪駅からは最短距離で二ノ鳥居に向かうので、周囲はまったくの無人だ。わたしは作法にほんのちょっとだけ拘り、ちょいと遠回りしたのだった。今回は寄らなかったが、近くに建つ「大鳥居」は昭和59年(1984年)の昭和天皇のご親拝記念と御在位60年を奉祝して建立、昭和61年(1986年)に竣工された鳥居だ。高さが32.2メートル、柱間は23メートルにも及び、その材質は耐候性鋼板で、耐久年数はなんと千三百年と言われる堅牢で立派な鳥居だそうだ...奈良・三輪、大神神社(2)

  • 奈良・三輪、大神神社 (1)

    <奈良・三輪、大神神社(1)>朝の奈良駅・・・。(こっち側にもないようだな。まあ、あきらめるとするか・・・)喫煙者に厳しそうな京都駅でも、その気で探せば構内とすぐ外に九カ所くらい設置してある喫煙所だが、奈良駅ではどうしてもみつけることができなかった。JR「万葉まほろば線」王寺行きの電車がホームに入線してきた。奈良駅から、和歌山線に接続する大和高田市の高田駅までを結ぶ鉄道路線である「桜井線」は、2010年から「万葉まほろば線」という愛称がもっぱら使用されている。これに乗って、奈良から三輪まで行くつもりである。所要時間は24分、ごく短い旅路だ。奈良駅を出ると、難読な名前だが妙に記憶に残りそうな名の駅がしばらく続く。まずは、京(平城京)の果て(終わるところ)に由来する「京終(きょうばて)駅」。次に「帯解(おびと...奈良・三輪、大神神社(1)

  • 京都・宇治、平等院鳳凰堂(2)

    <京都・宇治、平等院鳳凰堂(2)>涼しげなミストをたっぷり浴びながら、お目当ての鳳凰堂へ急ぐ。撮影するなら順光になる午前中がお薦めで、午後からは逆光になり、シルエット写真や夕日バックの写真を狙うほうがいいらしい。「お、見えてきたぞ!」子どものころから見なれた10円玉の裏側と、まったく同じ図柄の光景が目の前に出現した。昭和26年(1951年)に、この特徴ある、日本の代表的な文化財「鳳凰堂」が10円硬貨に選ばれたのだ。10円玉に刻印された鳳凰堂だが、ジツは改修前の明治のものであり、中堂の基礎部分が石垣のようにブツブツだが、実物はツルっとしているそうだ。と、これは細かすぎて肉眼ではよくわからず、どうでもいいか。旅先の天気はどうにもままならない。朝の天気で思い立った日帰り旅を別として、まさに運否天賦である。どこま...京都・宇治、平等院鳳凰堂(2)

  • 京都・宇治、平等院鳳凰堂(1)

    <京都・宇治、平等院(1)>JR宇治駅に着いたのは、予定通りの丁度8時だった。早朝に起きて、昨日買い求めて冷蔵してあった志津屋の<ふんわりオムレツサンド>を食べてから、平等院の拝観が8時半からのため、かなりの時間を潰したのだった。ところで、玉子の価格の高騰もあるのだろうがオムレツサンドの600円は美味しいが、ちと高い。看板商品の<京かるね>と<ペッパーかるね>の2個でも510円なのだから。横浜から車で中国・九州などの西方面へいくときに、ネックとなるのが<名・京・阪・神>だ。名古屋から京都、大阪、神戸までを、未明のうちに一気に抜ければ、あとは旅がぐっと楽になる。いつだったかの九州旅で、浜名湖サービスエリアで軽く仮眠のはずが、きつい仕事終わりの出発のためか思ったより眠ってしまった。京都に入って名神高速が混雑し...京都・宇治、平等院鳳凰堂(1)

  • 岐阜・大垣、中華そばと水まんじゅう

    <岐阜・大垣、中華そばと水まんじゅう>旅先でメシを食うなら、観光客目当ての店は避け、できるだけ地元客で繁盛している店を選ぶのがベストだ。もちろん、長時間利用となる呑むほうの酒場でも同じである。繁華な商店街というより静かな住宅街といったなかの、すこし奥まった場所にあった「朝日屋」。店前のスペースが駐車場なので、遠くからは容易にはみつけにくい。(やれやれ、ついに見つけたぞ!」三度目の挑戦で<ようやく>である。いつものように地図を頭に叩き込んだまではいいが、駅の逆側を探しまわってしまったのが、一度目。地下鉄でもないのにとんだドジぶりだ。中途半端にスマホのナビを頼って、あと一歩のところで「こんな住宅ばかりの場所にあるわけがないだろ!」と勝手に疑心暗鬼に陥り断念したのが二度目だった。このままでは3年目に入ってしまう...岐阜・大垣、中華そばと水まんじゅう

  • 滋賀・堅田、浮御堂(2)

    <滋賀・堅田、浮御堂(2)>とても小さな浮御堂なので、すぐに裏側に出てしまった。たしか、広重の浮世絵「堅田の落雁」は、この沖合あたりから浮御堂を描いた構図だった。湖のこの方角は、雄琴温泉とか大津方面であろう。浮御堂への湖上の架け橋を戻ると、岸辺で振り返って、浮御堂の風景を脳裡にしっかりと刻み込んだ。浮御堂の手前にある、入母屋造の三間堂の「観音堂」は満月寺の本堂で、内部には本尊木造<聖観音座像>を安置している。残念ながら後で知ったのだが、ここの内部の立派な天井画をぜひとも鑑賞したほうがよかったらしい。楼門のそばに、五月雨に濡れた浮御堂の美しさを詠んだ「阿波野青畝(あわのせいほ)」の向碑が立っていた。五月雨の雨垂ばかり浮御堂青畝は山口誓子や山口素十、水原秋桜子らとともに「ホトトギスの四S」と称された昭和初期の...滋賀・堅田、浮御堂(2)

  • 滋賀・堅田、浮御堂(1)

    <滋賀・堅田、浮御堂(1)>(どうやら着いたようだな・・・)左手に、海門山満月寺の山門らしきものがみえた。やれやれ、首に巻く乾いてしまったタオルで顔の汗を拭う。前に、おごと温泉に泊まったとき、ホテルから浮御堂までは約4キロ、徒歩では1時間くらい掛かるとフロントで言われ、「そんな遠いのかよ!」といったん諦めた。江戸後期の浮世絵師「歌川広重」によって描かれた、彼の代表作の一つである名所絵『近江八景』をネットで観るにおよび、俄然、浮御堂へ行ってみたくなったのであった。今日は堅田(かたた)駅から歩いたのだが、距離で1.7キロ、ざっと20分は掛かった。山門(楼門)は扉のない竜宮造りで、その漆喰塗りのしっかりとした基部をもつ姿をみて、規模の差こそあれ佐賀の武雄温泉街のシンボルの楼門を思いだしてしまった。(オォー、これ...滋賀・堅田、浮御堂(1)

  • 川越・喜多院の五百羅漢

    <川越・喜多院の五百羅漢>千二百年近い歴史があり、「川越大師」の別名を持つ、天台宗の寺院「喜多院」。正式には「星野山無量寿寺(むりょうじゅじ)喜多院」という。現在の「喜多院」という名を称するようになったのは徳川家康のころよりで、「南光坊天海」が住職として寺に入ってからである。天海僧正は、家康の懐刀といわれるほど信頼をえて、家康・秀忠・家光の三代にわたり顧問役をつとめた。天海は生年不詳、長命な人物で謎が多い。そして、明智光秀も生年不詳、天海とほぼ同時代に生きた人物だったことから、「光秀が天海となり、豊臣氏を滅ぼして恨みを晴らした」という、<光秀=天海>説を唱えるものがでてきた。さらには、徳川秀忠の「秀」は光秀の「秀」を、徳川家光の「光」は光秀の「光」をとったとか。まあ、歴史とは、義経=成日思汗(ジンギスカン...川越・喜多院の五百羅漢

  • 読んだ本 2023年7月と8月

    <読んだ本2023年7月と8月><ねえーねぇー、インスタグラム投稿の『鬼レンチャン』に挑戦してるじゃんか!>超“どアップ”で出たな、化けネ・・・じゃなかった、海ちゃん。まったく、こいつは厭なタイミングで痛いところに爪を立ててきやがる・・・。なんてったってインスタグラム、一眼レフなどを使用した高解像度の撮影機材プラス最新加工技術を駆使した「映え写真」の群れのなかに、こちとらは、「写るんダス」みたいなお手軽馬鹿チョンデジカメのスナップ写真だからな。まあ、皆さんの”映え写真”もたっぷりコストを掛けてるだろうけど、わいの”スナップ写真”だって移動&宿泊諸経費がしこたま掛かっておるわいな。<あいかわらず、無尽蔵の情熱量なんだね。ビートルズの「エイト・ディズ・ア・ウィーク」みたいな(週8クラスの)暴走ぶりで、怖いくら...読んだ本2023年7月と8月

  • 京都・一乗寺、詩仙堂(3)

    <京都・一乗寺、詩仙堂(3)>さすがに、ここは永平寺の末寺である。『永平寺の修行の中心は座禅であるが、回廊掃除などの作務(さむ)も「動の座禅」といわれる。』と前にも書いたとおり、詩仙堂は建物と庭の、どこもかしこも掃除がいきとどいていて気もちいい。哲学者サルトルが言う通り、「掃除は芸術」なのだ。詩仙堂を訪れるなら、とくに春(5月下旬)の皐月と、秋(11月下旬)の紅葉は格別である。紅葉は例年、11月上旬ごろからヤマモミジやイロハモミジ、オオモミジ、カキなどが色付きはじめ、11月中旬から下旬ごろにかけてが<見頃>となる。詩仙堂の記事(1)で、『丈山は16歳で徳川家康に武将として仕え、大坂夏の陣で功名を立てた後、徳川家を離れ90歳で没するまで文化人として清貧の日々をおくった。』と、さらりと書いたが、大坂夏の陣に参...京都・一乗寺、詩仙堂(3)

  • 京都・一乗寺、詩仙堂(2)

    <京都・一乗寺、詩仙堂(2)>詩仙堂だが、1986年(昭和61年)に英国王室チャールズ皇太子と故ダイアナ妃が訪問されたことでも有名で、堂内にはその際の記念写真も飾られている。(詩仙堂の堂内は撮影が禁止されているので、ご注意を)外履きのサンダルを穿いて庭に降りる。さあて、ここからは撮影が自由にできる。しかも独り占めでの満喫、ときたもんだ。詩仙堂の中心となる建物は「凹凸窠(おうとつか)」と呼ばれる。なんでも、「でこぼこした土地(山の斜面)に建てた住居」という意味だそうで、実際に回遊式庭園をたっぷり散策すると、なるほど斜面の土地だと納得する。堂上の<楼>の部分は「嘯月楼(しょうげつろう)」といい、玄関の上の三階部分で、建物の中から紅葉が眺められるそうだ。右手遠くに見える建物は茶室「残月軒」だろうか。庭の周りには...京都・一乗寺、詩仙堂(2)

  • 京都・一乗寺、詩仙堂(1)

    <京都・一乗寺、詩仙堂(1)>開門のほぼ9時ジャストに、苔むした小さな門「小有洞(しょうゆうどう)」の前に到着した。左に建つ石柱をよく見ると「詩仙堂」と彫られている。その日、旅では超早起きなわたしは、詩仙堂が遅い開門時間なので、逸る気持ちを押さえてまずは煙草が吸える「高木珈琲」のモーニングで時間調整した。「詩仙堂って意外と近いんだ!」あるとき調べてみて、そう気がついた。詩仙堂は紅葉の名所だが、紅葉はすでに終わっているからきっと空いているだろう。よし、行ってみるか、という気分になったというわけだ。祇園四条から京阪本線に乗って終点の出町柳駅に行き、そこから「えいでん」に乗り換えて四駅目の一乗寺駅まで、スムーズに行けば30分とかからない。そして駅からは徒歩で15分ばかりである。小有洞をくぐり、静かで、風情のある...京都・一乗寺、詩仙堂(1)

  • 大原・寂光院と、嵯峨野・常寂光寺

    <大原・寂光院と、嵯峨野・常寂光寺>大原の寂光院と、嵯峨野にある常寂光寺は、なんか名前が似ていて観光客にはちょっと紛らわしい。(えっ、もしかしてオレだけ?)「三千院」から大原の里をぶらぶら歩いて30分足らず、そう遠くない場所にひっそりと建つ天台宗の尼寺「寂光院」。聖徳太子が父である用明天皇の菩提を弔うために建立されたと伝えられるこの尼寺には、悲話がある第3代住持の「建礼門院徳子」は平清盛の娘、高倉天皇の中宮でもあり、安徳天皇の生母でもある。高倉天皇、平清盛が没した後、木曽義仲により都を追われた徳子は、壇ノ浦で源氏に攻められ、安徳天皇とともに入水するが、皮肉にも源氏の手により救われる、徳子は出家し寂光院に入る。そんなある日、舅である「後白河法皇」が訪ねてきて、庵で向かい合い、徳子は<六道語り>を始める。清盛...大原・寂光院と、嵯峨野・常寂光寺

  • 嵯峨野、化野念仏寺で出会った名言

    <嵯峨野、化野念仏寺で出会った名言>京都・嵯峨野、化野(あだしの)念仏寺の参道。浄土宗に属する寺院で、本尊は阿弥陀如来、寺の名は正しくは「華西山東漸院念仏寺」という。往古より化野の山野に散乱埋没していた、無縁仏を集め、阿弥陀如来の説法を聴く人々をなぞらえて配列安祀してある「西院の河原」。石塔・石仏の数は八千体を超える。無縁仏の霊にローソクをお供えする「千灯供養」は、晩夏の夕暮れにおこなわれ、光と闇と石仏が織りなす光景は浄土具現の感があり、多くの参詣があるそうだ。たしか、ドラマ「赤い霊柩車」シリーズのオープニングにもよく出てくるシーンだ。しかし、ここに来たのは別にドラマの聖地巡礼に来たわけではない。(今でも、まだある・・・のだろうか?)竹林の観賞も本堂参詣さえも割愛させていただいて、先を急ぐ。たしか地蔵堂の...嵯峨野、化野念仏寺で出会った名言

  • 京都・嵯峨野、大覚寺の大沢池(2)

    <京都・嵯峨野、大覚寺の大沢池(2)>遷都千二百年の歴史ある京都では、あちこちいたるところで過ぎた時代を感じることができる。「この小径だ!」小さな「放生(ほうじょう)池」と広い大沢池の間の、護摩堂へと延びる弓状にゆるく曲がる、畦道みたいなか細い径にたしかに見覚えがあった。時代劇ドラマの主役やら脇役らの登場人物が、小径を歩むシーンを思い浮かべる。「護摩堂」は不動明王を祀る二間四方、方形造瓦葺の外装がまだ新しいお堂で、月に一度護摩を修している。新品の建物を“エイジング”といって加工して古めかし江戸時代の雰囲気を醸し出すことができるそうで、撮影時には一時的にそれを施すのだろう。あるいは、お堂のシーンだけ別の古いのを使うとか、お堂を映さないという奥の手もあるのだ。大沢池に面した土手でのんびり釣りをしている、侍や火...京都・嵯峨野、大覚寺の大沢池(2)

  • 京都・嵯峨野、大覚寺の大沢池(1)

    <京都・嵯峨野、大覚寺の大沢池(1)>京都の観光は、基本“歩き”だと思う。車で来たとしてもそれはホテルに置いて、公共交通機関を利用して、できるだけ歩いて観光するのが賢明で得策だ。旅のパートーナー選びには、まずは<食の趣味嗜好が近い>ことだが、京都旅だと<健脚>も必須条件である。観光スポットを二つ、三つ廻っただけで、ため息に涙目なんてえのはジツに困る。勘弁してほしい。嵐山駅から足に自信があれば、渡月橋、野宮神社、天龍寺、大河内山荘、常寂光寺、落柿舎、二尊院、祇王寺、化野念仏寺、清涼寺、大覚寺などの嵐山・嵯峨野の観光スポットを一気に巡ることができる。わたしは嵐山駅を出ると、少しだけ遠回りになるが野宮(ののみや)神社に通じる「竹林の小径」に寄っていくことにした。渡る風にさやさやと耳に囁く葉ずれの音、やわらかく身...京都・嵯峨野、大覚寺の大沢池(1)

  • 松本、烏城と十割ざるそば

    <松本、烏城と十割ざるそば>(ひゃー!今日はなんか、背景のアルプスがとっても綺麗だ・・・)松本に来ると、近場で便利なのでわたしはたいてい城を見にくる。いままでにこの城を何度か同じアングルで撮っているが、空気がとことん澄んでいるせいか一番“抜けがいい”ように思えた。「烏(からす)城」こと「松本城」である。天守壁面に塗られた黒漆の艶めいた色が美しいことから、別名「烏城」と呼ばれているのだが、最近になってそんな文献は存在しないとしてHP上で「松本城の別名とされる“烏城”は誤りで、別名は“深志城”である」と主張しているそうだ。もしかしたらどこかの城にでも気をつかっているのであろうか。固いこといわず、世間に既に広まってしまった“烏城”でいいではないかと思う。松本駅に着くと、とりあえず予約した近場のホテルに荷物を預け...松本、烏城と十割ざるそば

  • 読んだ本 2023年5月と6月

    <読んだ本2023年5月と6月>少年だったころ、ためた小銭を持って、我が町だけでなく、チビには旅みたいに遠い隣町のお好み焼き屋まで食べ歩いたものである。ヘラでぎゅうぎゅう押しつけてペッタンコになったやつとか、贅沢に生地に山芋を混ぜて焼き上がりがキツネ色になったやつとか。どれもどえりゃー旨かったな。北九州の若松に、どうしてもいってみたいお好み焼き屋がある。ただ、そんなアホな目的だけで九州に行くわけにもいかず、ひたすら機会を狙っている。歴史小説と映画「のぼうの城」の舞台となった「忍(おし)城」に沿った路を南に向かう。時の領主「成田長親(なりたながちか)」はたった500人の軍勢で、石田三成が率いる2万の豊臣軍に喧嘩を売った。長親は、領民たちから「(でく)のぼう」と呼ばれて親しまれていたそうである。秩父線行田市駅...読んだ本2023年5月と6月

  • 京都・伏見、月桂冠大倉記念館(2)

    <京都・伏見、月桂冠大倉記念館(2)>酒蔵の建物にしばし見とれているうちに、唐突に「バックシャン」という言葉が思い浮かぶ。英語の“バック(後ろ)”と、ドイツ語の“シャン(美しい)”という言葉を組み合わせたもので、「後姿が美しい」という意味だ。後ろ姿が“色っぽい”とか“イケてる”っていうがあるけども、あれだ。山形・酒田の山居倉庫が、米倉の表側正面よりも、倉の裏側部分と欅並木を組み合わせた景色のほうが断然魅力的なように、京都・伏見の酒蔵の慎ましいが威風堂々とした後ろ姿も、積み重ねた過去(時代)を思わせるたっぷりの風情があってシビレた。およそ実用一点張りの蔵(倉)という建築物の、しかも後ろ姿に惹かれてしまうのも変な話だが、とにかく一瞬で魅了されてしまったことは間違いない。なかなかいい写真がとれた高揚感があり、満...京都・伏見、月桂冠大倉記念館(2)

  • 京都・伏見、月桂冠大倉記念館(1)

    <京都・伏見、月桂冠大倉記念館(1)>祇園四条駅から京阪本線で乗車すること15分ほど、伏見桃山駅に降り立ったのは朝の8時過ぎだった。「あのォ・・・月桂冠大倉記念館って、どっちへ行けばいいでしょうか」閑散とした朝の伏見大手筋商店街で、店の前を掃き掃除をしている女性に道を尋ねた。スマホで調べればいいのだが、悲しいかな人に訊くことが身にしみついているのだ。目当ての酒蔵まで、駅からは徒歩で10分くらいと所要時間は調べてあった。教えてもらった道順をたどり、月桂冠大倉記念館に到着したのは8時半ごろである。開館時間は9時半なので、そのまま前を通り過ぎて近くを散策することにした。酒蔵裏にある、宇治川派流を渡る弁天橋の途中で、遊覧船「十石舟」の乗船場をみつけ、足を止める。残念ながら今日は運行していないようだ。冬場、琵琶湖か...京都・伏見、月桂冠大倉記念館(1)

  • 箱根、長安寺の五百羅漢(3)

    <箱根、長安寺の五百羅漢(3)>「おいおい、ウソだろ。また箱根の五百羅漢かよ!」いったい、いつまで続けるんだよ。そうぼやくひともきっと多いと推測する。長安寺の五百羅漢の記事だが、写真を500枚とはいかないが100枚くらい撮ったので、当初、5回くらいの連載になると踏んでいた。まったく目利きでもないし、審美眼も持ち合わせていないわたしには、羅漢の画像を選考するのも迷いまくってのひと苦労。だが、ブログを閲覧するほうも羅漢の写真ばかりでキツイに違いない。というわけで、この連載記事は、これをもって最終回としたい。子どものころ、町のあちこちの古本屋でいろんな本を立ち読みした。もしかしたら大判の雑誌「太陽」だったかもしれないが、なかに「土門拳」の気迫が籠る仏像写真があり、子ども心にも感銘した記憶がある。歳をへて、風貌が...箱根、長安寺の五百羅漢(3)

  • インスタグラム、ただいま修業中

    <インスタグラム、ただいま修業中>(ゲッ、もう“データ警告”が来たぞ!)GW明けのころのこと。まだ月の10日過ぎたばかりなのに、もう通信容量が残り少なくなっただとォ!残り千円札一枚で月末まで20日をやりくりしろ鬼節約しろってか!って感じ。くそっ、大型連休中にどこも行けない腹いせもあって、ちぃとばかりインスタを使いすぎたようだ。念願としていたブログの目標、読者数100万人突破を4月に果たせる見込みがたち、ならばと3月の中旬にインスタグラムに「登録アカウント:onsenkun_0403、ユーザーネーム:温泉クン」でデビュー、「“習うより慣れろ”というよりは“習いながら慣れろ”、とにかく実践あるのみじゃい!」と一心不乱にとりくんだ。まあ、囲碁を打つにしても最低の定石、つまり対局始めの数手は知らねばならないからさ...インスタグラム、ただいま修業中

  • 京都・上賀茂、ならの小川

    <京都・上賀茂、ならの小川>上賀茂神社を流れる「御手洗(みたらし)川」は、途中の神事橋を過ぎたあたりから「ならの小川」と呼ばれ、さらに境内を出ると「明神川」と名を変える。「なら(楢)の小川」の由来だが、かつては川の畔に、その葉で神饌(神棚に供える供物)を盛る楢の木が茂っていたためだという。上賀茂神社の、いったいどのあたりにあるかというと、参道には入らずにその前を通り過ぎてほんのしばらく進むと左手に「ならの小川」がみつかる。(こんなに近い処だったんだ!)まさに目と鼻の先、すぐである。小倉百人一首に、鎌倉時代初期の歌人「藤原家隆」が「ならの小川」を詠んだ和歌が収録されている。風そよぐ楢(なら)の小川の夕暮れは御禊(みそぎ)ぞ夏のしるしなりける現代語訳だとこうなる。『風がそよそよと吹いて楢(なら)の木の葉を揺ら...京都・上賀茂、ならの小川

  • 駅弁ランチ&駅弁ディナー

    <駅弁ランチ&駅弁ディナー>嵯峨野をたっぷり散策して、いったん3時頃に四条のホテルに戻ってのチェックイン。預けたザックを受取り、エレベーターに乗って部屋に向かう。入ると部屋は、気を使ってくれたのだろう、グレードアップされた“ツインのシングルユース”だ。やはり、昨日の大阪泊の“ダブルのシングルユース”より格段に広く、贅沢である。(あーあ、腹減った!)嵯峨野からずっと腹ペコ状態なので、ベッドに投げ出したザックから大急ぎで駅弁「神戸ビーフ焼肉弁当」を取り出す。料理というものは、熱いものは熱いうちに、冷たいものはきりりと冷えたものが食べたいよな。それが料理人に対する礼儀でもあるしね。焼き上がった熱々の<餃子>の皿をカウンターに載せっぱなしのまますぐに運ばないとか、氷も融けきる寸前の生ぬるーい<冷や麦>なんて、とに...駅弁ランチ&駅弁ディナー

  • 箱根、長安寺の五百羅漢(2)

    <箱根、長安寺の五百羅漢(2)>長安寺を知ったのは、最近観たBSの岩合光昭の「世界ネコ歩き箱根・小田原」だった。自分の旅はひたすら国内専門に限っているので、この番組も国内篇のときは、行くこともあろうかとけっこう観てしまうのである。シブイ佇まいの羅漢像の間を大好きな可愛いネコたちが、とび跳ねるように駆けまわったり、しゃなりしゃなりと悠然と闊歩しているのをみて魅了されてしまった。だから、ネコに出逢ったらすぐさま対応できるように、肩掛けのバッグのなかにあらかじめ買っておいたチャオチュールをこっそり忍ばせている。五百羅漢とは仏道修行をして「阿羅漢」という、人間として最高の位を得たお釈迦様の弟子を五百人あつめたものだ。「ふーん、そうなんだ・・・」と横目で通り過ぎてしまうような、雑ともいえる羅漢像はあまりないのが凄い...箱根、長安寺の五百羅漢(2)

  • 読んだ本 2023年3月と4月

    <読んだ本2023年3月と4月>早世の天才脚本家、野沢尚作のドラマ「眠れぬ森」が4月に地上波で再放送された。ドラマは1998年に放映されたが、その後世田谷で発生した未解決の大事件に酷似しているとして騒がれ、再放送が永らく禁じられていたものだ。年初にBSで再放送された「青い鳥」といい、わたしの好きな作家“野沢尚”が、いまこの時代に見直されてきているような気がしてちょっと嬉しい。辛いもの好きの酒呑みだが、一時期“茶道”を齧っていたので、餅とか団子など和菓子の類は機会があれば抵抗なく頂く。抹茶とか番茶の助けを借りてだが。他の甘いものはといえば、旅先で、チーズケーキくらい。首を長くして待っていた、小樽から届いたルタオの「ドゥーブルフロマージュ」。ま、ブログ訪問者数100万人超えの祝いも兼ねてということで、さ。昼に...読んだ本2023年3月と4月

  • ブログ訪問者数、100万人突破!

    <ブログ訪問者数、100万人突破!>苦節ン年、永年の目標としていた「訪問者数100万人突破」を、昨日、ついに達成いたしました!(なお、アクセス数は257万ほど)日々の買物で、ちびちび貯めたポイントが百万ポイント(使えないけどね)になった的な、喜びといった感じかな。日本全国47都道府県のうち、人口でいえば、秋田(102万人)とか富山(107万人)にほぼ匹敵し、山梨県を含めた9県のそれぞれの人口をかるく凌いだわけだ。ひとつの動画でナン千万回とかナン億回の再生回数を獲得している人には鼻でフフンと笑われるかもしれませんが、日々いろんなことが起きるなかで、定期的にブログを更新し続けることはわたしにはとにかくしんどく、大変でした。(苦労話、以上、終り!)やったね!(バンザーイ)ブログの目標を完遂しましたが、これにて「...ブログ訪問者数、100万人突破!

  • 尾張温泉 愛知・蟹江町

    <尾張温泉愛知・蟹江町>食べられなかった「へこきまんじゅう」の、つまり赤目四十八滝の、帰りに泊まった尾張温泉のことを興味あるか役にたつかどうかわからないけど、かるーく駆け足で書いておく。その日のランチは津駅でみかけた店で、赤目温泉の宿で食いそこなった伊賀牛でもたまには奮発するぞの算段が、「赤目四十八滝」で思わぬタクシーの散財をしたので一転して節約せざるをえない羽目にあえなく陥った。反省とか後悔で無駄な時間と心を費やすより、節約という行動のほうがよっぽどいい。まあ、旅も人生もたいがい思ったようにはいかないものだ。閑散としたJR四日市駅のほうと違い、繁華な近鉄四日市駅前で適当な店を探す。喫煙できてかつ財布にやさしい店を。(オオッ!この「あさひ食堂」はバッチリ喫煙可能店で、なんとも良さげな店構えじゃあーりません...尾張温泉愛知・蟹江町

  • 赤目四十八滝(2)

    <赤目四十八滝(2)>さて、こちらも赤目五瀑のひとつである、布曳滝(ぬのびきだき)だ。高さ30メートルから一条の布をかけたように落ちる滝で、なかなかの美しさである。なんでも全国各地にある同名の滝があるが、赤目の布曳滝はその代表格とのこと。(そろそろ、引き返す時間だな・・・)腕時計をみると、30分を過ぎたところである。赤目五瀑のうち、不動滝、千手滝、布曳滝と三つ巡ったことで満足し、残りの二つである荷担滝(にないだき)と琵琶滝はあきらめよう。伊賀と大和の国境を流れる「丈六(じょうろく)川」の支流、”滝川”の赤目渓谷は修験道の霊地として知られ、「赤目」の名称は修験者の元祖である「役の小角(えんのおずぬ)」が滝行を行った際、赤い目の牛に乗った不動明王が出現したとの伝説に基づく。修業の場というだけあって、切り立つ断...赤目四十八滝(2)

  • 赤目四十八滝(1)

    <赤目四十八滝(1)>“滝”を見るといえば、熊本の『菊池渓谷』以来のことになる。(あそこが『赤目四十八滝』の入口か・・・)目の前の「赤目四十八滝管理センター」の建物は、赤目地域に棲息しているサンショウウオを中心に展示している「日本サンショウウオセンター」の展示館でもある。外に設置してある券売機で入山チケットを買い、入口のところの窓口の女性に出すと、「上のほうの滝までいくと、ところどころ凍ったところがありますから、足元に気をつけてくださいね」親切な忠告ありがとう。でもだいじょうぶ、そんな上まで行くつもりはまったくないからね。腕時計を確認すると、だいたい丁度10時である。11時22分発のバスに間に合うように帰ってきたいので、ざっくり80分の時間限定での観光である。片道30分ほどいったところで、きっぱりと引き返...赤目四十八滝(1)

  • 箱根、長安寺の五百羅漢(1)

    <箱根、長安寺の五百羅漢(1)>朝の、小田原駅のコンコース・・・。次に乗る箱根登山鉄道は単線なので、小田原からたった4駅先の箱根湯本まで15分と思ったより掛かる。急ぐ旅でもなし、「BECK‘SCOFFEE」でコーヒーでも飲んでいくか。もう一軒のコーヒー店のトーストより、こっちの店のパンのほうが好みである。一番安いモーニングセット(390円)を注文した。トーストを食べおわり、コーヒーを半分ほど飲むと、店内の喫煙室でゆっくり一服する。箱根湯本からはわたしの苦手な交通手段のひとつ、バスだ。桃源台行の路線バスで、箱根湯本駅から目的の「仙石」バス停までの所要時間は公称25分だが、伊豆箱根地区はとにかくいつも混んでいるので、もう少しは掛かると覚悟しておいたほうが良さそうだ。箱根をのぼっていく側の路はそれほど混んでいな...箱根、長安寺の五百羅漢(1)

  • 志摩の国温泉(4)

    <志摩の国温泉(4)>目を覚まし、時計をみると、思いのほかぐっすり寝入ってしまったようだ。さすがは「ねぼーや」である。久しぶりに満腹したせいというより、きっと展望台往復で疲れ切った身体に、「朝寝坊の湯」がじんわり効いたのだろう。もうすっかり脚も回復していた。この時間だと、早起き客で温泉も混んでいるかもしれない。ルーティンにしている朝一番の入浴は朝食後にずらすことにして、湯を沸かして朝茶でもゆっくり飲むことにする。豪勢に連泊すると、高く長く続く塀のような防潮堤の向こう側にある、エメラルドブルーの海と白い砂浜の散歩とかの他にいろいろと楽しみ方があるそうだ。たとえば夜の波音を聞きながらの天体観賞には懐中電灯とイスを、風景地巡りや近隣の散策や海岸線のサイクリングには自転車を、無料で貸してくれる。釣り好きなら、近く...志摩の国温泉(4)

  • インスタ、始めました!

    <インスタ、始めました!>ブログ訪問者数100万人突破の日まで待ちきれず、“冷やし中華”ならぬ“インスタ”始めちゃいました。「SNSはやんないの?」とよく訊かれましたが、ツィッターのアカウントは開設済みだが字数制限がどうも気にいらず、やる気がしない。ユーチューブもティックトックも「ネコ」の動画を観るだけ。そういえば「写真撮るのが好きなら、インスタグラムもやればいいのに!」とか随分前に親友に言われたことあったっけな。フト思いだして、そうだなワイもそろそろ二刀流にしてもいいかと、インスタグラム(「温泉クン」の名)で発信を始めてしまった。そういうわけ。いままで撮った写真のなかで気にいったものを選び、キャプションを付けて投稿した、まことにズボラな手抜きそのもののインスタ。年末から新年にかけて係累が次々と深刻な病魔...インスタ、始めました!

  • 志摩の国温泉(3)

    <志摩の国温泉(3)>「えっ!」巻き寿司と厚い出汁巻き玉子の皿も運ばれて、すっと卓に載せられ驚いた。お凌ぎ”なのだろうか、まったく献立にはなかったものである。まいったな。右端の器を開けてみると、香の物だったので少しホッとした。揚物のフライは、ひとつは鮟鱇だと覚えているがもうひとつは忘れてしまった。隣の個室はどうやらゴルフ旅のビジネスマン二人組で、壁の上が抜けているので筒抜けでお喋りが聞こえてくる。ゴルフの話、仕事の失敗談、成功談、美食の話と続き、苦労話と最近の家族の話に着地している。なんか湿っぽくなってきたので、猫のように耳をパタッと伏せることにした。昼を軽くしておいたおかげだろう。ようやく辿りついた食事は、海鮮しらす茶漬け、茶漬け出汁、香の物。“しらす”は公言していないが大好物、なんとか美味しく食べきっ...志摩の国温泉(3)

  • 志摩の国温泉(2)

    <志摩の国温泉(2)>賢島にいくのをとりやめたわたしは、鵜方駅の界隈で昼メシを食べることにした。30分ほど駅付近を探索したが、“喫煙ができる店“というのがネック(枷)になってこれという店がみつからない。それでも、駅に隣接したビルの2階に「杉の子」という喫茶店兼食堂を発見した。「ここの店も、禁煙ですか?」すっかり弱気になって訊くと、禁煙だけど店内にいる客が掃けたならばオッケー、との条件付きで手を打つことにした。みたところ食事だけの2組だから長引かないとみた。食堂というよりは、小さなスナックみたいな店で、厨房との境には洋酒や焼酎の瓶が並んでいる。これみよがしに芸能人の色紙が壁にいっぱい飾られているが、これはあんまり信用できない。席に腰をおろすと、食事はあとにしてとりあえず呑んでしまおうかという気になってしまう...志摩の国温泉(2)

  • 志摩の国温泉(1)

    <志摩の国温泉(1)>近鉄志摩線の「鵜方(うがた)駅」は、思った以上に立派で大きな駅だった。たっぷりの時間を潰しまくり、2時半ごろからバス停のベンチで座って待つ。当初、昼前に横山展望台から鵜方駅に戻ったら、駅舎だけの撮り鉄としてはわずか5分でいける2駅先の終点「賢島駅」まで行くつもりだったのだが・・・展望台の往復で疲労困憊、断念してしまったのだ。やがて宿のロゴが入ったマイクロバスがやってきた。ありがたい。宿の定時送迎マイクロバスは本来、15時半と16時半だったのだが、前日までの連絡のときに無理をいって早めてもらったのだ。わたしを拾うと、バスはきびきびとした運転で宿に向かった。駅からの所要時間15分とあったが、普通の運転なら20分はかかるのではないか。宿の横にある広い駐車場には、チェックインタイムの3時丁度...志摩の国温泉(1)

  • 読んだ本 2023年1月と2月

    <読んだ本2023年1月と2月>BS-TBSで1月から、1997年に放送したドラマ「青い鳥」の再放送が始まった。リアルタイムで観なかったのだが、脚本を読んでハマり、レンタルDVDも観て、おまけにドラマの起点となる「信濃境駅」、逃避行先の「小岩井駅」や「八戸漁港」などの聖地巡礼までしちゃったのであった。脚本の作者は、残念ながら夭折してしまった「野沢尚」で、書きあげた脚本・小説はいずれも珠玉のものばかりだ。なんかこの2カ月間、日曜夜の愉しみだったが今夜が全11回中の8回目の放送、そろそろ最終回が近いのが寂しい。ウォーキング話の続きだが、復路の遠いバス通りで見つけたのはパン屋だけではなかった。小さい字で「愛情ラーメン」と書かれた看板を目ざとくみつけ、腹も減って愛情にも飢えたわたしはふらふらと誘いこまれてしまった...読んだ本2023年1月と2月

  • 志摩の絶景

    <志摩の絶景>真珠のふるさと、英虞湾の絶景である。標高140メートルの「伊勢志摩国立公園横山展望台」からは、テラスからリアス海岸美と、湾に浮かぶ60の小島、突き出た半島を一望できる。感無量である。どことなく佐世保の「展海峰」からの眺望に通じるものがある。一番上にある駐車場を利用したのだろう、車椅子に乗った観光客もいた。全国を旅して、伊勢でも鳥羽はたしか3回訪れているのだが、志摩はまったくの初めてなのだ。つまり、いままで志摩には温泉宿が少なかったのである。「横山展望台に行きたいのですが」鵜方(うがた)駅の案内所で教えもらった、ワンマンの路線バスに乗り込むと、運転手に訊いた。「ああ、でしたら停留所に着く前に教えてあげますよ」。ありがたい、打てば響く、だ。あっと言う間にバス停に着き、精算しているわたしに「でも、...志摩の絶景

  • 群馬・桐生、水沼駅温泉センター

    <群馬・桐生、水沼駅温泉センター>わたらせ渓谷鐵道の「神戸(ごうど)駅」を目指していたのだが、手前の「水沼駅」で下車した。4駅先の神戸駅には、かつて日光線で活躍していた特急列車「けごん」の車両を使用した「レストラン清流」があって、ちょっとだけ鉄っちゃんのわたしはそこでランチを食べようと思っていたのだった。(わ鐡のサイトから拝借)早朝、予定通りの電車に乗ったのだが、途中の品川駅で突然トイレに寄りたくなり途中下車してしまった。(酒飲みにありがち)そのため、次に乗った高崎線から宇都宮線に乗換が必要なのを失念して行き過ぎ、大宮に戻ったりして大幅に予定が狂ったのである。そのまま高崎へ行けばよかったか、は後の祭りだ。宇都宮線の「小山駅」で両毛線に乗り換えると、1時間電車に揺られ、桐生駅で「わたらせ渓谷鐵道」のホームへ...群馬・桐生、水沼駅温泉センター

  • 京都洛北、絶品冷麺とあぶり餅

    <京都洛北、絶品冷麺とあぶり餅>上賀茂神社から、一番近くに架かる御薗橋(みそのばし)を渡る。橋の右側を流れているのは賀茂川の上流部分である。そのまま、まっすぐ歩いて10分たらずで、目当ての店「みそのばしサカイ」をみつけた。昼時で心配したが、カウンター席に案内される。テーブル席は8割方埋まっていた。注文は決めてあるのだが、形だけメニューに目を通してから「ハムの冷麺」を注文した。メニューはたくさんあるが、この店の名物は通年提供の「冷麺(冷やし中華)」と、「オムライス」だ。そして冷麺の一番人気は“焼豚”だが、わたしは無難な“ハム”にしておいた。“ハム冷麺”が到着。具はたっぷりのハム、しゃきしゃきの胡瓜、散らした刻み海苔とシンプルそのもの。さっそくひと口いってみる。(旨い・・・これ、初めて食べるような冷やし中華な...京都洛北、絶品冷麺とあぶり餅

  • 北アルプスの山岳リゾート(3)

    <北アルプスの山岳リゾート(3)>北アルプスの夜が明けようとしていた。雪も熄んだようだ。いつものようにとっくに起きているのだが、大浴場に行く気はしない。収容人員が多いということはわたし同様の早起きも多い。さらに東南アジア系の観光客に温泉好きは多く、出発も早いので早朝は混むのである。ポットで湯を沸かし、茶を飲みながらゆっくり作戦をたてる。和洋30種類のメニューのバイキング朝食時間は7時30分から9時30分である。団体も同じ食事会場の可能性があるが、遅くとも8時ごろには団体の観光バスは出発するだろうから、朝食は8時過ぎたあたりがいい。チェックアウトは11時で、駅への送迎バスは、8時半、9時半、10時半、11時半とあるので、バスは10時半のヤツに、最後の温泉の入浴時間は9時過ぎと決めた。チェックアウトに手間取る...北アルプスの山岳リゾート(3)

  • 北アルプスの山岳リゾート(2)

    <北アルプスの山岳リゾート(2)>部屋の電気ポットで湯を沸かし、ゆっくりお茶を飲んで一服する。(もちろん煙草は無しで)安曇野駅では送迎マイクロバスに一番乗りして、“一番降り”できる席を素早く確保した。その甲斐あって、ホテルに到着するとフロントに一番でたどりついた。ワクチン接種(5回)の証明書と身分証明書を呈示して、チェックイン手続きに入る。ベースとなる宿泊料金は12,600円である。そこから宿泊割引(信州割)5,000円と、ポイント1,600円で差引、ここで支払った料金は6,000円だ。代わりに受取ったのが、カードキーとホテルの各種案内、お土産に使える観光クーポン(紙)3,000円と交通クーポン(紙)1,000円である。いずれの紙クーポンも有効期限は明日だ。(交通クーポンのほうは早い者勝ち、なくなり次第終...北アルプスの山岳リゾート(2)

  • 北アルプスの山岳リゾート(1)

    <北アルプスの山岳リゾート(1)>その実は大慌てだが、顔だけは平然さを装って、大浴場の男風呂に忍者走りで駆けこんだ。(ふむ、先客は2名だけか・・・)入口で素早く脱いだスリッパの確認するのもルーティンである。大浴場を覗くと先客達が揃って洗い場にいた。今こそ千載一遇のチャンスとばかり、着てきた部屋着のまま浴場に素早く乱入して手早く画像を収めた。ミッション、無事クリアだ!そののち、ゆっくり脱衣籠に部屋着を脱ぎすて、まずは掛け湯を足先から念いりにして、内風呂からだ。<安曇野でいちばん空に近い場所で絶景温泉を満喫>がホテルアンビエント安曇野の“売り”だ。檜風呂を満たすアルカリ性単純温泉は、中房渓谷から引湯されたものである。サウナも備えられているが、ミストサウナを別にすれば普通のサウナは根っからの興味ゼロ。左右に並ぶ...北アルプスの山岳リゾート(1)

  • 京都、下鴨さんで抹茶を一服(2)

    <京都、下鴨さんで抹茶を一服(2)>南口鳥居を抜けると、そこに広がるのは「糺(ただす)の森」の静寂の原生林である。鎮守の森である「糺の森」の語源は「神の前で偽りを糺す」が語源だという。およそ12万4千平方メートル(東京ドームの約3倍)の面積があり、この森で、葵祭の前座の流鏑馬や多くの伝統行事が行われる。平安京の時代にはその40倍の約495万平方メートルの広さだったが、応仁の乱や、明治期の上知令による寺社領の没収などを経て、現在の面積まで減少した。とくに文明2年(1470年)、応仁の乱では総面積の7割を焼失している。糺の森はこの一帯が山城国と呼ばれていた頃の植物相を留めている原生林で、欅(ケヤキ)や榎(エノキ)など楡(ニレ)科の落葉樹を中心に、約40種、47004本の樹木が生育している。樹齢600年~200...京都、下鴨さんで抹茶を一服(2)

  • 京都、下鴨さんで抹茶を一服(1)

    <京都、下鴨さんで抹茶を一服(1)>延暦十三年(794年)、桓武(かんむ)天皇が平安京に都を遷す際に、中国の風水に従い都市設計をした。北に「玄武」、南に「朱雀」、東に「青龍」、西に「白虎」が配置された「四神相応(しじんそうおう)」の地への遷都である。玄武は船岡山、朱雀は巨椋池(おぐらいけ)、青龍は鴨川、白虎は山陰道に相当し、いわゆる「北に山」、「南に池」、「東に川」、「西に大道」が配された土地が<風水>上最も良いとされていた。京の都が千二百年以上続いたのは、鬼門封じの「魔除けの猿」の配備(御所、延暦寺)を含め、この都市設計にあるともいわれている。京都の市内を、北から南へと流れる青龍「鴨川」の上流域に存在する「上賀茂神社」と「下鴨神社」は、「賀茂神社(賀茂社)」と総称される京都で最古級の神社である。陰陽道で...京都、下鴨さんで抹茶を一服(1)

  • 謹賀新年 2023年

    <謹賀新年2023年>新年あけましておめでとうございます本年も皆さまのご多幸とご健康を心からお祈り申しあげます決め台詞で恐縮ですがまたしても繰り返させていただきますいまなんらかの事情で旅できない人にはあのころそのころの懐かしい記憶や気持ちや情景を一瞬でも呼び起こせればといまも旅する人には「そこ行ってみたい」みたいなという一抹の旅情を掻きたてられればとただただ願っています本年もなにとぞご愛顧のほどよろしくお願い申しあげます2023年1月1日温泉クン謹賀新年2023年

  • 読んだ本 2022年11月と12月

    <読んだ本2022年11月と12月>「『やきたてパンあるよ』って、こんなところにパン屋があったんだ!」リラックマを完全にパクッたみたいな看板の横に、「くまのパンや(KUMAPAN)」を発見した。理由(わけ)あって、しばらくウォーキングをすることにした。日課なんてストイックなやつでなく、よく晴れた休みの日にだけという、ごくごくゆるーい運動。川沿いに、いつだったか猫を散歩に連れっていった懐かしい公園まで往復した。距離にして7~8キロ、時間にして大体1時間の負荷である。そういえばあのとき、幼い猫だった海ちゃんは、抱きおろした芝生の上で、きょとんとして怖いのか震えて、ぬいぐるみのように固まっていたっけ・・・。「ばか、アタシはワンコじゃないもんっ!」って無言で訴えていたのかもしれないな。何回か繰り返すうちに、復路に...読んだ本2022年11月と12月

  • 奥州の薬湯、鎌先温泉(3)

    <奥州の薬湯、鎌先温泉(3)>(しまった、寝すぎてしまったぞ!)朝が明けきっていた。(それって、ふつうに早起きじゃんか!)いつも夜明けとともに起きるのだが、ひたすら眠りをむしゃむしゃと貪ってしまったようだ。身づくろいを整え、一番人気の露天風呂に急ぐ。更衣室の入口ですれ違った先客と、タッチして入れ替わるようにリングに、じゃなかった露天風呂スペースに素早く入りこむ。古代檜の浴槽の、木肌の心地がなんとも気持ちいい。檜の香りはすっかり抜けてしまったのか、かすかな風のせいなのか匂わない。朝を忘れるほど眠ってしまったのは、仙台駅前の蕎麦屋で呑みそこなった地酒を仙台駅で調達、調子にのってガンガン呑みすぎて起きられなかったのだろうか。はたまた、どこかしらの忘れてしまった古傷に、奥州の薬湯がばっちり効いて安眠をもたらしたの...奥州の薬湯、鎌先温泉(3)

  • 奥州の薬湯、鎌先温泉(2)

    <奥州の薬湯、鎌先温泉(2)>今日は予定通り、昼過ぎに仙台に着いたので白石への電車に乗るまでに1時間ちょっとあった。改札を出ると立派なペデストリアンデッキを使って、迷わずに駅前のアーケード商店街の「ハピナ名掛丁商店街」に向かった。そこに、前に来たときに「かけ蕎麦」と宮城の地酒「一ノ蔵」を呑んだシブイ蕎麦屋があるのだ。わたしの身体には猫と旅鴉(たびがらす)がたっぷり入っているが、犬もすこし混入しているらしく、一度でも行ったところは足が覚えている。それにたしか煙草も吸えたはずだ。今日はそうだな・・・冷やしたぬきと「一ノ蔵」を注文したい。「オーマイガッド!休業日かよ!」目当ての店にはガッチリとシャッターが降りていた。プランBの用意もなく、喫煙優先に変更、繁華街のはずれに空いている喫茶店をみつけて飛び込んだ。とり...奥州の薬湯、鎌先温泉(2)

  • 奥州の薬湯、鎌先温泉(1)

    <奥州の薬湯、鎌先温泉(1)>(オッ、あれは前に来た時に「白石うーめん」を食べた店だ!)白石駅の真正面、ちょい右手の角にある“白石うーめん”の店を目ざとくみつけてしまう。たしか、稲庭うどんによく似た、短くておいしい麺だったな・・・あのときはなにを食べたっけか・・・。「本日のご宿泊予定の・・・様でございますか?」会釈をしながら近づいてきた宿の送迎車のドライバーに声を掛けられ、思考が中断する。連絡してあった到着予定時刻よりも前から待っていてくれたようである。白石駅から鎌先温泉までは約7キロ、車で15分と掛からなかった。途中に長い坂もあるから、歩いたら1時間半だなあ・・・助かるわい。南蔵王、不忘山の麓に位置する山あいに「鎌先温泉」はある。鄙びた小さな温泉地には5軒ほどの旅館が点在し、現在湯治を受け入れているのは...奥州の薬湯、鎌先温泉(1)

  • 京都で湯豆腐

    <京都で湯豆腐>「豆腐百珍」とは、口の中で消えてしまう儚い豆腐を題材に百種の料理を著した江戸時代のベストセラーだそうだが、わたしは酒飲みなのでシンプルな“冷や奴”とか“湯豆腐”が好みだ。湯豆腐は寒い冬場こそ最高と思えるのだが、仕掛人・藤枝梅安の相棒の、豆腐好きの彦次郎の湯豆腐は梅雨時から始まる。『彦次郎は、台所へ行き、湯豆腐の支度にかかった。梅雨どきの湯豆腐は、彦次郎が、もっとも好むものだ。品川台町の豆腐屋が、毎日のようにとどけてくれる。大根を千六本にして、豆腐と共に煮るのが、彦次郎の湯豆腐であった。こうすると、ふしぎに豆腐の味がよくなる。梅安は梅雨どきになると、「そろそろ、彦さんの湯豆腐がはじまるね」』池波正太郎著講談社文庫「梅安冬時雨」<襲撃>の章より京都の名水(良質で豊富な地下水)でつくられる豆腐は...京都で湯豆腐

  • 千貫石温泉(3) 岩手・金ヶ崎

    <千貫石温泉(3)岩手・金ヶ崎>さすがに未明の時刻なので浴場には誰もいない。時間はまだ朝風呂には早い、4時ちょい過ぎで、いるはずもないか。(オマエは豆腐屋か!)淡い琥珀の掛け流しの熱い湯が、浴槽から溢れていた。朝はとにかく熱い湯がいい。ルーティンの掛け湯をすると、湯が跳ねかえる音が意外に響く。するりと湯に滑り込む。つるりとして少しだけ油臭のする湯に、身体がすっぽり包まれる。まるで薄い美容液のような肌触りのいい温泉である。しかもブランドニュー、新品の、源泉100%だ。昨日、夕食を早めに終わらせ急いで大浴場へいったが、なんとまだ日帰りの入浴客はけっこういた。いまは無人だが、きっと朝でも同じことになるだろう。日帰り入浴を朝7時から夜9時まで、料金500円で営業しているからである。常連客ならとぼけて7時前には押し...千貫石温泉(3)岩手・金ヶ崎

  • 千貫石温泉(2) 岩手・金ヶ崎

    <千貫石温泉(2)岩手・金ヶ崎>見えるのは田園風景ばかり、静かな露天風呂にただ独りである。内湯そして露天風呂と、ひと通り済ませて気分が落ち着くと、ふつふつと今日の大失敗を思い起こして自分に腹が立ってしまう。「チャンチャカチャンチャン、チャチャッチャンチャン。ちゃんとバスの時刻表を調べてあったのにいィ~週末土日は運休でしたあァ~チッキショー!」誰もいないのを幸いに、得意(誰もしらないが)の“コウメ太夫”に突然変身してしまった。(しかも湯の中で、振りまで付けて)東北本線金ヶ崎駅には、予定通り14時前に到着した。平成十六年(2004年)改築された、けっこう真新しく立派な駅舎には農協が入居していて、少なくても売店くらいありそうな雰囲気だが、飲料の自販機しか設置されていない。金ヶ崎駅から千貫石温泉まではワンコインバ...千貫石温泉(2)岩手・金ヶ崎

  • 千貫石温泉(1) 岩手・金ヶ崎

    <千貫石温泉(1)岩手・金ヶ崎>浴槽脇まで進み、ちょっと重みのある温泉でたっぷり掛け湯すると、滑りこむように身体を先客たちの隙間の空間の湯に沈めた。「思ったとおり、なかなかのいい湯だ・・・」いい温泉にどっぷり浸かると、頭のなかがスッカラカンの空っぽになる。(誰だ!温泉関係なく、いつもだろなんていうヤツは)次いで、呼吸や皮膚から浸透してくる湯がもたらす満足感が滲むように身体にじわじわと湧きだし、とめどなく増幅されて頭も心もいっぱいに満たされる。書くと長いが、温泉に慣れきった身体では瞬時のことだ。あー、ごくらく、極楽・・・ふふふ。思わず満面に笑みを浮かべてしまう。どうみても薄気味の悪い笑みを、両の手で湯を掬って、顎先から後頭部まで軽く撫でこするようにして誤魔化す。浴室のタイル床は浴槽から溢れ出る温泉の泉質のせ...千貫石温泉(1)岩手・金ヶ崎

  • 読んだ本 2022年9月と10月

    <読んだ本2022年9月と10月>コスモス、和名は「秋桜(あきざくら)」という。明治の初めに原産地メキシコから渡来した外来種だ。この日、コスモスを目当てに大船フラワーセンターにやってきたのである。もっぱら車で旅をしているときは、街道沿いでよく見かけるのだが、住んでいる近所である程度群れで咲いているコスモスが観たいとなると、案外難しい。9月14日のコスモスの日(そんなのあるの知らなかった)にも来たのだが、“キバナコスモス”のひと群れしか咲いていず、訊けば10月の後半だといわれての再訪なのである。♪淡紅(うすべに)の秋桜(コスモス)が秋の日の何気ない陽溜まりに揺れている“秋桜”と書いて“コスモス”と読ませたのは、山口百恵の大ヒット曲からである。さだまさしの作詞作曲で、題名にも歌詞のなかにも「秋桜(コスモス)」...読んだ本2022年9月と10月

  • 大船渡温泉(4) 岩手・三陸

    <大船渡温泉(4)岩手・三陸>古人曰く、早起きは三文の徳(得)、長寝は三百の損、夜なべは十両の損、だそうな。ま、わたしはいつだって早寝早起きだから、関係ないけども。エレベーターで屋上階にいき、外に出ると昨日の大雨で洗いたての、真新しく涼やかな朝の大気に包まれた。(おおー、青空に海、朝焼け、これはなんとも見事な景色だ・・・)いつものように早起きして、自分なりの風呂道具一式を持って一階の大浴場でなく屋上に向かったのは、昨日から晴れたら屋上にいってみようと決めていたのだ。山側というより駐車場側といった部屋だったので、すこしはオーシャンビュー客室からの景色をご相伴に預かりたかったのである。都会のような常にどこかから聞こえる車の走行音もなく、野鳥も飛びまわる海鳥の声すらもない、ひたすら静寂のなかに圧倒的に迫ってくる...大船渡温泉(4)岩手・三陸

  • ブログ訪問者数の100万人超え、カミングスーンなのだ!

    <ブログ訪問者数の100万人超え、カミングスーンなのだ!>2022年1月1日、ブログ訪問者数は<79万>だった。1年(365日)は週(7日)でいうと、52週。週に2,000人だと、52週で約100,000人だ。この時点の週間訪問者数が2,000弱だから、2022年12月末の到達予想は<ざっと90万>、そして「100万突破」予想は来年末、2023年12月だった。ところが、ところがである。2022年10月19日、訪問者数が、累積でなんと95万人を超えてしまったのだ。(閲覧PV数は249万)ということは、52週から11週引いた41週で、16万人増えたわけだから、計算すると週に3,900人ペース。年初に立てた予想週間読者数が、和歌山ネタでちょいバズったせいか「倍増」しているのだ。このままでいくと、あと13週、20...ブログ訪問者数の100万人超え、カミングスーンなのだ!

  • 大船渡温泉(3) 岩手・三陸

    <大船渡温泉(3)岩手・三陸>人はみかけによらない、という。意外だろうがわたしは、“質より量”ではなく、“量より質”なのだ。たとえば温泉も、「量」をたっぷりこなした後に「質」に辿りついたのだ。ジツを言うと、今日は悩みがあった。宿の夕食がどうも“質より量”、「ボリューム優先」のようなのだ。三日間じっくり煮込んだカジキマグロの兜煮が提供されるというのだが、マグロの兜というと、想像するに、フィリッピン料理の「レチョン(豚の丸焼き)」の子豚ぐらいあるのではないだろうか。やだやだ勘弁。鯛の兜なら高級な酒場とかで、何度か煮たり焼いたりした料理を経験している。旅で数多く宿泊しているが宿の夕食でドーンとマグロの兜は、とにかく初めてなのである。いつもの習慣で夕食会場に一番乗りしてしまった。客待ち待機状態で突っ立っている仲居...大船渡温泉(3)岩手・三陸

  • 大船渡温泉(2) 岩手・三陸

    <大船渡温泉(2)岩手・三陸>大浴場入口ですれ違った先客で切れたのか、浴室には誰もいなかった。(この内湯、晴れていればガラス越しに大船渡湾が一望できたのに・・・ちょっと残念だ)岩手県の久慈から宮古までは車で何度か訪れていたのだが、宮古から南の太平洋岸はまったくの未踏だった。そこで一念発起して最近、宮城の石巻と気仙沼を訪ね、今回は釜石から大船渡に行ってみようと思ったわけで、珍しく温泉目当ての旅ではないのだ。釜石から三陸リアス線で9駅、時間にして小一時間(50分)で盛駅に到着した。盛駅からは、「JR大船渡線BRT快速(はやい話がバスだ)」に乗り換えて大船渡に向かった。バスは苦手だが、所要時間は20分もかからないので安心だ。「大船渡温泉って、次の『大船渡』で降りればいいのでしょうか」3つ目のバス停「大船渡駅」が...大船渡温泉(2)岩手・三陸

  • 大船渡温泉(1) 岩手・三陸

    <大船渡温泉(1)岩手・三陸>ローカルな在来線は単線区間が多く、またその同じ線路を利用して長い貨物列車が走るので遅延もけっこう発生する。「よしよし、時間通りだな・・・」盛岡発の快速「はまゆり1号」が入線してきた。花巻発は9時15分、釜石までは7駅で釜石着は10時53分だ。初めての釜石、ちょっとわくわくする。3両編成で、1号車のみが指定席で別料金が発生する。この快速は空いているので自由席で充分だった。10時過ぎくらい、4駅目の「遠野駅」に停車した時にひどく懐かしくなって、途中下車して駅舎を撮影したい衝動を抑えるのに苦労した。わたしはちょっとだけだが<駅舎の撮り鉄>でもあるのだ。釜石駅を軽やかな足どりで出てみると駅前の景色は殺風景そのもの、いきなり目の前に広がるのはどでかい製鉄工場だった。とにかく“旅情をかき...大船渡温泉(1)岩手・三陸

  • 台温泉(3) 岩手・花巻

    <台温泉(3)岩手・花巻>夕食時間になり、食事会場に降りて行き入口で部屋番号を告げると、決められた席に案内された。「ひょっとして、この右側の鍋ものは・・・」卓の上に置かれた<お献立>によると、先附は「旬彩先附三点」、その上の酢物が「〆鯖とズワイ蟹風味美味酢掛け」、左側の台の物は「紅木豚の温しゃぶ」、右側の鍋物が「ひっつみ鍋」と書いてあった。(やっぱり、ひっつみ鍋だ!)これは嬉しい。何度目かの岩手旅のときに繁華街のビジネスホテルに素泊まりで泊まり、夕食がわりに入った居酒屋で、初めて食べて気に入ってしまった郷土料理の「ひっつみ」だ。そのときのことをこう書いている。『腹が猛烈に減っているので、締めまで待てずに南部ひっつみを注文した。ひっつみは、小麦粉を用いた汁物の郷土料理で、いわゆるすいとん(水団)の一種だ。小...台温泉(3)岩手・花巻

  • 台温泉(2) 岩手・花巻

    <台温泉(2)岩手・花巻>バスがあまり得意でないので、育ちのいい猫のように行儀よく座り、ひたすら静かに外を流れる景色をみていた。花巻駅からちょうど30分過ぎたあたりで、バスは<歓迎花巻温泉>と書かれた大きなゲートの前に差しかかった。(花巻温泉って、こんなに遠かったんだ・・・)花巻温泉は、なんとなく“花巻駅のすぐそば”と勝手なイメージを持っていた。バスはゲートを入らず、過ぎたところの路をさらに奥に進む。すこしして右側に白っぽいホテルが現れ、台温泉地区に入る。よく見ると中堅クラスのホテルに営業の気配はなく、廃墟と化していた。別に廃墟マニアでもないわたしだが、妙に気になるホテルだった。廃墟ホテル前の、道幅が広くなったあたりでバスは左に大きく旋回して、停留所の前にピタリと止まった。「ここが終点の台温泉ですか?」立...台温泉(2)岩手・花巻

  • 台温泉(1) 岩手・花巻

    <台温泉(1)岩手・花巻>移動手段に新幹線を使えば目的地に早く着く・・・わけでもない。(ついでに言っとくと、すっかりおなじみになった「キャッシュレス決済(電子決済)」もすべての旅先で使えるわけではない)とくに、乗車駅も降車駅も共に在来線の駅だったりした場合などは、並走する新幹線を使わないほうが早かったりするのだ。たとえば松島駅から花巻駅まで行くとして、目的地の花巻駅にはできれば午前中に到着したいとなると、選択肢は次の3つとなる。(1)東北本線の松島駅発8:36で、乗換が小牛田と一ノ関の2回、掛かる所要時間は2時間半、花巻駅に到着するのが11時5分。料金は2,310円。(2)(1)の途中の一ノ関から新幹線を使うと、新花巻駅経由で花巻駅着11時20分と少し遅い。そして料金は倍の4,810円。(3)松島駅から小...台温泉(1)岩手・花巻

  • 読んだ本 2022年7月と8月

    <読んだ本2022年7月と8月>戸塚駅で久しぶりに購入したシウマイ弁当。最近の駅弁価格だが、1,000円以上のものが圧倒的に多い(ように感じる)。価格が高い一因は常温保存が基本で消費期限も短いので、冷蔵保存のコンビニ弁当の廃棄率「5%以下」に比べ、倍くらいの10%がざらとなっており、その廃棄コストも上乗せされているからだ。現在のシウマイ弁当の価格は860円と、相変わらず頑張って1,000円以内をキープしている優等生だ。なにしろ一日に2万4000個以上を売り上げる、日本一有名な駅弁なのである。『崎陽軒は8月9日、「シウマイ弁当」の鮪の漬け焼を鮭の塩焼きに変更すると発表した。鮭の塩焼きに変更するのは、8月17~23日の期間限定。』期間限定初日の今日、突如購入することを決めたのはこのニュースを知ったからである。...読んだ本2022年7月と8月

  • 宮城、松島温泉(3)

    <宮城、松島温泉(3)>温泉宿とか飲食店で、何度か「クソッ、騙された!」という経験がわたしにはある。口コミの情報といってもネットに溢れるのは玉石混淆で、フェイクなやつもかなりあると覚悟しておかねばならない。「傍聞き(かたえぎき)」といって、ひとの傍らにいて聞くともなしに聞いてしまった、そんな会話からの情報は真実味と信頼度が高い。五時前に起きると、寝乱れた浴衣を手早く整え、大浴場に向かう。正面が女湯なので躊躇するが、男湯は直前を左折である。(ふーん、新参者の、ここの温泉を「太古天泉」とは、凄い命名をしたものだ・・・)さすがに早いので先客は誰もいなかった。しっかり掛け湯をしてから内湯で身体を温めると、昨日入れなかった露天風呂をじっくり楽しむことにした。露天はくらいの上段と大きい下段のふたつあり、上の湯から攻め...宮城、松島温泉(3)

  • 宮城、松島温泉(2)

    <宮城、松島温泉(2)>遊覧船を降りてから宿に連絡すると、すぐに迎えにいくとの嬉しい返事であった。宿のマイクロバスは遊覧船のレストハウスでわたしを拾うと、近くの仙石線「松島海岸駅」のロータリーでカップルひと組を乗せ、宿へとんぼ返りで戻る。見覚えのあるコンビニのところで右折したので、頭のなかで東北本線の「松島駅」と宿との地図を素早く作成し、記憶する。(うーん、なんか「ホテル壮観」って、思ったより豪勢なホテルじゃないの・・・)素早い送迎にも好感を覚えていたので、かなり気分が揚がる。部屋数百室以上(133室)を有する、大箱のホテルである。松島は高級なホテルが多いのだが、この宿は二食付きで一泊がお手頃な12,000円である。右折してホテルの敷地に入り、広くとられたアプローチをぐるりと廻って車寄せに横付けした。フロ...宮城、松島温泉(2)

  • 宮城、松島温泉(1)

    <宮城、松島温泉(1)>「後悔先に立たず」というが、人生はさて置き、旅の場合なら取り返しがつくこともある。「日本三景」とは江戸時代の初め、全国を行脚した儒学者の林春斎が記した「日本国事跡考」において<卓越した三つの景観>とした松島、天橋立、宮島である。わたしは、いずれの景勝地も複数回訪問しているのだが、そのうちの松島だけは、どうにも達成感がないというか、満足感が薄い。きっと、島めぐりをしていないからだと思う。松島とはそろそろ決着をつけねばならない。松島駅から<島めぐり観光船>が出る中央桟橋まで、歩いてたっぷり15分くらいかかった。「事前の予約はお済みでしょうか?」観光船「仁王丸」の窓口に並んでいる行列に近づくと、寄ってきた係員に訊かれた。頷いて済んでいると答えると、送信された予約完了メールを拝見させて欲し...宮城、松島温泉(1)

  • そうだ 大阪にも行ってみよう。(2)

    <そうだ大阪にも行ってみよう。(2)>温泉旅をしていると副次的にだが、そのご当地の名物を食べる機会も多い。酒呑みで万年二日酔いのせいもありどうしても麺類が多くなる。たとえば、うどん。思いだして列挙すると、秋田・稲庭うどん、群馬・水沢うどん、山梨・吉田うどん、富山・氷見うどん、愛知・味噌煮込みうどんと豊橋カレーうどん、三重・伊勢うどん、香川・讃岐うどん、福岡・博多うどん、長崎・五島うどんなど。「なんで、愛知のうどんが二つも入っとんのに、大阪のうどんが入ってないねん!」ある日の酒席でそんな話題になり、大阪から転勤してきた先輩に噛みつかれた。たしかに旅でなく、出張で何度も行っている大阪のうどんは経験がなかった。旅先でないこと、出張先の支社の人が連れていってくれなかったからだ、おお、もうこんな時間かと、あのときは...そうだ大阪にも行ってみよう。(2)

  • そうだ 大阪にも行ってみよう。(1)

    <そうだ大阪にも行ってみよう。(1)>京都まで来てしまうと、大阪はとても近い。距離でいうと四十キロちょっと、電車移動に掛かる所要時間は三十分もあればいけるのだ。JR東海の伝説的名キャッチコピー「そうだ京都、行こう。」をパクって呟く、「そうだ大阪にも行ってみよう」と。すかさず、スルドイ突っ込みがどこからか聞こえてきた。<なんでやねん!大阪・・・「ニモ」とは、「ついでに」感満載みたいな、なんちゅう失礼な言い草!「悲しい色やね」とか「大阪で生まれた女」を唄い始めたヒトのマイク横どりし、身をくねらせて熱唱するほどホンマは大阪好きなくせに。もう大阪寄らんでええから、浜松でお気に入りの“珈琲ブレイク下車”して、とっとと横浜へ帰らんかい!>「ここが、読み応えたっぷりの本『銀二貫』に書かれていた、あの『天満の天神さん』か...そうだ大阪にも行ってみよう。(1)

  • 浜松、Room 112でコーヒーブレイク

    <浜松、Room112でコーヒーブレイク>鉄道を使って、西の大阪とか京都方面に旅した帰りには、決まって浜松駅で途中下車をする。駅の改札口を出ると、右方面のアクトシティ側の北口から構内を出た。何度も通い慣れているので、さすがに足が勝手に目的地に向かっている。駅から5分とまではいかないが、路さえ迷わなければ、10分と掛からずに「Room112」に到着する。母娘二人が切り盛りしている喫茶店で、いまどきありがたい路面の店である。謎のような小癪な店の名だが、どうやら「番地(浜松市中央区千歳112)」から来ているらしい。直球の「喫茶112」でなく「Room112」と変化球としたのがとっても洒落ている。昭和の香りも感じられる明るく小奇麗な店内の、左手にはカウンター席が、右側にはテーブル席が整然と並んでいる。何度か行って...浜松、Room112でコーヒーブレイク

  • 京都、鯖街道口で鯖寿司を

    <京都、鯖街道口で鯖寿司を>わたしと“鯖”との秘かなつきあいが始まったのは、なんと働きはじめてからのことだった。(こんなしょうもない鯖アレルギーの話、一遍も話題にしたこともないのだが今回は書かせていただく)なぜかというと、父が鯖を食べると決まってひどい蕁麻疹が出ることから、その血筋を受け継ぐ子どもたちにもきっとあるにちがいないと母が危惧して、我が家に鯖が食卓にのぼることは皆無だったのである。たしかに体質遺伝はあるかもしれず、いまでも鯖を口に入れるたびに、正直、一抹どころでない不安を感じる。このまま“サバ禁一族“の一員として生涯食さないことも可能だが、母の血筋を光明にすこしずつ関係修復していこうと秘かに決めたのだった。わたしには、すこぶる気が長いところがあるのだ。ポピュラーな鯖の塩焼きから鯖の味噌煮とゆっく...京都、鯖街道口で鯖寿司を

  • 京都・鞍馬、貴船神社(2)

    <京都・鞍馬、貴船神社(2)>奥宮への、杉並木の参道に入ると、路が平坦になって歩きやすくなりほっとする。神門を入ると、すぐ左手に「蓮理の杉」があった。途中でみた「相生杉」と同じく、こちらも御神木だ。「連理」とは別々の木が重なって一つになるという意味で、夫婦・恋人の仲睦まじいことを意味し、この神木は杉と楓が和合したとても不思議なもので、貴船神社が持つ神秘的な力のせいかもしれない。大正十三年に貞明皇后が参拝された折、「大変珍しい木だから大切に」という御言葉を残されたそうだ、社伝によれば、五世紀の初め、神武天皇の母である「玉依姫命(たまよりひめのみこと)」が、黄色い船に乗って浪花(大坂)から、淀川、鴨川、貴船川をさかのぼってこの地に上陸し、祠に水の神様を祀ったことが貴船神社の始まりだとされている。「貴船(きふね...京都・鞍馬、貴船神社(2)

  • 京都・鞍馬、貴船神社(1)

    <京都・鞍馬、貴船神社(1)>「出町柳」駅からえいでん(叡山鉄道)に乗り込んだ。目指す「貴船口」駅までの所要時間は、約三十分である。いつものように本を取り出すことはせずに、車窓を過ぎる風景をぼんやり眺めていくことにした。「あれっ!」ひとつ手前の「二ノ瀬」駅近く、見覚えのある四阿(あずまや)が配された日本庭園が右側に現れて驚く。たしか紅葉の穴場スポットとしてテレビ番組で観たことがある「白龍園」だ。ふむ。こんなとこにあったのか・・・、いつか来てみようと心に刻む。ただしこの庭園だが年に二回、桜と紅葉の時期(春と秋)しか公開されない。貴船口駅を降りると、運よくすぐバスがきたので迷わず乗りこんだ。徒歩で二キロ(約30分)だが、昇りの坂道である。歩くか悩むなら、帰りの下りのときがよさそうだ。ちなみに大原の三千院から貴...京都・鞍馬、貴船神社(1)

  • 読んだ本 2022年5月と6月

    <読んだ本2022年5月と6月>梅雨空だというのに気温が上がり、真夏日や夏日がめっきり多くなった。暑いと、どうしても食欲が減退して冷たい麺類が食べたくなる。できれば、冷やし中華とか冷やし系蕎麦とかそうめん以外がいい。そうだ。久しぶりに“さぬきうどん”のぶっかけが食べたい。最後に高松の「わら屋」で食べて以来、さぬきうどんを口にしていない。調べると、上大岡駅の近くに高松創業の「はなまるうどん」をみつけた。店舗数が倍くらい多い「丸亀製麺」は、訳ありで避けている。別に兵庫県の焼き鳥屋が発祥だから敬遠しているわけでなく、錦糸町で食べて具合が悪くなったことがあって、それを引きずっているだけだ。飲食で具合が悪くなったことのないわたしだが、きっと揚げものに使った油が悪かったんじゃないかと思う。完全食品に近い蕎麦と違うので...読んだ本2022年5月と6月

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、温泉クンさんをフォローしませんか?

ハンドル名
温泉クンさん
ブログタイトル
温泉クンの旅日記
フォロー
温泉クンの旅日記

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用