詩 秋の風が
秋の風が ガラス戸を叩いている 弱くなった日の光が 一つの時代の終わりを告げる 夏は偉大だった、と祈った詩人の敬虔さを忘れる事は出来ない 風は意識して冷たい 失語症の私はワインを呑んで 拙い詩でも書こうか 風の質料を知っているか? 光の形相を知っているか? ガラス戸を叩く力を知っているか? 敬虔さだけが鍵となる (時には詩や思索を放棄する事も必要だ!) 眼に見えないものを見るのは難しい、と歌った詩人の傲慢さを忘れる事は出来ない 光は意識して導く 精神の病んだ私は 拙い詩でも書こうか おぉ神よ 風のなんと云う力よ! この力が太陽の熱から作り上げているとは! おぉ神よ 眺める事しか出来ない私を赦し…
2021/08/31 12:59