本/「羆嵐(くまあらし)」吉村昭 人間はもっと自然への畏敬の念を持たねばね
「羆嵐」は1977年に刊行された吉村昭の小説 1915年(大正4年)に、北海道苫前群苫前村三毛別六線沢の開拓村をヒグマが襲った「三毛別羆事件」がモデルになっている (吉村昭「羆嵐」) 北海道苫前村六線沢の開拓集落の一つ、島川家がヒグマに襲われ妻と9才の子供が殺された。 ヒグマは島川の妻の遺体を引きずり窓から屋外に運び出したらしく、窓枠には根から抜けた数十本の長い毛髪が絡みついていた。 二人の通夜の席にもヒグマは乱入し棺桶がひっくり返され遺体は投げ出され、人々は恐怖で屋外に飛び出したり梁に登ったり右往左往し大混乱となる。 さらに、島川家から500メートルほど下流の明景家にもヒグマは侵入し、妊婦や…
2022/08/31 17:59