書籍/二十四孝 (中野市右衛門1632)・3 丁蘭
他界した母親の木像を作って、生きている人に対するように世話をした丁蘭。奥様は嫌々ながら、という表情。 国立国会図書館デジタルコレクションより 丁蘭刻木為父母 形容在日新寄言諸子姪 聞早孝其親 丁蘭は。かだい(河内)の。やわう(野王)といふ所の人なり。十五の年。母に後れ。長き別れを悲しみて。母の形を。木像に作り。生ける人に仕へぬるごとくせり。丁蘭が妻。有る夜のことなるに。火をもつて木像の面を焦がしたれば。瘡のごとくに腫れいで。膿血流れたり。二日を過ごしぬれば。妻のかしらの髪が。刀にて切りたるやうになりて。落ちたるほどに。驚ひて。詫び言をする間。丁蘭も奇特に思ひ。木像を大道へ移し置き。妻に三年。詫…
2022/08/31 06:44