山の法話23 八大人覚(はちだいにんがく)

山の法話23 八大人覚(はちだいにんがく)

先日、夕日に紅く染まる白山の写真を撮りたいと思い立ち加越国境の山に出かけました。夕日が西に沈みかけると最後の輝きを放つかのように、白山が紅く染まり、辺りは一気に冷え込み暗闇が訪れます。寒さに耐えきれず今夜の寝床となるテントに入り寝袋に包まります。夜中にテントから這い出してみると、下界には明々とした街の光が綺麗に輝いています。嗚呼、この一つひとつの灯りの中に暖かな人々の暮らしが有るのだなあ。と思うと同時に今宵の私の寝床を暖めるのは私が吐く息のみである事を自覚し、身震いしてまたすごすごと寝袋に包まり朝を待ったのです。仏遺教経には八大人覚と言って、禅の求める悟りに近づくため次の8つの目標が説かれています。1小欲(欲を少なく)、2知足(これで十分で有る事を知り)、3寂静(喧噪を離れて)、4精進(努力を続けて)、5...山の法話23八大人覚(はちだいにんがく)