ハンス・ケルゼン『プラトニック・ラヴ』批判~真の「恋愛」とは何か?
古代ギリシアにおいては、自由民の年長男性と少年が恋愛関係を結ぶ、いわゆる「少年愛」が盛んでした。特に、アテナイの哲学者ソクラテスのそれは有名であり、その姿を弟子であるプラトンが対話篇に描いています。プラトン対話篇のソクラテスが、どこまで史実のソクラテスか、といった問題(いわゆる「ソクラテス問題」)は、当座置いておいたとしても、この少年愛、ひいてはエロス論はプラトン哲学にとって欠かすことの出来ないテーマです。そして、このプラトンのエロス論に対して、様々な解釈や論争が繰り広げられてきました。今回、否定的な解釈として、20世紀を代表する法学者ハンス・ケルゼン(1881~1973年)の『プラトニック・ラヴ』を取り上げ、その解釈の問題点と、プラトンのエロス論の真意を考えたいと思います。
2021/02/26 23:00