【読書感想】セッちゃん/重松 清
セッちゃん/重松 清 セッちゃんというクラスの中で嫌われいじめられている子のことを話す少女とその両親の話。ある日、娘が話すセッちゃんと言う子供が実在しなく、娘自身のことを指しているのだと知った両親の雄介と和美は、いじめられていることを受け入れず、別の人間を作り出して現実から逃げる娘にどう対応すればよいか思い悩むことになる。 作中で登場する「人を嫌う嫌わないは個人の自由」という言葉。理屈的には正しいように思えるが、どこかで納得できない自分がいるのも確かだった。あたかもいじめそのものを正当化するためのこじつけのようにも思え、そうすることで罪の意識すら持たないのだとしたらもっと残酷なようにも思えてく…
2019/09/29 06:15