ヤケ酒は無意味?アルコールは嫌な記憶を強化する
今回は過剰な飲酒がある記憶を強化してしまうということについて書いていきます。 仕事で重大なミスをして上司に叱られた、何時間もかけて作ったファイルが消えた、恋人に振られた。このように忘れたくなるような辛い経験をすることってありますよね。 そんな時お酒を飲むことで忘れようとする人をよく見かけます。いわゆるヤケ酒というやつですね。僕もよくやります。 しかし最近の研究で、実はこのヤケ酒が嫌な記憶を忘れるどころか、強化してしまうということが判明しました。 というわけで詳しく見ていきましょう! 記憶のメカニズム そもそも私たちの記憶はどのようにして脳に保存されるのでしょうか。その過程は記銘、保持、想起の3つの段階に分けられます。 私たちは何かを記憶する時に、まずはその情報を獲得します。本、新聞、ネット、テレビと獲得手段は様々ですね。これが記銘の段階です。 次に、得た情報を頭の中に留めようとします。これが保持です。 しかし、保持しただけでは人はその情報をいずれ忘れてしまいます。 つまり、長期的に記憶するためには、一回その記憶を不安定な状態にした後、固定し直す必要があります。これが想起です。 想起によって記憶はより長持ちするようになります。アウトプットが大切といわれているのは、この想起が行われるからですね。 お酒が記憶に与える影響 アルコールは記銘を妨害する? ではお酒は私たちの記憶にどのような影響を与えるのか見ていきましょう。 お酒に含まれるアルコールは、私たちの記憶における記銘を妨害することが分かっています。 記銘とはさっき説明しましたが、情報を獲得する段階。記憶における第一ステップです。 お酒をたくさん飲んだ日って途中までしか記憶がないことが多いですよね?その後の記憶があっても、途切れ途切れだったり。 あれはアルコールによって情報の獲得が妨害されているからだったんですね。 アルコールは想起を強化する? アルコールは記銘を邪魔する一方で、想起にも影響を与えることが最近の研究でわかりました。 想起の過程では一回記憶が不安定になった後に、再固定されることで記憶が強化されます。
2019/07/17 11:52