父・井手次郎~精強261空”虎部隊”サイパンに死すとも⑯・敗北の条件③~
六、敵の上陸後は、アスリート飛行場攻略の米陸軍は、多数の重戦車を先頭にし、それらは砲身の長い75ミリ砲と13ミリ機銃を搭載し、多量の砲弾を打ち込みながら進撃してきた。これらに対し日本陸軍は、全島内の50数両のうち、軽戦車(35ミリ砲、7.7ミリ機銃搭載)で対抗しなければならず、しかも数回の夜襲でその大半を失ってしまった。また日本軍の砲撃で各座、破壊された米軍戦車は、戦車牽引車によりすみやかに後方に退避、修理後再び戦列に復帰していた。七、敵の進行があまりにも急なため、アスリート飛行場を死守していたわが陸海軍部隊は、「あ号作戦終了」と同時に、飛行場を撤退したが、その際、隠蔽していた航空機、燃料、弾薬などを爆破することなく、これらは敵の手中に落ちたのだが、この点については、司令部より爆破、焼却の命令はなかった。八、戦...父・井手次郎~精強261空”虎部隊”サイパンに死すとも⑯・敗北の条件③~
2019/09/30 05:00