(2024年 日本)日本が世界に誇るコンテンツであるニンジャを地に足の着いた現代劇として蘇らせた、マーケティング的には百点満点なドラマ。ただし中身はなんだかピンボケしているし、血沸き肉躍るチャンチャンバラバラを期待する視聴者に対して、冗長す
新作・旧作両方の映画レビューをしています。記事内にはネタバレ部分の警告を入れているので、鑑賞前の方も安心してご覧になってください。
忍びの家_日本のMr.インクレディブル【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2024年 日本)日本が世界に誇るコンテンツであるニンジャを地に足の着いた現代劇として蘇らせた、マーケティング的には百点満点なドラマ。ただし中身はなんだかピンボケしているし、血沸き肉躍るチャンチャンバラバラを期待する視聴者に対して、冗長す
ジャック・リーチャー(シーズン2)_大幅パワーダウン【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)一気に品質低下したシーズン2。有言実行の男ジャック・リーチャーの魅力は薄まり、チームでドタバタ捜査する普通の探偵ものに成り下がってしまった感じ。アクションも雑だし、あらゆる点でシーズン1を下回ってしまった。 感想 リ
死刑にいたる病_殺人ジャムおじさんvsFラン大学生【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 日本)阿部サダヲが連続殺人犯に扮したサイコサスペンス。阿部サダヲの気持ち悪い演技には一見の価値があるものの、ミステリーとしての引きは弱く、捻りのあるストーリーも面白さにはつながっていない。 感想 基本的に日本のテレビドラマを見
マーベルズ_ヒーローこそが戦争の火種【3点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)
(2023年 アメリカ)強すぎて制限かけられまくりのヒーローの戦いは、終始盛り上がりに欠けた。テレビドラマが大いに関係した内容は観客を蚊帳の外に置きまくりで、最近のMCUの悪いところがドバっと出た失敗作に終わっている。 感想 劇場には行かず
SHE SAID/シー・セッド その名を暴け_真面目な社会派ドラマ【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 アメリカ)映画プロデューサー ハーヴェイ・ワインスタインによる性加害を、実に入念な取材から世に出し、#MeToo運動の大きなきっかけとなったニューヨークタイムズ記者たちの物語。興味深い題材で見る価値は確実にあるけど、真面目な作
ザ・クリエイター/創造者_自爆ロボの哀愁【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)ギャレス・エドワーズのセンス爆発のSFドラマで、リアルのロケーションとデジタルを組み合わせて作られた世界観には圧巻のものがあった。ただし脚本やドラマに粗すぎな点がいくつもあって、主人公の物語が思ったほど盛り上がらない
イン・ザ・ベッドルーム_退屈だけど素晴らしいドラマ【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2001年 アメリカ)一人息子を殺された初老夫婦が思い悩むドラマで、トッド・フィールドによる思慮深い構成と、実力派俳優によるハイレベルな演技で高い完成度を誇る作品となっている。ただし冗長で面白くないということが欠点で、もうちょっと観客の生
イニシェリン島の精霊_死闘!おっさんvsおっさん【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 アイルランド・イギリス・アメリカ)田舎町でのおっさんとおっさんの喧嘩というしょーもない話を通して、普遍的な人間関係を描いた深い深いドラマ。スローで面白くないということを除けば、かなり満足度が高い。 感想 2022年のアカデミー
TAR/ター_天才は良い人じゃなきゃいけないのか【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 アメリカ)ケイト・ブランシェットの演技力には一見の価値があるけど、説明を排した結果冗長になりすぎた語り口や、アカデミックで退屈な会話劇は個人的に合わなかった。現代のキャンセルカルチャーに対する深い洞察には感心したけど、主題の提
見えざる手のある風景_笑えない風刺映画【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)強者による弱者の経済的簒奪や文化の盗用などをテーマにした社会風刺映画だけど、風刺の部分が全面に出すぎていて、笑いに昇華されていないのが欠点。着眼点は悪くなかっただけに、もっと笑いのセンスのある監督に撮って欲しかった。
ノック 終末の訪問者_家族を殺さないと人類が滅びます【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)家族の命か人類の存亡かという究極の二択を突きつけられた家族を描く終末ドラマ。この突拍子もない設定を堂々とドラマに落とし込んだM・ナイト・シャマラン監督の抜群の演出力・構成力が光る。世評は振るわないようだが個人的には好
バグダッド・カフェ_前半ヒステリックすぎ、後半和みすぎ【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1987年 西ドイツ)高名なインディーズ作品ではあるけど、個人的にはイマイチだった。主人公の人となりが分からないのでドラマの立ち上がりが悪い一方、流れ始めるとトントン拍子にうまくいきすぎる展開も安っぽい。唯一、「あんたら仲良くなりすぎ」と
65_人間っぽい異星人vsエイリアンっぽい恐竜【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)アダム・ドライバーvs恐竜かと思いきや、どう見ても人間のアダム・ドライバーは異星人という設定だし、恐竜は一体何サウルスか分からない独特なデザインだし、全編に渡ってコレジャナイ感が凄かった。また少女を守りつつ移動すると
レベルムーン パート1 炎の子_劣化版ローグワン【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)ザック・スナイダーが20年も考えたとは思えないほど、まんま『スターウォーズ』なスペースオペラ。特に『ローグワン』(2016年)との類似性は顕著だったけど、ドラマでも見せ場でも『ローグワン』を越えられていないのが痛かっ
#マンホール_犯人の計画が杜撰すぎる【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 日本)マンホールに落ちて出られなくなったというソリッドシチュエーションスリラーで、短い上映時間もあって、見ている間はそれなりに楽しめる。ただし見終わった後に考えるといろいろ無理ありすぎで、素直に「良かった!」と言えないモヤモヤ
KAPPEI カッペイ_推しの熱愛を祝福すべきか【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
終末を迎えなかった世で「終末の戦士たち」が悩み苦しむ様を描いたコメディで、冒頭30分は面白かったんだけど、同じ笑いをひたすら繰り返すのみなので、途中からは完全に飽きた。本来は90分でやるべき内容を120分近くにまで引き延ばしたことが敗因だと
ジャンヌ・ダルク(1999年)_聖女は電波系【8点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1999年 フランス・アメリカ)フランスの聖女を狂人として描いた大怪作。「神が『戦争しろ』なんてお告げを与えるわけがない」という当然のことを空前の規模で描き上げた意義深い作品でもあり、国際情勢が荒れている今こそ再評価すべきだと思う。 感想
SPACE BATTLESHIP ヤマト_キムタクが気の毒【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2010年 日本)おおむね不評のキムタク版ヤマトだけど、よくよく見てみると悪いのはキムタクではなく、キャラ設定がいい加減な脚本にあったと言える。見せ場も海外ドラマからのパクリが多く、いろいろと問題の多い作品だと思う。 感想 SFなのに昭和
ナポレオン(2023年)_美しく壮大で退屈な歴史スペクタクル【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ・イギリス)史劇王リドリー・スコットの面目躍如でビジュアルの出来は素晴らしく、戦闘シーンはド迫力だった。ただし世界史上における最重要人物の人生を描くのに3時間弱では明らかに時間不足で、ドラマに感情移入はできなかった。別
あるスキャンダルの覚え書き_粘着おばさんの恐怖【8点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2006年 イギリス)女教師が教え子と不倫したらえらいことになったという実話を元にしたドラマ。不倫教師の弱みを握ったことで私生活にズケズケと踏み込んでくる粘着おばさんが、未成年淫行なんてどうでもよくなるほど怖い。 感想 美人過ぎる性犯罪者
非常宣言_後半で失速する【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 韓国)航空パニック×バイオテロというサスペンスアクションの合い掛け状態で、前半の勢いには、それはそれは物凄いものがあったけど、ド演歌になる後半で映画ごと失速した。 感想 アマプラで配信されていたのを偶然見つけて鑑賞。 全然知ら
バビロン_サイレント時代の「ブギーナイツ」【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 アメリカ)デイミアン・チャゼル監督の濃厚演出のおかげで3時間はあっという間だったし、印象に残る場面もあった。ただし主人公であるマニーのキャラが異様に薄いのと、後半に向けて無茶な展開が増えてくるのとで、全体としてはまぁまぁといっ
ゴジラ-1.0_ドラマがかったる過ぎ【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 日本)市井の人々にスポットを当てたゴジラという、ありそうでなかったアプローチは新鮮だったものの、日本映画特有の展開のもっさり感や、俳優たちのねちっこい演技のせいで、上映時間以上に退屈させられた。 感想 初日にIMAXにて鑑賞。
推しの子_普段アニメを見ない中年の感想【9点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 日本)驚異の構成力と洞察力で紡がれる超ド級のアニメ。こんなに面白い作品を作れる人が本当にこの世にいるのだろうかと思うほど面白かった。 感想 期待していなかったら激しく面白かった このブログを見ていただければお分かりの通り、基本
フェイブルマンズ_お母さんのゲス不倫【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 アメリカ)スピルバーグの自伝的作品だけど、本人が製作したがゆえか散漫なエピソードの積み重ねとなっており、他人から見てさして面白い映画ではない。途中からはお母さんのゲス不倫を中心に置き始めて、余計に何の映画だか分からなくなるし。
次元大介(2023年)_かなりイタイ出来【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 日本)アニメ『ルパン3世』の人気キャラ 次元大介のスピンオフ&実写化企画だけど、世界観やキャラ造詣が中途半端なために、かなりイタイ出来になっている。肝心の銃撃戦もイマイチだし、全方位的に芳しくない。 感想 アマプラがス
ノーウェア 漂流_母は強し【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 スペイン)密航者の隠れたコンテナが海に流されるというサバイバルスリラー。サバイバル劇としては一貫性がなく、ランダムなアイデアの積み重ねという印象も受けたが、主人公の成長譚としてみるとなかなか面白かった。 感想 Netflixで
Fair Play/フェアプレー_男って厄介な生き物【8点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)職場恋愛しているカップルのうち、女性の方が出世したもんだから関係性がどんどんおかしくなっていくという大人のドラマ。プライドをこじらせて勝手に堕ちていく男性側が愚かなんだけど、自分にもこういう面がないとも言い切れない怖
イコライザーTHE FINAL_現代のマカロニウェスタン【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)アクションの量こそ少ないが、キレ味とゴア描写が強烈なインパクトだし、忍従を重ねた末の猛反撃という抜群のタイミングには監督と主演の円熟を感じた。 感想 仕事が休みになったので平日の昼間っから映画館に行けた。時間帯もあっ
レプタイル-蜥蜴-_テンプレ通りのクライムサスペンス【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)ある殺人事件を捜査していると思いもよらぬ事実が浮かび上がってくるという、クライムサスペンスとしてはド定番のお話。主演のベニチオ・デル・トロは激シブだし、テンプル通りの脚本なのでつまらなくはないけど、テンプレ通りゆえに
渇水_児童相談所に通報しろよ【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年日本)地方都市の水道局員を主人公にした異色のドラマで、主演の生田斗真は名演を見せる。ただし社会派っぽいのにリアリティの醸成には失敗していて、後半にかけて「んなことあるか」の連続になるので、ドラマとしての完成度は低い。感想芥川賞候
グランツーリスモ_王道スポーツ映画【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年アメリカ)レーシングゲームのハイスコア者を本物のレーサーにするという嘘のような実話の映画化だが、脚本や演出は良い意味で王道に徹しており、スポーツ映画の良さを思いっきり楽しめる良作だった。感想公開初日である9月15日に見に行ったん
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス_長尺が厳しかった【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年アメリカ)ダイバーシティの時流の中で評価されただけの凡作。ギャグはつまらないし、ぐるぐると同じことを繰り返すだけで物語は進んでいかないし、長尺がキツくて仕方なかった。感想ネットフリックスで配信されていたのを鑑賞。アカデミー賞7部
TIME/タイム_SF版ボニー&クライド【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2011年アメリカ)「時間=金」をカリカチュアした基本設定部分は素晴らしいのだけれど、そこからどう話を発展させるのかに行き詰まり、最終的にはチマチマと銀行強盗をして時間=金を奪うという中途半端な着地をする。滅茶苦茶に酷いわけではないが、か
ケロッグ博士_健康のためなら死んでもいい【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1994年アメリカ)盲目的な疑似科学の崇拝や、過度の健康オタクを皮肉った製作意図には感銘を受けたし、時代劇として素晴らしい部分もあったが、ブラックコメディなのに笑えないという点が致命的だった。社会派アラン・パーカーは慣れないコメディに手を
君たちはまだ長いトンネルの中_主張が偏りすぎ【3点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年日本)高校生を主人公にした経済啓蒙映画というコンセプトは素晴らしいのだけど、主張があまりに偏りすぎていて、そもそも同じ考え方の人にしか通じない内容となっている。主演の子は可愛いが厭味ったらしい喋り方のせいで魅力台無しだし、いろい
デップvsハード_極度の偏見に基づくドキュメンタリー【1点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年イギリス)ジョニー・デップとアンバー・ハードの泥沼離婚劇を題材にした全3話のドキュメンタリーだけど、裁判の模様を編集しただけで、新しい情報や分析が出てくるわけでもない相当ポンコツな作り。しかも作り手は明らかにハード寄りでかなり内
パラダイス-人生の値段-_着想だけは良かった【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年ドイツ)余命が取引される社会で破産したカップルが辿る地獄という着想こそ良かったけど、そのネタをどう発展させていくべきかのビジョンはなかったようで、行き当たりばったりの誘拐計画というどうでもいい本筋に突入していく。冒頭20分だけは
ハート・オブ・ストーン_スパイ版シャッフル同盟【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年アメリカ)我らがガル・ガドットがスーパースパイを演じた、シリーズ化する気満々のスパイアクションだが、見せ場がやりすぎの遥か上を行っており、もはや生身の人間が戦っているという感覚が残っていないので、まったく手に汗握らなかった。感想
ゾン100実写版_序盤以外つまらない【3点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 日本)ゾンビ映画だけど怖くないし、コメディを標榜する割に笑える箇所が少ないし、社会風刺も利いていない。アニメとのメディアミックスというタイミングにこだわるあまり、映画としての煮詰め方が甘かったとしか言いようがない。感想最近、『
プロジェクトX トラクション_どうしたジャッキー【4点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)
(2023年 中国・アメリカ)5年間もお蔵入りの末にNetflixで公開された不遇のジャッキー映画だが、この扱いにも納得できるほど映画の出来が悪すぎる。そこはかとなく漂う中国共産党のプロパガンダ臭に、あってないようなドラマ要素、そしてジャッ
ウィッチャー(シーズン3 vol.2)_ついに戦争勃発【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)ついに戦争がはじまり、魔法協会、レダニア、ニルフガードの三つ巴の戦いが繰り広げられる第22話は圧巻だった。以前の21話は、すべてこのエピソードのための前振りだったんじゃないか。そう思わせるほどの密度と面白さで、このシ
ウィッチャー(シーズン3 vol.1)_トラウマ級の怪物出現【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)前シーズンをすっかり忘れた頃に配信開始されたシーズン3で、最初はさっぱり話が分からなかった。複雑な陰謀劇は相変わらずで、その中心人物であるシリの能力が何なのかが分からないまま勝手に盛り上がってる感もあったのだが、その
ダークシティ_魅惑のSFノワール【10点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1998年 アメリカ)発想・構成・演技のすべてが高いレベルで仕上がった傑作SF。犯罪ノワールから始まった物語が天地創造にまで至るという凄まじい風呂敷の広げ方と、それを100分程度でやり切った超絶怒涛のテンポには唸らされまくりだった。オチの
ワイルドバンチ_初老が大暴れ【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1969年 アメリカ)時代に取り残された初老のアウトローたちが何とか生き延びようと七転八倒した末に、自らの選択で華々しく散るという骨太の西部劇。状況に流されているようで、節目節目では自分たちで判断しているワイルドバンチがカッコ良すぎる。作
ヴィレッジ(2023年)_田舎である必然性がない【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 日本)日本の村社会の閉鎖性を軸にしたサスペンスかと思いきや、かつてやむにやまれず行ったことが、社会的成功後に返ってくるという、よくある寓話だった。ヴィレッジというタイトルの割に村そのものの存在感は薄く、都会でも成立するような話
機動戦士ガンダム 水星の魔女_新しくて懐かしいガンダム【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 日本)5年ぶりのガンダムテレビシリーズは、女性主人公や同性愛要素など新しい試みが目白押しの一方で、『新機動戦記ガンダムX』や『新世紀エヴァンゲリオン』といった懐かしのアニメの影響も色濃く反映されており、新しくて懐かしい独特の味
ザ・バニシング-消失-_冷静な狂人vs狂った一般人【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1988年 オランダ)旅先で人が居なくなるというサスペンスの定番を、意外性の連続でどんどん覆していくという驚異の構成にのけぞった。犯人側の異常性もさることながら、悲劇の主人公とは言えないほど逸脱した彼氏の弾けっぷりも見事なものであり、底意
ザ・フラッシュ(2023年)_マルチバースの正しい使い方【9点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)高い前評判を上回るほどの面白さだった。スリルと笑いと涙の組み合わせ方は抜群で「これぞコミック映画!」と言う感じだし、マルチバース設定を活かして思わぬキャラを復活させられるものだから、中年ファンは歓喜の涙を流す。30年
前回は能力も意欲も低い部下への対処法を書き、PVはさほど伸びなかったが、懲りずに続きを書いてみる。今回はダメ上司の特徴である。組織内での影響力が大きい分、ダメな部下よりもダメ上司の方が問題は深刻である。部下から好かれようとしている最近の若者
アーノルド(ドキュメンタリー)_体も器も大きな男シュワルツェネッガー【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)我らがアーノルド・シュワルツェネッガーの人生を追うドキュメンタリー。題材が良すぎるので面白いのは面白いけど、彼のファンなら既知の情報も多く、サプライズは少なかった。また俳優業や出演作品への言及が少なすぎて期待からやや
レジェンド&バタフライ_もっと濃姫を映して【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 日本)信長伝を濃姫目線で描くというコンセプトはいいけど、結局は信長=キムタク偏重になってしまい、せかっくのコンセプトが台無しになっている。また日本映画特有のクセか、くどくどと長ったらしく説明されるドラマも問題だった。感想Ama
インセプション_ディカプリオが意外とポンコツ【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2010年 アメリカ)話は分かりづらいし、説明は不親切なんだけど、見せ場は圧巻の一言であり、一大アクション作品として楽しめた。よくよく考えるとディカプリオ扮する主人公コブの準備不足が混乱の原因ではあるが、そもそもが分かりづらい話なのでそう
【雑談】意識低い系部下をどう扱うべきか(ハラスメントと言われないように)
はたらきアリのうち8割は仕事をしていないという話もある通り、組織には生産性の高い者と低い者が併存している。ただし人間はアリほど機械的ではなく、生産性の低い者を何とかマシにしなければならない時がある。これが本当に大変なので、私の経験を基に対処
金なら返せん!_笑いどころがない【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1994年 日本)江頭2:50が普通の演技をしている珍しい作品なのだが、それ以外に見どころもないので、よほど時間を持て余した際にだけ鑑賞されることをお勧めする。90年代って、こういう誰得なVシネが量産されたおおらかな時代だった。感想Ama
ザ・マザー:母という名の暗殺者_黙ってろ、娘【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)元殺人マシーンの母親が娘を守るため鬼になるというジェニロペ版コマンドー。ジェニロペのアクションは素晴らしいが、今は緊急事態の真っただ中であるということを弁えない娘がひたすら面倒くさかった。感想Netflixでの配信開
TENET テネット_ちっちゃい事は気にするな【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2020年 アメリカ)ノーラン作品でも最強クラスの難解作品だが、骨子の部分はシンプルなので、細かいことを気にせずザックリと捉えるという鑑賞スタイルが最も正しいのだろう。何も考えずに見ればド派手なアクションにも夢中になれる。感想難解映画だが
AKA_ゴリマッチョのスケバン刑事【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 フランス)殺人マシーンが子供との関係性で変わっていくというありがちな暴力映画だが、主人公のキャラ造形が良いので他作品との差別化はできている。この主人公の立ち回りもバイオレントで最高なんだけど、話を作りこみすぎで盛り上がっていか
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー_究極のファンムービー【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)ゲームの映画化作品としては完璧ではないかと思うが、あまりに完璧であるがゆえに「これを映画でやる意味って何なんだろう」という疑問もわいてくる。スーパーマリオというゲーム界最大のスターでこそ成立しているが、他のキャラで同
質屋_後半の構成が神がかっている【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1964年 アメリカ)ハリウッドが初めて生存者の視点からホロコーストを扱った映画。無口な親父の陰鬱な日常生活がひたすら映し出される前半1時間には退屈したが、後半の構成は神がかっていた。作品解説ハリウッドの初めてが詰まった実験的作品エドワー
ナイト・エージェント_納得感の薄いポリティカルスリラー【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)ネットフリックスで話題のドラマだけど、個人的には今一つだった。前半のミステリーは勿体ぶりすぎで、第7話でようやく加速するという立ち上がりの悪さ。また中心にある陰謀がかなり強引で、「目的達成のためにそこまでやる?」と言
シンプル・プラン_骨折り損のくたびれもうけ【9点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1998年 アメリカ)たまたま拾った大金を我が物にしたければ、しばらく何もせず黙っておけ。そんな簡単な計画すら遂行できずドツボにハマっていく人々の姿を通して、人生の真理の一端を正確に切り取った残酷なおとぎ話。知名度は今一つだが、物凄く面白
ワールド・オブ・ライズ_リドリーのアメリカ批判【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2008年 アメリカ)ポリティカル・アクションとしては盛り上がりに欠けるので、直感的に面白い映画ではない。ただしアメリカの工作活動の失敗について驚くほどつっこんだ分析がなされているし、オチの付け方も秀逸なので、見るべき価値はある。感想面白
マネーショット Pornhubは語る_正義こそ凶器【8点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 アメリカ)世界最大のポルノ動画サイトが社会的追及を受けた顛末を追ったドキュメンタリーだが、真面目かつ合法的に働いているポルノ業界人が食い扶持を奪われる一方、正義をかたる側の弁護士や市民運動家の背後には何やらきな臭い団体が存在し
ゴースト・オブ・ミシシッピー_ただの生真面目映画【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1996年 アメリカ)人種問題を扱ったザ・良識派な作風で、作りもいたって生真面目。題材の良さもあってそれなりに楽しめるが、それ以上の作品にもなっていない。感想劇場未公開・未ディスク化作品ロス暴動の影響か、90年代は人種問題に触れた映画が多
PLAN 75_どうせえっちゅーねん【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 日本)現実社会の延長線上に感じられる世界観や倍賞千恵子の演技など、見るべきものは確かにある。ただしただ「可哀そう」で終わっており、「で、どうすればいいのか」という思案をさせる内容になっていない。感想現実社会の延長線上にあるリア
シン・仮面ライダー_この映画には背景がない【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 日本)ショッカーや仮面ライダーの設定、主演3人の熱演など、見るべきものは確かにある。ただし軸となるストーリーがないため展開に大きな流れを生み出せていないし、異常にレベルの低いCGは見る側のテンションを下げる原因となっている。感
ブラッド・ダイヤモンド_アクション俳優ディカプリオ【8点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)
(2006年 アメリカ)社会派の題材を娯楽アクションとして見せたエドワード・ズウィックの真骨頂的作品。構成の抜群のうまさ、見せ場の迫真性に加え、主演のディカプリオの意外なハードボイルドさもあって、全方位的に良くできている。感想社会問題と娯楽
セルピコ_題材は良いけどやや単調【6点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)
(1973年 アメリカ・イタリア)言わずと知れた社会派ドラマの名作だが、個人的には今一つに感じた。セルピコの最初の彼女のような明らかに無駄な構成要素があるし、告発するする詐欺を働いた一番悪い奴らには迫り切れていない。作品解説実話に基づく社会
ちひろさん_ちひろ=お釈迦様【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2023年 日本)人気コミックのNetflix製実写版。基本、いい話ではあるんだけど、起伏に欠けるので面白いわけでもなかったり、有村架純の演技は良いんだけど、本当に主人公に合っているのかと考えると疑問符がついたりで、ちひろさん同様に掴みど
シンクロニック_前半グロテスク後半ハラハラ【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2019年 アメリカ)抜群のアイデアと構成力に支えられたSF映画の拾いもの。物理法則を無視しすぎた滅茶苦茶な話ではあるんだけど、演出や演技の雰囲気が良くて、見ている間は特に気にならない。感想前半はグロい、薄気味悪いAmazonプライムに上
ノイズ(2022年)_ゆるゆるのクライムサスペンス【3点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 日本)田舎社会の独特な雰囲気の描写に失敗している上に、クライムサスペンスとしてもゆるゆるで、良い部分がほとんどない。この程度の企画に、よくぞここまで有名俳優を揃えられたものだ。感想田舎の怖さが全然足りていないディズニープラスの
レッド・ブレイク_ダイ・ハード×コマンドー×リーサル・ウェポン÷1億【2点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2021年 アメリカ)80年代アクションを21世紀のポリコレでコーティングしたような映画だが、企画倒れもいいところで何一つ面白くない。こんなにくだらない映画は本当に久しぶりだった。感想出張中のホテルで暇つぶしに見た映画②前回記事『クリーン
クリーン ある殺し屋の献身_舐めてた清掃員が凄腕の殺し屋だった【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2021年 アメリカ)オスカー俳優エイドリアン・ブロディがひたすら苦虫を嚙み潰したような顔をしているバイオレンスドラマで、何も起こらない前半部分はしんどかったんだけど、後半のカチコミで盛り返す。期待して見るような映画ではないが、暇つぶしに
ガンニバル_岡山は日本のテキサスだ【8点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)
(2022年 日本)日本にこんな面白いドラマがあるのかと思うほど面白かった。田舎のジトっとした雰囲気、主人公を雁字搦めにする人間関係、胸糞の悪い事件と、不快度数は極めて高いのだけど、その不快感がエンタメの領域にまで昇華されていて、全7話をあ
ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー_長くて支離滅裂、MCU最低作品【2点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 アメリカ)前作も個人的にはハマらなかったが、本作は輪をかけてつまらなかった。内容のわりに長すぎるし、登場人物たちの行動の筋が通ってなさすぎ。質低下が指摘されて久しいMCUだが、私の中では最低作は本作となった。※注意!文句ばかり
ザ・ボディガード(2017年)_殺し屋はごりごりのヤク中【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2017年 アメリカ・スペイン・ドイツ)B級映画かと思いきや、かつてハリウッドの第一線で活躍していたメンバーが集合した作品なので、作りはかなり堅牢だった。迫力のある見せ場や意外性のある物語でなかなか楽しませてくれるし、上映時間はコンパクト
西部戦線異状なし(2022年)_兵士一人一人が選択した運命【8点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 ドイツ)往年の名作のリメイクだが、戦争での被害を訴えたオリジナルとは打って変わり、兵士達もまた状況の一部であり、ある面では加害者でもあることを描いた点が現代的だった。100年前の戦争を描きつつも、21世紀仕様にアップデートされ
人間の値打ち_抜群の構成力で描かれる群像劇【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2013年 イタリア・フランス)イタリア・アカデミー賞7部門受賞作だけあって、構成が実に見事な作品だった。3人の主人公が織りなす群像劇には侘しさが充満しており、人間のどうしようもなさが描かれた良作だった。感想抜群の構成力で描かれる群像劇ア
銀河英雄伝説_あまりの面白さにぶったまげた【8点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)
(1988-2000年 日本)SFエンタメの皮を被りながらも、国家論や元首論をかなり真剣に描いた含蓄あるアニメ。長編3作、本伝110話、外伝52話という大ボリュームも何のその、あまりの面白さに気づけば全部見終わっていた。作品解説銀河英雄伝説
青春の殺人者_悪い意味で時代を感じる【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1976年 日本)Amazonプライムで何となく見たのですが、当時流行っていた前衛的なスタイルを現在の目で見るとダサく感じました。経済的に充たされることの空虚さみたいなメッセージも、本当の不況を経験した世代にとっては「だから何?」という感
ホーム・フォー・ザ・ホリデイ_良くも悪くも優等生的【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1995年 アメリカ)ジョディ・フォスター監督第2作目。家族問題を丁寧にドラマ化した作品であり、豪華キャストも含めて見所は多いのですが、監督がコメディに向いていないこともあって弾けきれていませんでした。良くも悪くも優等生的な映画。作品解説
スティルウォーター_保守親父でも変われる【7点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)
(2021年 アメリカ)表面的には娘を助けるために奮闘する親父を描いたコマンドー的な作品なんだけど、その実体はアメリカの保守親父が海外でマイノリティの立場となり、否応なく多様性を身に着けていくという社会派ドラマだった。面白いのでオススメ。感
アメリカン・アニマルズ_若気の至りで人生詰む【7点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2018年 アメリカ)現実に起こった絵画盗難事件の映画化なのですが、単に犯行の様子を作劇で再現するのみならず、事件当事者のインタビューを挟むことでより事実に肉薄させた構成が優れています。コミカルに始まった話がどんどん深刻になっていき、最後
ジョーンの秘密_面白い実話をつまらなく映画化【4点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)
(2019年 イギリス)"M"ことジュディ・デンチがMI5に逮捕される元スパイ役という変わったドラマなのですが、スパイの苦悩も、彼女が国家に反逆していたことを知った家族のドラマも不完全燃焼を起こしており、上映時間が短いこ
ガルヴェストン_暗く打ちのめされるような犯罪ドラマ【8点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2018年 アメリカ)中年ヤクザが現場で偶然出会った若い娼婦を連れて逃亡するという犯罪映画としてはありがちな概要なのですが、テキサスという土地のいかがわしさを背景にしたヘビー級のドラマと、王道からどんどん外れていくストーリーに目が釘付けに
夜に生きる_2時間で描くには無理がある【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2016年 アメリカ)長大な物語を短くまとめすぎて何の感慨も抱けない内容になっています。人種問題や宗教と社会など、アメリカ社会を総括するような興味深いテーマが打ち出されているだけに、個別要素がアッサリ済まされていることは残念でした。作品解
キラー・サリー:ボディビルダー殺人の深層_リアル羅生門【8点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 アメリカ)ボディビルダー夫婦の妻が夫を殺したというセンセーショナルな事件を取材した全3話のドキュメンタリー。告発する側、される側、双方の視点から事件の真相を明らかにしており、一気見するほど面白かった。感想実際の殺人事件を追跡し
オーガズム瞑想:ワンテイスト社の実態_うらやまけしからん不祥事【6点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)
(2022年 アメリカ)ヘタなエロ映画のようなタイトルだけど、内容は現実に起こった企業不祥事を取材したドキュメンタリー。事件の異様さから内容への興味は持続する反面、元関係者の証言をまとめただけの構成に物足りなさを覚えた。感想ワンテイスト社と
地獄の黙示録_つまらんのに見てしまう映画【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(1979年 アメリカ)個人的には名作の皮を被ったポンコツ映画だと思っているのだが、メディアが出るたびに買ってしまうし、つまらないと分かっているのに何度も見てしまうという、不思議な魅力を持った映画でもある。自分でもこの映画が好きなのか嫌いな
仮面ライダーBLACK SUN_最終話で台無し【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 日本)怪人が存在する近現代史を壮絶なボリュームと密度で描く日本版『ウォッチメン』。だけど監督の個人的な主張が出過ぎた最終話で一気にコケた。9話までの温度感なら日本特撮史に残る大傑作になりえたのに、残念。感想BLACKは特別な仮
震える舌_伝説の闘病ホラー【6点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)
(1980年 日本)日本映画史に残るトラウマ作品であり、破傷風患者に扮する子役は一世一代の演技を見せます。おどろおどろしい演出も恐怖感を倍増させるのですが、話らしい話がないことが問題でした。治療の過程を起伏を持って描く内容にすれば見違えるほ
21ブリッジ_面白いけどいろいろ足りない【6点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2019年 アメリカ)マンハッタン封鎖という舞台設定が生かされていなかったり、冒頭で「正義とは」というテーマを打ち出しながら議論が深まらなかったりと、いろいろと不足した映画でした。面白いのは面白いんですけどね。感想タイトなクライムアクショ
ダーマー_猟奇事件に短絡的な答えはない【8点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 アメリカ)実在の連続殺人犯をテーマにしたリミテッドシリーズだが、結論を一つに絞り込むのではなく、可能な限り多面的な分析を試みている点が好印象だった。連続ドラマの特性を生かし切った良作。感想ネトフリ久々の収穫1970年代から90
26世紀青年_バカ賢い傑作コメディ【10点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2005年 アメリカ)死ぬほど笑える下ネタと高度な批評性が一体化した傑作で、もしかしたらすべてのコメディ映画の中でも一番好きかもしれない。バカばっかりになった26世紀を舞台としたSFでありつつも、現代社会の問題点を鋭く抉る内容であり、ラス
(2022年 アメリカ)マリリン・モンローの波乱万丈の人生を、きわめて退屈に描いた失敗作。芸術性に配慮して製作には口出ししないというネットフリックスの方針が悪い方に転んでいる。感想退屈極まりない伝記映画絶好調のアナ・デ・アルマスがマリリン・
キャシアン・アンドー_宇宙のスパイゲーム【8点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 アメリカ)1~3話までを一気に見たが、期待以上に良かった。名も無き者の戦い、組織の駒同士の殺し合いという『ローグワン』のテーマを継承・発展できており、実に興味深い内容となっている。作りに不親切な部分があるので子供にはちと厳しい
あの頃。_ハロプロ知識がないと厳しい【4点/10点満点中】(ネタバレなし・感想・解説)
(2021年 日本)ハロプロに詳しい人だと一つ一つの会話を楽しめるのでしょうが、そうではない人にとっては特に感じることのない内容で、これで2時間弱は厳しかったです。アイドルオタクに限定せず何かしらにハマったことのある人なら思い当たる内容にま
コブラ会(シーズン5)_シリーズ最低のつまらなさ【5点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説)
(2022年 アメリカ)『コブラ会』は大好きなシリーズなんだけど、今回はダメだった。コブラ会の道場拡大というビジネス面での摩擦が中心で空手の話ではなくなったし、リアリティの線引きも狂っている。「さっさと警察呼べよ」と何度思ったことか。感想空
ソー:ラブ&サンダー_子供に戦わせちゃダメ【5点/10点満点中】
(2022年 アメリカ)「戦いよりも愛が大事」という主たるメッセージに対して、劇中で主人公たちが真逆のことをするという理解に苦しむ話になっている。戦いの不毛さを知って死んだ父を持つ子を戦士に育ててはいけないと思う。作品解説評価は微妙、興行成
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(2024年 日本)日本が世界に誇るコンテンツであるニンジャを地に足の着いた現代劇として蘇らせた、マーケティング的には百点満点なドラマ。ただし中身はなんだかピンボケしているし、血沸き肉躍るチャンチャンバラバラを期待する視聴者に対して、冗長す
(2023年 アメリカ)一気に品質低下したシーズン2。有言実行の男ジャック・リーチャーの魅力は薄まり、チームでドタバタ捜査する普通の探偵ものに成り下がってしまった感じ。アクションも雑だし、あらゆる点でシーズン1を下回ってしまった。 感想 リ
(2022年 日本)阿部サダヲが連続殺人犯に扮したサイコサスペンス。阿部サダヲの気持ち悪い演技には一見の価値があるものの、ミステリーとしての引きは弱く、捻りのあるストーリーも面白さにはつながっていない。 感想 基本的に日本のテレビドラマを見
(2023年 アメリカ)強すぎて制限かけられまくりのヒーローの戦いは、終始盛り上がりに欠けた。テレビドラマが大いに関係した内容は観客を蚊帳の外に置きまくりで、最近のMCUの悪いところがドバっと出た失敗作に終わっている。 感想 劇場には行かず
(2022年 アメリカ)映画プロデューサー ハーヴェイ・ワインスタインによる性加害を、実に入念な取材から世に出し、#MeToo運動の大きなきっかけとなったニューヨークタイムズ記者たちの物語。興味深い題材で見る価値は確実にあるけど、真面目な作
(2023年 アメリカ)ギャレス・エドワーズのセンス爆発のSFドラマで、リアルのロケーションとデジタルを組み合わせて作られた世界観には圧巻のものがあった。ただし脚本やドラマに粗すぎな点がいくつもあって、主人公の物語が思ったほど盛り上がらない
(2001年 アメリカ)一人息子を殺された初老夫婦が思い悩むドラマで、トッド・フィールドによる思慮深い構成と、実力派俳優によるハイレベルな演技で高い完成度を誇る作品となっている。ただし冗長で面白くないということが欠点で、もうちょっと観客の生
(2022年 アイルランド・イギリス・アメリカ)田舎町でのおっさんとおっさんの喧嘩というしょーもない話を通して、普遍的な人間関係を描いた深い深いドラマ。スローで面白くないということを除けば、かなり満足度が高い。 感想 2022年のアカデミー
(2022年 アメリカ)ケイト・ブランシェットの演技力には一見の価値があるけど、説明を排した結果冗長になりすぎた語り口や、アカデミックで退屈な会話劇は個人的に合わなかった。現代のキャンセルカルチャーに対する深い洞察には感心したけど、主題の提
(2023年 アメリカ)強者による弱者の経済的簒奪や文化の盗用などをテーマにした社会風刺映画だけど、風刺の部分が全面に出すぎていて、笑いに昇華されていないのが欠点。着眼点は悪くなかっただけに、もっと笑いのセンスのある監督に撮って欲しかった。
(2023年 アメリカ)家族の命か人類の存亡かという究極の二択を突きつけられた家族を描く終末ドラマ。この突拍子もない設定を堂々とドラマに落とし込んだM・ナイト・シャマラン監督の抜群の演出力・構成力が光る。世評は振るわないようだが個人的には好
(1987年 西ドイツ)高名なインディーズ作品ではあるけど、個人的にはイマイチだった。主人公の人となりが分からないのでドラマの立ち上がりが悪い一方、流れ始めるとトントン拍子にうまくいきすぎる展開も安っぽい。唯一、「あんたら仲良くなりすぎ」と
(2023年 アメリカ)アダム・ドライバーvs恐竜かと思いきや、どう見ても人間のアダム・ドライバーは異星人という設定だし、恐竜は一体何サウルスか分からない独特なデザインだし、全編に渡ってコレジャナイ感が凄かった。また少女を守りつつ移動すると
(2023年 アメリカ)ザック・スナイダーが20年も考えたとは思えないほど、まんま『スターウォーズ』なスペースオペラ。特に『ローグワン』(2016年)との類似性は顕著だったけど、ドラマでも見せ場でも『ローグワン』を越えられていないのが痛かっ
(2023年 日本)マンホールに落ちて出られなくなったというソリッドシチュエーションスリラーで、短い上映時間もあって、見ている間はそれなりに楽しめる。ただし見終わった後に考えるといろいろ無理ありすぎで、素直に「良かった!」と言えないモヤモヤ
終末を迎えなかった世で「終末の戦士たち」が悩み苦しむ様を描いたコメディで、冒頭30分は面白かったんだけど、同じ笑いをひたすら繰り返すのみなので、途中からは完全に飽きた。本来は90分でやるべき内容を120分近くにまで引き延ばしたことが敗因だと
(1999年 フランス・アメリカ)フランスの聖女を狂人として描いた大怪作。「神が『戦争しろ』なんてお告げを与えるわけがない」という当然のことを空前の規模で描き上げた意義深い作品でもあり、国際情勢が荒れている今こそ再評価すべきだと思う。 感想
(2010年 日本)おおむね不評のキムタク版ヤマトだけど、よくよく見てみると悪いのはキムタクではなく、キャラ設定がいい加減な脚本にあったと言える。見せ場も海外ドラマからのパクリが多く、いろいろと問題の多い作品だと思う。 感想 SFなのに昭和
(2023年 アメリカ・イギリス)史劇王リドリー・スコットの面目躍如でビジュアルの出来は素晴らしく、戦闘シーンはド迫力だった。ただし世界史上における最重要人物の人生を描くのに3時間弱では明らかに時間不足で、ドラマに感情移入はできなかった。別
(2006年 イギリス)女教師が教え子と不倫したらえらいことになったという実話を元にしたドラマ。不倫教師の弱みを握ったことで私生活にズケズケと踏み込んでくる粘着おばさんが、未成年淫行なんてどうでもよくなるほど怖い。 感想 美人過ぎる性犯罪者
(2023年 日本)ショッカーや仮面ライダーの設定、主演3人の熱演など、見るべきものは確かにある。ただし軸となるストーリーがないため展開に大きな流れを生み出せていないし、異常にレベルの低いCGは見る側のテンションを下げる原因となっている。感
(2006年 アメリカ)社会派の題材を娯楽アクションとして見せたエドワード・ズウィックの真骨頂的作品。構成の抜群のうまさ、見せ場の迫真性に加え、主演のディカプリオの意外なハードボイルドさもあって、全方位的に良くできている。感想社会問題と娯楽
(1973年 アメリカ・イタリア)言わずと知れた社会派ドラマの名作だが、個人的には今一つに感じた。セルピコの最初の彼女のような明らかに無駄な構成要素があるし、告発するする詐欺を働いた一番悪い奴らには迫り切れていない。作品解説実話に基づく社会
(2023年 日本)人気コミックのNetflix製実写版。基本、いい話ではあるんだけど、起伏に欠けるので面白いわけでもなかったり、有村架純の演技は良いんだけど、本当に主人公に合っているのかと考えると疑問符がついたりで、ちひろさん同様に掴みど
(2019年 アメリカ)抜群のアイデアと構成力に支えられたSF映画の拾いもの。物理法則を無視しすぎた滅茶苦茶な話ではあるんだけど、演出や演技の雰囲気が良くて、見ている間は特に気にならない。感想前半はグロい、薄気味悪いAmazonプライムに上
(2022年 日本)田舎社会の独特な雰囲気の描写に失敗している上に、クライムサスペンスとしてもゆるゆるで、良い部分がほとんどない。この程度の企画に、よくぞここまで有名俳優を揃えられたものだ。感想田舎の怖さが全然足りていないディズニープラスの
(2021年 アメリカ)80年代アクションを21世紀のポリコレでコーティングしたような映画だが、企画倒れもいいところで何一つ面白くない。こんなにくだらない映画は本当に久しぶりだった。感想出張中のホテルで暇つぶしに見た映画②前回記事『クリーン
(2021年 アメリカ)オスカー俳優エイドリアン・ブロディがひたすら苦虫を嚙み潰したような顔をしているバイオレンスドラマで、何も起こらない前半部分はしんどかったんだけど、後半のカチコミで盛り返す。期待して見るような映画ではないが、暇つぶしに
(2022年 日本)日本にこんな面白いドラマがあるのかと思うほど面白かった。田舎のジトっとした雰囲気、主人公を雁字搦めにする人間関係、胸糞の悪い事件と、不快度数は極めて高いのだけど、その不快感がエンタメの領域にまで昇華されていて、全7話をあ
(2022年 アメリカ)前作も個人的にはハマらなかったが、本作は輪をかけてつまらなかった。内容のわりに長すぎるし、登場人物たちの行動の筋が通ってなさすぎ。質低下が指摘されて久しいMCUだが、私の中では最低作は本作となった。※注意!文句ばかり
(2017年 アメリカ・スペイン・ドイツ)B級映画かと思いきや、かつてハリウッドの第一線で活躍していたメンバーが集合した作品なので、作りはかなり堅牢だった。迫力のある見せ場や意外性のある物語でなかなか楽しませてくれるし、上映時間はコンパクト
(2022年 ドイツ)往年の名作のリメイクだが、戦争での被害を訴えたオリジナルとは打って変わり、兵士達もまた状況の一部であり、ある面では加害者でもあることを描いた点が現代的だった。100年前の戦争を描きつつも、21世紀仕様にアップデートされ
(2013年 イタリア・フランス)イタリア・アカデミー賞7部門受賞作だけあって、構成が実に見事な作品だった。3人の主人公が織りなす群像劇には侘しさが充満しており、人間のどうしようもなさが描かれた良作だった。感想抜群の構成力で描かれる群像劇ア
(1988-2000年 日本)SFエンタメの皮を被りながらも、国家論や元首論をかなり真剣に描いた含蓄あるアニメ。長編3作、本伝110話、外伝52話という大ボリュームも何のその、あまりの面白さに気づけば全部見終わっていた。作品解説銀河英雄伝説
(1976年 日本)Amazonプライムで何となく見たのですが、当時流行っていた前衛的なスタイルを現在の目で見るとダサく感じました。経済的に充たされることの空虚さみたいなメッセージも、本当の不況を経験した世代にとっては「だから何?」という感
(1995年 アメリカ)ジョディ・フォスター監督第2作目。家族問題を丁寧にドラマ化した作品であり、豪華キャストも含めて見所は多いのですが、監督がコメディに向いていないこともあって弾けきれていませんでした。良くも悪くも優等生的な映画。作品解説
(2021年 アメリカ)表面的には娘を助けるために奮闘する親父を描いたコマンドー的な作品なんだけど、その実体はアメリカの保守親父が海外でマイノリティの立場となり、否応なく多様性を身に着けていくという社会派ドラマだった。面白いのでオススメ。感
(2018年 アメリカ)現実に起こった絵画盗難事件の映画化なのですが、単に犯行の様子を作劇で再現するのみならず、事件当事者のインタビューを挟むことでより事実に肉薄させた構成が優れています。コミカルに始まった話がどんどん深刻になっていき、最後
(2019年 イギリス)"M"ことジュディ・デンチがMI5に逮捕される元スパイ役という変わったドラマなのですが、スパイの苦悩も、彼女が国家に反逆していたことを知った家族のドラマも不完全燃焼を起こしており、上映時間が短いこ
(2018年 アメリカ)中年ヤクザが現場で偶然出会った若い娼婦を連れて逃亡するという犯罪映画としてはありがちな概要なのですが、テキサスという土地のいかがわしさを背景にしたヘビー級のドラマと、王道からどんどん外れていくストーリーに目が釘付けに