【短編小説】はらパンやさん(その3)
・前回www.miyazono-9ran.work 店主ジョムに一体何が起こったのか。上記問いに対して分かり易く簡潔に回答を述べるならば、即ち彼は腹パンではなく肩パンを喰らったのだった。全体重を乗せた右ストレートを命中の直前に止めたヤマザキは、左足を更に一歩前に出し右脚と交差させ、勢いを殺すことなくそのまま一回転し、更に加速を増した裏拳にて一撃を見舞ったのである。 「すごい……すごいじゃないかヤマザキっ!」「当たり前やんけ。関西人をナメたらあかんぞ?」新世紀エヴァンゲリオンに登場する脇役であるトウジの物真似をしながらふふんと鼻をかいて誇らしげなヤマザキへと、僕は感嘆の意を言わずにはいれなかった…
2021/08/31 19:05