貯金や保険と投資を比較するのはナンセンスなのか?【それぞれの役割】
投資について「貯金や保険と比べて年〇%有利!」というような宣伝文句を見かけます。 確かに平均利回りだけを見れば、投資と貯金や保険を比較することはできます。 しかし、比べるのは利回りだけでよいのでしょうか? 保険と投資の比較 保険、とくに貯蓄性のある終身保険を考えてみます。 60歳まで保険料を払い続け、その後に解約すると払い込んだ以上の金額が受け取れるシステムで、死亡すると保険金が受け取れるというタイプが主流となっています。 中身としては株式や債券、不動産などで運用を行って保険金支払いの原資に活用しています。やっていることは投資と変わらないですよね。とくにインデックス投資であれば、個人でやっても組織でやっても成績は変わらないはずです。 しかし、保険は期待利回り5%の変額保険を20年続けても支払保険料の110%すら受け取ることはできません。期待利回りを年数で乗算するのは意味がないと言われますが、それにしたって低すぎますよね。 手数料率も不明ですし、保険業界は人件費が高いことでも有名です。販売にかける人手だって少ない人数ではありません。 死亡したときに保険金を受け取ることができますが、その中には自分で支払って貯蓄しておいた部分も含まれています。 一方で、掛け捨て型の定期保険は万が一の備えになります。 保険というと、「保険金を受け取れる可能性の高いほうが有利なんじゃないの?」という先入観があるかもしれません。その考えだと10年ほどで保険期間が切れてしまう定期保険は魅力的と言えないかもしれませんね。 しかし、人生において必要なお金を計算してみると10年区切りというのは使い勝手のいい年数だと言えます。保険が必要になってくるのは子供が生まれるタイミングが最大であり、子供が独立するころには最小限の保険で済むようになります。 子どもが独立するまでは約20年です。10歳のころに更新時期が来るわけですから、生活設計を見直すタイミングとしても丁度良いと言えます。 また、収入保障保険と呼ばれる掛け捨ての保険は、保険金を一括で受け取るのではなく毎月一定額を受取ることのできる保険です。年数を追うごとに合計の保険金額が減って行くために、合理的な設計と言えるでしょう。
2019/09/30 07:31