〇 相槌をうつタイミングがわからなくなってなんにも聞こえなくなる 「相槌をうつタイミングがわからなくなって」しまうこと自体は人間ならば誰でも体験することではあるが、そうした時に「なんにも聞こえなくなる」ことは、万人が万人、経験することではありません。もしも作者自身がそうした状態に陥ることが多い人間であるとするならば、作者は俗に云う「固まり型人間」なんでしょう。 今こそは相槌を打つタイミ...
「木下こう処女歌集『体温と雨』(砂子屋書房・2014年)」を読む(其のⅠ)
〇 朝は胸に夕は踵にあるやうな悲しさのためにくつしたを履く 「朝は胸に夕は踵にあるやうな悲しさ」、即ち、全存在に亙る「悲しみ」なのである。 彼は何がゆえに「くつした」を履くのかな? 察するに、件の「くつした」なる履物には、「悲しさ」を和らげる働きがあるのかも知れません。〇 雨垂れの音飲むやうにふたつぶのあぢさゐ色の錠剤を飲む〇 雨の服脱ぎたるそびらや添ひをればゆふかたまけて夏終はるらむ...
「木下こう処女歌集『体温と雨』(砂子屋書房・2014年)」を読む(其のⅥ)
〇 窓がみなゆふぐれである片時のアビタシオンに人のぼりゆく〇 真昼とはさみしき語感 蜘蛛の巣のひかりに絡められてゐる空〇 ママ、ママとまちがへながら吾に来し子は春に降る雨の目をして〇 路傍にしやがみて犬を撫づるとき秋をひとつの胡桃と思ふ〇 身にふれて濡るるからだを覚えたりこの薄絹は雨にあらねど〇 森の木と森のてまへに並ぶ木はすこし思考がことなるやうだ〇 やまももがうつそ...
「木下こう処女歌集『体温と雨』(砂子屋書房・2014年)」を読む(其のⅤ)
〇 長靴のつめたい踵にはりつきて誰の草笛だつたのだらう〇 肉体の温度せつなし夜の樹をぬけくる雨のとうめいな黒〇 ねぢれたる季節の風は窓にきて骨の色した卵を生めり〇 はつなつのひかりはほそく射しながらわたしの指の上を寒がる〇 はなびらの踏まれてあればすきとほり昼ふる雨の柩と思ふよ〇 葉のすみをすこし燃やしてよごれざるままに冷えたるじふやくの白〇 春といふ浅き器に草つみて農...
「木下こう処女歌集『体温と雨』(砂子屋書房・2014年)」を読む(其のⅣ)
〇 たうとつに蝶は噛むのと子は聞きぬ なにかが苦いやうな顔して〇 たくさんのがらくたたちがひかりだしそのはしつこが夜明けのやうで〇 たて笛に遠すぎる穴があつたでせう さういふ感じに何かがとほい〇 たまごからこぼれるやうに醒めにけり あなたが空と陸である夢〇 ダアリアを剪りつつ邪悪ね、と言ひぬ けふこひびとに差し出すダアリア〇 誰かいま白い手紙を裂いてゐる 夜のカップのみづ揺...
「木下こう処女歌集『体温と雨』(砂子屋書房・2014年)」を読む(其のⅢ)
〇 さらさらとさみしき冬日 花の茎ゆはへて水にふかくふかく挿す〇 サルビアの咲きてあかるむところまで晩夏の微温き水を運びぬ〇 紫苑から曼珠沙華へとつづくからひとりつきりが尊さになる〇 春泥をあなたが踏むとあなたから遠くの水があふれだします〇 食卓のトマトつめたくしたたりぬ軽羅にあはく蔓をひろげて〇 錠剤のひとつぶづつをのせてゆくてのひらは匙のうすさをもちぬ〇 梳かれつつ...
「木下こう処女歌集『体温と雨』(砂子屋書房・2014年)」を読む(其のⅡ)
〇 階段といふ定形をのぼりつめドアをひらくと風がひろがる〇 悲しみが降りやまぬゆゑあなたから白い枯れ葉を取り出してます〇 かんたんな気持ちで見知らぬ町に行き樹下をすぎゆくバスに乗りたし 〇 北の木のただいつぽんの佇みに質量のなき手をそへてゐし〇 北むきの窓辺の古きさむき椅子ふかく掛けたるとききしみをり〇 きだはしを下りると雨につつまれてもう赤茶けた火のあとの蓮 〇 樹の...
「渡辺松男歌集『牧野植物園』( 書肆侃侃房・2022年)」を読む(其のⅠ)
〇 あのへんは遠く清流だつたのだスカイツリーを天魚(あまご)がおよぐ〇 網戸の目一ミリ四方の密集をすりぬけてきし飛行機の影〇 石狩川河口へ曇天下にゆきて影なきわれは河口に見入る〇 烏骨鶏の卵(らん)をひるまにのみこめば黄身のかたちが空にもありぬ〇 えいゑんはとまりて落下せぬ雨を五十階にてつまむほそき手〇 炎暑にて無人の町のみづたまり蒸発をして足跡となる〇 落ちながら大き...
〇 「貢ぎたる金を返せ!」」と母親が元恋人に迫る計算!〇 四回目不合格ならその時は?母なればこそ我が子気遣う!〇 統一教会系の陳情を「党公約に入れろ」とは元政調会長の弁?〇 ヒライ氏が隠して居たる狂団の黒いイベント出席写真?〇 「『マザームーン』に三回も逢っていた」とか?副防衛相・ヤマモト某!〇 「ホソダ氏が買収容疑で告発された?」回答拒否で逃げまくってたが!〇 「副代...
「谷村はるか処女歌集『ドームの骨の隙間の空に』(青磁社・2009年)」を読む(其のⅣ)
〇 破壊欲果てないわたしたちのため破壊途中にとどまるものよ〇 八月以外の十一か月の広島にしずかな声の雨は降りくる〇 人が人に贈る至高のやさしさは理由(わけ)きかぬこと雨があがった〇 一晩中呼びつづけたい名のために濁った街を抜け球場へ〇 昼ビール汗となり伝う首すじを許そう許しあおう死ぬまでを〇 広島が毎日わたしに言ったこと「愛を惜しめば、きっと悔やむ」と〇 ヒロシマと書き...
「谷村はるか処女歌集『ドームの骨の隙間の空に』(青磁社・2009年)」を読む(其のⅢ)
〇 タワレコでPOPを読んで時は過ぎるああこんなにも人間は言葉〇 誰も誰も誰かを欠いたあの日からこの街に無傷の人おらず〇 つばめ空の真中で止まる島の昼その静けさで壊せわたしを〇 東京のビール工場の屋上に海を嗅ぐわれら海の上に棲む〇 東京は雨の日がいい路上へと滲んだほうの町を見ている〇 父ちゃんと娘の前にひとつずつニュートーキョー大ジョッキは置かれ〇 鳥よおまえほのあたた...
「谷村はるか処女歌集『ドームの骨の隙間の空に』(青磁社・2009年)」を読む(其のⅡ)
〇 顔を上げろ会ったって誰も気づかないどこにでも居るカラスなんだから〇 かなしみのみなもとのひと遠い空にひとりいるから孤独ではない〇 枯らしたのはおまえだという声にただ抗いたくて水撒く真夏〇 川はいつも光って見つめるのだ簡単にひとりを失うたびに〇 気がつけば田に水は満ち人はみな尊いわたし以外の誰も〇 苦しんで水に飛びこむ何人も何人も受けとめたこの川〇 声がするドームの骨...
「谷村はるか処女歌集『ドームの骨の隙間の空に』(青磁社・2009年)」を読む(其のⅠ)
〇 会えば争うような気がして行かれない黒い川面を渡るこうもり〇 秋冬春ひとつ記憶を翌日の自分へと手渡してきただけ〇 諦めの海に浮かんだわたしたちは島、緩衝の水めぐらせて〇 アーケードの切れ目の雨に降られればあなたの固い意志がさみしい〇 ある日は通しある日は撥ねたわたしというこの容れ物のこの卑怯な皮は〇 言い訳はしないましてやきみのせいにしないわたしが行く場所のこと〇 諍...
〇 新築の記念にせむと庭隅に凌霄花を植えたる彼の日〇 家主の背丈年々減り行くも凌霄花の背丈は伸びる〇 年々に壁に張り付き枝伸ばし屋根に届いた凌霄花〇 剪定のチャンス逃して伸び過ぎた凌霄花は始末に負えぬ〇 伸び過ぎた凌霄花は邪魔つけだ!可哀そうだが伐り戻しせむ!〇 怠らず剪定すれば「切り戻し」せずに済むはず凌霄花〇 長期間下屋の日除けや目隠しの役目果せし凌霄花〇 要す...
「関口ひろみ処女歌集『あしたひらかむ』(雁書館・1998年)」を読む
〇 逢へばきみつくづく遠し撓ませて撓ませてなほ告げえぬことば〇 吾を容れず拒まず海は銀ねずのまなぶた薄くひらきゐるなり〇 いつ逢ひても見慣れざる貌きみはもちおのが寒さのうちに棲むなり〇 きみとゐる春の茶房にやはらかく水押す鳥の胸おもひたり〇 きみの黙のみなもとに掌をふれたきをフォークにパスタからめゐるのみ〇 きみへ漕ぐ櫂とはつひにならざりしかひなを二本さげて佇む〇 きみ...
「木畑紀子第六歌集『かなかなしぐれ』(現代短歌社・2019年)」を読む(其のⅡ)
〇 春耕にいまだ間のある田の溝をひとりごちつつゆく細水(さざれみづ)〇 青春よ炎上をせよごみ処理場煙突に向き合掌をせり〇 胎内で五億年の旅してゐると聞けば生れ来むいのちは奇蹟〇 〈抱き禅〉とこは呼ぶべきぞ新生児あやしてただに揺るる一時間〇 啄木が息子であらばせつなからむ馬鈴薯の花雨にしづくす〇 断つ、捨つ、棄つ 言葉の鞭を身に当ててつひに愛惜の品と別れぬ〇 つなぐ手をふり...
「木畑紀子第六歌集『かなかなしぐれ』(現代短歌社・2019年)」を読む(其のⅠ)
〇 「会いたいなぁ」呟いてみる会へぬ日も会ひたきひとの在ることは幸〇 秋ふかき運動公園に呆とをりバスケのゴールは底抜けの網〇 雨の野に摘みし薊とむきあへばひとりごころの針の花なる〇 怒るちから減りたるわれはみづからのさびしさの世話してやらんかな〇 痛みとはつひに身替はりできぬものわれはわれ以外の痛みを知らず〇 うまれ来むいのちつつむとひそやかに毛糸あみつぐ鶴の婆われ〇 ...
「四国八十八箇所霊場巡行~我が空想の歩き巡礼~発心の道場・阿波二十三箇寺」(其の四)
第四番ー黒巖山 遍照院 大日寺(徳島県板野郡板野町黒谷字居内28番地) 御本尊:大日如来 私・鳥羽散歩が<四国八十八箇寺の歩き巡礼>発心の発端は、神奈川県川崎市麻生区王禅寺東にお住いの棚井良和氏の御著『四国遍路記』を拝読させて頂いた事である。 同著の二十二ページに「板野の町を通り過ぎたあたりで、自転車に乗った女性から冷たいお茶を頂いた。わざわざ追いかけて来たと聞いて恐縮してしまった。接待のことは...
「四国八十八箇所霊場巡行~我が空想の歩き巡礼~発心の道場・阿波二十三箇寺」(其の参)
〇 三番札所ー亀光山 釈迦院 金泉寺(徳島県板野郡板野町大寺字亀山下66) 御本尊:釈迦如来 二番札所の極楽寺から約半里の距離にあったので、八十路の坂を越えた私の足でも一時間足らずで辿り着くことが出来たのである。 境内に伝教大師・空海が湧かせたという「黄金井戸」があり、「金泉寺」という寺名の由来とされているとか。 「黄金井戸」は地蔵堂の中に在り、それを覗いて見て、「自分の顔が井戸水に映らない...
「四国八十八箇所霊場巡行~我が空想の歩き巡礼~発心の道場・阿波二十三箇寺」(其の弐)
〇 二番札所ー日照山 無量寿院 極楽寺(徳島県鳴門市大麻町檜字段の上12) 御本尊:阿弥陀如来 第二番札所の極楽寺は、昨日の宿泊先の旅館からほど近く、霊山寺からも半里足らずの近距離であったので、俄か遍路の私は、「歩き遍路」としての本分を守ることが出来た。 金剛杖を突きながら、水を引き入れたばかりの田圃の畦道や民家の裏の細道を辿って行くと、朱塗りの仁王門が姿を現した。それを潜り抜けて参道を進むと...
「四国八十八箇所霊場巡行~我が空想の歩き巡礼~発心の道場・阿波二十三箇寺」(其の壱)
〇 一番札所ー竺和山 一乗院 霊山寺(徳島県鳴門市大麻町板東字塚鼻126) 御本尊:釈迦如来 東京駅発、博多行きの「のぞみ15号」に新横浜駅から飛び乗って、徳島駅行き・高速バスの乗換駅である新神戸駅に到着したのは、飛び石連休初日の午前十時五十分頃であった。 「旅は道連れ」という言葉があるが、「三人掛け自由席の両隣りの乗客が妙齢の美女であったならば、どんなに楽しい旅になるだろう」などと、年齢に相...
今日の十余首 国民の声を無視して「国葬」の「閣議決定」逸る政権!
〇 札所巡りも十六ケ寺を残すのみ土佐廻国は歩き遍路で〇 この齢で歩き遍路は無理だからベンツ飛ばして土佐を廻ろう〇 イノシシが築地破りて闖入し玉邸いまや壊滅の危機〇 熊本城のそれとまでは言えないが石垣らしき築地であつた 〇 収穫を間近に控えた薩摩芋イノシシどもに奪われちやつた 〇 孫たちに食べさせたいと思つたに猪突猛進サツマイモ喰う!〇 老い耄れを見捨てて帰る婆様に文句た...
「土岐友浩第二歌集 『僕は行くよ』(青磁社・2020年)」を捲る(其のⅣ)
〇 春風に振り回されてあたらしい定期券から水辺のにおい〇 阪急の駅を降りればいつも冬休みのような街だと思う〇 本当は教師になってほしかったのでは 孔雀が羽をひろげる〇 水切りの石は進路を変えながら沈んでいったかげろうの島〇 明治には戻れないのにみずがめに猫を突き落としたのは誰だ〇 もともとは思索の道のはずだったという水路のほとりを歩く 〇 落下したヒポカンパスがたちこめ...
「土岐友浩第二歌集 『僕は行くよ』(青磁社・2020年)」を捲る(其のⅢ)
〇 大切なものじゃないから目に見える イオンモールに降るぼたん雪〇 『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』が駒ヶ根のTSUTAYAにあった〇 遠くまで来たはずなのに桂川イオンシネマで空襲を見る〇 図書館はあまりなじみのない場所で窓から見えるまひるまの月〇 飛び石の四角いほうに乗ってみる 街がまぶしく見えないように〇 長すぎて覚えられないその花の名前が風に微笑んでいる〇 ...
「土岐友浩第二歌集 『僕は行くよ』(青磁社・2020年)」を捲る(其のⅡ)
〇 カステラは乾きやすくて本題に辿りつかない感触がある〇 カフェオレのカフェとオとレをぐるぐるとかき混ぜる三月の終わりに〇 暗すぎる五月の橋の真ん中で精神のない巨獣をおもう〇 繰り返し口にしてみる よくできたアップルパイのような言葉を〇 原作だと地震は出てこないから、と教えてもらう予告のときに〇 この店のパンが好きだな虹の色よりもたくさん種類があって〇 これ以上用がない...
「土岐友浩第二歌集 『僕は行くよ』(青磁社・2020年)」を捲る(其のⅠ)
〇 あなたは神様ではない 制服の袖に隠したてのひらの傷〇 あ、僕とおなじ十四歳だって 夜のフェンスの奥の紫陽花〇 奄美大島に「カメラを止めるな!」のやたらと目立つポスターがある〇 ありふれた悲しい話には歌を オムライスには少し焦げ目を〇 いつからかあなたの胸のなかにいて撃ち落とされたサン=テグジュペリ〇 いないのにあなたはそこに立っているあじさい園に日傘を差して〇 Wiki...
〇 さっきまで鳥がとまっていたような配電線をたどって帰る〇 習作のようにたなびく秋雲を見ているうすく色が注すまで〇 少年の世界のすべてではないが秋の野山が近づいてくる〇 自転車はさみしい場所に停められるたとえばテトラポッドの陰に 〇 乗客は乗り込んだのに雨の日のドアをしばらく開けているバス〇 勧めようとしている本を読み返す傘とかばんを近くに置いて〇 すずかけの枝葉に傘が...
〇 階段を転がるように降りていく枯れ葉は風の靴であること〇 帰るときかなり明るくなっているけやき並木をふたたび歩く〇 紙ふぶき大成功の、安田大サーカスというひとつの星座〇 肝心なことはともかく夏草を見てきたことを話してほしい〇 来た道を歩いて帰るさっき見た花火のことをずっと話して〇 気づいたら雲が出ていて、ひまわりの頸の硬さを教えてもらう〇 牛乳を電子レンジであたためて...
「土岐友浩処女歌集 『Bootleg』(書肆侃侃房・2015年)」を捲る(其のⅠ)
〇 ああ僕が思い出すのは島で見たあの星空だ、あの海よりも〇 あきらかな嘘とそうではないものを見分けて読んでいく航海記〇 あきらかにちょっとおかしい看板を広い通りに出しているカフェ〇 あざやかな記憶のしかし桜草死を看取ったらあとは泣かない〇 あしもとを濡らしてじっと立ち尽くす翼よりくちばしをください〇 あたらしくできた日陰で聴いている ここはどこ、から始まる歌を〇 あの海...
「ブログリーダー」を活用して、鳥羽散歩さんをフォローしませんか?
〇 相槌をうつタイミングがわからなくなってなんにも聞こえなくなる 「相槌をうつタイミングがわからなくなって」しまうこと自体は人間ならば誰でも体験することではあるが、そうした時に「なんにも聞こえなくなる」ことは、万人が万人、経験することではありません。もしも作者自身がそうした状態に陥ることが多い人間であるとするならば、作者は俗に云う「固まり型人間」なんでしょう。 今こそは相槌を打つタイミ...
〇 兎追ふこともなかりき故里の銭湯地獄の壁の繪の山(田園に死す/少年時代) 街に銭湯が少なくなり、入浴設備の無い安アパート住まいの貧乏学生やサラリーマンなどが困っていて、社会問題化されている、とか? 斯く申す私・鳥羽散歩などは、大学なる後期高等教育を施す施設に入獄するための受験料を肇として学費一切、生活資金の大半をアルバイトで稼いで賄っていたから、謂わば貧乏学生中の貧乏学生であった。 だが、幸い...
昨日・一月十七日の午前九時過ぎに、私は女房と連れ立ってイオン新百合ヶ丘店に食料品の買い出しに出掛けました。 実を言うと、「これから食糧の買い出しに出掛けるぞ!」といった気分で大風呂敷をふところに入れ、しかも、わざわざバスにまで乗って買い物に出掛けたのは、年が明けてから昨日が最初なのである。 と云うのは、昨年末の三十日と三十一日の二日間に件のイオン新百合ヶ丘店、及び、三和百合丘店にて、食品を肇とし...
「ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー」ってヤツが確かにありましたよね!今となっては何を言ってんだかわかんなくなってしまいましたが、あれは当代不人気の「サッポロビール」が「これ一発で起死回生を図らん」とばかりに人気タレントを起用して歌わせた<コマソン>だったんでしょうが、一年遅れの西暦2021年に、東京どころか横浜市や千葉市やさいたま市や首都圏内の県庁所在地、否、それどころか、東日本大震災の被災地...
抱腹絶倒の「短歌バラエティ『引揚船、興安丸でお世話になった邑居さん!』」に続いて、その続編とも謂うべき、「随想『尋ね人の時間』」が、本日午後、北方四島以西の日本国内に於いて、恥かしながら一般公開の運びとは相成りましたから、拙ブログ「詩歌句誌面」の読者諸氏に於かれましては、何卒、ご高覧賜りたくお披露目申し上げます。...
日本初のラジオ放送は、1925(大正15)年3月22日9時30分に社団法人東京放送局(JOAK:現在のNHK東京ラジオ第1放送)が東京・芝浦の東京高等工芸学校(千葉大学工学部の前身)内に設けた仮送信所から発した京田武男アナウンサーによるもので、第一声は 、「アーアー、聞こえますか。……JOAK、JOAK、こちらは東京放送局であります。こんにち只今より放送を開始致します」であった、と云う。 波長はが375m(周波数800kHz)、空中線電...
〇 縷々に亙れる言ひ訳も通るはづ無き今井瑠々なほ二十五歳! 「青二才」というべき場面なるも、「青二才」なるは「未熟な男性」を指して云う差別語ならむ?〇 立憲を見限り自民へ鞍替へし県議出馬のじやじゃ馬ならし! 勢い余って「じゃじゃ馬ならし」と、余計な「ならし」を付けてしまいましたが、「じゃじゃ馬ならし」は、皆さまご存じのウィリアム・シェイクスピアによる喜劇のタイトルである。 将来性を見込んで...
〇 米国の異例の厚遇強調す?開成なんでの岸田総理大臣! 二嶋 結...
星の流れに 身を占なって 何処をねぐらの 今日の宿 荒む心で いるのじゃないが 泣けて涙も 涸れ果てた こんな女に 誰がした 煙草ふかして 口笛ふいて あてもない夜の さすらいに 人は見返える わが身は細る 町の灯影の わびしさよ こんな女に 誰がした ...
〇 時代劇 大河ドラマは視る気なし主役が彼では虫唾が走る 二嶋 結〇 家康は狸親父がいいところ気弱な家康幕府作れぬ〇 家康があんな気弱な武将なら石田三成負けないはづだ〇 政宗も背いたはづだ身内から寝返りする者続出したはづ〇 九州の島津・細川・加藤らが反逆したら「どうする家康」〇 正室の築山殿に「瀬名」なんて尤もらしい名前つけるな!〇 阿部寛(アベカン) が武田信玄演じ...
〇 ヨシヒデが首相になろうが辞めようがオラにとつてはただのヨシヒデ〇 二部卒や集団就職うそだつた!オラにとつてのただのヨシヒデ!〇 ふるさとの湯沢駅(ゆざわうまや)に建つはずの胸像包むブルーシートよ!〇 胸像の建立プランを一頓挫させた事さへ汝の勲功!〇 胸像の建立プランも一頓挫!次に打つ手は何かな彼の?〇 愚息をば政務秘書官に任用せしは彼のヨシヒデの人たる由縁?〇 長男を...
『元宰相の最たる勲(いさを)』 二嶋 結〇 自らの統一教会疑惑を顕現せしめしは元宰相の最たる勲〇 凶弾に逝きにしことは咎なきも外祖父以来の蜜月悔し〇 銃撃殺せられにし自体は罪なきも「モリ・カケ・桜・統一教会」〇 昇天し神様の座にましませば己が罪業を悔いゐるならむ〇 己が過ちをあからさまにせず逝きたれば何処さまよふ元宰相の魂(たま)〇 奈良地検「責任能力認むる」...
〇 「喜多さまのご無事を知りて休心」とばーばむらさき様よりメール 二嶋 結...
『農家さん』 二嶋 結〇 病院の六人部屋の入口に「さん付け名札」を掛けてた昭和〇 火葬場の竈の前に「さん付き」の名札を掛くる悪しき習俗〇 農家さん!何んと云ふても農家さん!金融機関が「さん付け」で呼ぶ! 〇 農家さん!上々得意の農家さん!頭取までも「さん付け」で呼ぶ!〇 農家さん!お巡りさんに芸妓さん!さん付け呼ばはりさるる職業?〇 農家さん!お猿さん且つ喜多...
昨日の午後二時過ぎに「ばーばむらさき」様から、「喜多さまがご無事でいらっしゃいますように。早くご連絡があるといいですね。さだまさしの歌には心惹かれる歌詞が多いですね。私はなぜか<精霊流し>を聴くと涙ぐんでしまいます」という、真に丁重至極なる御コメントを頂戴致しました。 実を申し上げますと、<ばーばむらさき>様から前掲の如き御コメントを頂戴した三十分後に、件の<喜多さま>から、当「詩歌句誌面」宛て...
『案山子』 作詞・作曲 さだ まさし 元気でいるか 街には慣れたか 友達できたか 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る 城跡から見下ろせば 蒼く細い河 橋のたもとに 造り酒屋のレンガ煙突 この街を綿菓子に 染め抜いた雪が 消えればお前が ここから出て 初めての春 手紙が無理なら 電話でもいい 金頼むの 一言でもい...
〇 原発再稼働反対デモに湧く茱萸坂に取り残されたミトンの弓手 二嶋 結 昨今の我が国に於いては、「反体制的デモ行進」らしい「デモ行進」を目にする機会が極めて少なくなりましだが、掲出の一首の題材となったのは、先年、「茱萸坂」を中心とした国会周辺で行われた「原発再稼働反対デモ」である。 八十路坂の半ばを行く今となっては、すっかり老いさらばえてしまった私ではありますが、その当時の私は、今と違って...
『郷里・旧喩騒町を歌う』 二嶋 結〇 「ミヨシギセル」の発見者たる三好氏は佐竹南家の藩医の末裔!〇 三好氏の隣り屋敷は同級生・渡部杏子の生家の病院〇 夏至来れば柘榴の珠の割れるころ渡辺病院黒塀越しの〇 黒塀に縋りて柘榴を捥ぎ取るは悪たれ小僧の永沢庄司〇 鹿子畑とふ変な苗字の級友も既に黄泉路をたどる存在〇 創業は元和元年!ご破算の木村酒造の惣領息子〇 元来は...
〇 落ち蟬の骸(むくろ)つぶれてシャッター街 おらが総理は既に死に体 二嶋 結 九月初めの土日に、私は、凡そ十年ぶりに生まれ故郷の秋田県湯沢市に帰省した。 山形新幹線の新庄駅で奥羽本線の鈍行に乗り換え、秋田県側に入ってから二つ目の横堀駅が現総理・菅義偉氏の故郷駅であり、私の下車駅は、それから三つ目の湯沢駅である。 湯沢駅で下車し、駅前通りを五分ほど進み、大町と柳町の境目の交差点を左折してから...
十二首連作「成城臼井の有料レジ袋」 二嶋 結〇 風立ちぬ!お腹膨れぬ!飛び去りぬ!<成城臼井>の有料レジ袋!〇 成城学園前駅・駅前の果物店が前身だとはややややこしい!〇 お高くて毛嫌いされてる臼井嬢「性情薄い!」と囃され泣いた!〇 紀ノ国屋・明治屋ぐらいは眼じやないぜ!盛者必衰<成城臼井>!〇 BENZ以外は駐車禁止と聞いてたが、成城臼井の駐車場 !〇 「BENZほか外...
〇 相槌をうつタイミングがわからなくなってなんにも聞こえなくなる 「相槌をうつタイミングがわからなくなって」しまうこと自体は人間ならば誰でも体験することではあるが、そうした時に「なんにも聞こえなくなる」ことは、万人が万人、経験することではありません。もしも作者自身がそうした状態に陥ることが多い人間であるとするならば、作者は俗に云う「固まり型人間」なんでしょう。 今こそは相槌を打つタイミ...
〇 兎追ふこともなかりき故里の銭湯地獄の壁の繪の山(田園に死す/少年時代) 街に銭湯が少なくなり、入浴設備の無い安アパート住まいの貧乏学生やサラリーマンなどが困っていて、社会問題化されている、とか? 斯く申す私・鳥羽散歩などは、大学なる後期高等教育を施す施設に入獄するための受験料を肇として学費一切、生活資金の大半をアルバイトで稼いで賄っていたから、謂わば貧乏学生中の貧乏学生であった。 だが、幸い...
昨日・一月十七日の午前九時過ぎに、私は女房と連れ立ってイオン新百合ヶ丘店に食料品の買い出しに出掛けました。 実を言うと、「これから食糧の買い出しに出掛けるぞ!」といった気分で大風呂敷をふところに入れ、しかも、わざわざバスにまで乗って買い物に出掛けたのは、年が明けてから昨日が最初なのである。 と云うのは、昨年末の三十日と三十一日の二日間に件のイオン新百合ヶ丘店、及び、三和百合丘店にて、食品を肇とし...
「ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー」ってヤツが確かにありましたよね!今となっては何を言ってんだかわかんなくなってしまいましたが、あれは当代不人気の「サッポロビール」が「これ一発で起死回生を図らん」とばかりに人気タレントを起用して歌わせた<コマソン>だったんでしょうが、一年遅れの西暦2021年に、東京どころか横浜市や千葉市やさいたま市や首都圏内の県庁所在地、否、それどころか、東日本大震災の被災地...
抱腹絶倒の「短歌バラエティ『引揚船、興安丸でお世話になった邑居さん!』」に続いて、その続編とも謂うべき、「随想『尋ね人の時間』」が、本日午後、北方四島以西の日本国内に於いて、恥かしながら一般公開の運びとは相成りましたから、拙ブログ「詩歌句誌面」の読者諸氏に於かれましては、何卒、ご高覧賜りたくお披露目申し上げます。...
日本初のラジオ放送は、1925(大正15)年3月22日9時30分に社団法人東京放送局(JOAK:現在のNHK東京ラジオ第1放送)が東京・芝浦の東京高等工芸学校(千葉大学工学部の前身)内に設けた仮送信所から発した京田武男アナウンサーによるもので、第一声は 、「アーアー、聞こえますか。……JOAK、JOAK、こちらは東京放送局であります。こんにち只今より放送を開始致します」であった、と云う。 波長はが375m(周波数800kHz)、空中線電...
〇 縷々に亙れる言ひ訳も通るはづ無き今井瑠々なほ二十五歳! 「青二才」というべき場面なるも、「青二才」なるは「未熟な男性」を指して云う差別語ならむ?〇 立憲を見限り自民へ鞍替へし県議出馬のじやじゃ馬ならし! 勢い余って「じゃじゃ馬ならし」と、余計な「ならし」を付けてしまいましたが、「じゃじゃ馬ならし」は、皆さまご存じのウィリアム・シェイクスピアによる喜劇のタイトルである。 将来性を見込んで...
〇 米国の異例の厚遇強調す?開成なんでの岸田総理大臣! 二嶋 結...
星の流れに 身を占なって 何処をねぐらの 今日の宿 荒む心で いるのじゃないが 泣けて涙も 涸れ果てた こんな女に 誰がした 煙草ふかして 口笛ふいて あてもない夜の さすらいに 人は見返える わが身は細る 町の灯影の わびしさよ こんな女に 誰がした ...
〇 時代劇 大河ドラマは視る気なし主役が彼では虫唾が走る 二嶋 結〇 家康は狸親父がいいところ気弱な家康幕府作れぬ〇 家康があんな気弱な武将なら石田三成負けないはづだ〇 政宗も背いたはづだ身内から寝返りする者続出したはづ〇 九州の島津・細川・加藤らが反逆したら「どうする家康」〇 正室の築山殿に「瀬名」なんて尤もらしい名前つけるな!〇 阿部寛(アベカン) が武田信玄演じ...
〇 ヨシヒデが首相になろうが辞めようがオラにとつてはただのヨシヒデ〇 二部卒や集団就職うそだつた!オラにとつてのただのヨシヒデ!〇 ふるさとの湯沢駅(ゆざわうまや)に建つはずの胸像包むブルーシートよ!〇 胸像の建立プランを一頓挫させた事さへ汝の勲功!〇 胸像の建立プランも一頓挫!次に打つ手は何かな彼の?〇 愚息をば政務秘書官に任用せしは彼のヨシヒデの人たる由縁?〇 長男を...
『元宰相の最たる勲(いさを)』 二嶋 結〇 自らの統一教会疑惑を顕現せしめしは元宰相の最たる勲〇 凶弾に逝きにしことは咎なきも外祖父以来の蜜月悔し〇 銃撃殺せられにし自体は罪なきも「モリ・カケ・桜・統一教会」〇 昇天し神様の座にましませば己が罪業を悔いゐるならむ〇 己が過ちをあからさまにせず逝きたれば何処さまよふ元宰相の魂(たま)〇 奈良地検「責任能力認むる」...
〇 「喜多さまのご無事を知りて休心」とばーばむらさき様よりメール 二嶋 結...
『農家さん』 二嶋 結〇 病院の六人部屋の入口に「さん付け名札」を掛けてた昭和〇 火葬場の竈の前に「さん付き」の名札を掛くる悪しき習俗〇 農家さん!何んと云ふても農家さん!金融機関が「さん付け」で呼ぶ! 〇 農家さん!上々得意の農家さん!頭取までも「さん付け」で呼ぶ!〇 農家さん!お巡りさんに芸妓さん!さん付け呼ばはりさるる職業?〇 農家さん!お猿さん且つ喜多...
昨日の午後二時過ぎに「ばーばむらさき」様から、「喜多さまがご無事でいらっしゃいますように。早くご連絡があるといいですね。さだまさしの歌には心惹かれる歌詞が多いですね。私はなぜか<精霊流し>を聴くと涙ぐんでしまいます」という、真に丁重至極なる御コメントを頂戴致しました。 実を申し上げますと、<ばーばむらさき>様から前掲の如き御コメントを頂戴した三十分後に、件の<喜多さま>から、当「詩歌句誌面」宛て...
『案山子』 作詞・作曲 さだ まさし 元気でいるか 街には慣れたか 友達できたか 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る 城跡から見下ろせば 蒼く細い河 橋のたもとに 造り酒屋のレンガ煙突 この街を綿菓子に 染め抜いた雪が 消えればお前が ここから出て 初めての春 手紙が無理なら 電話でもいい 金頼むの 一言でもい...
〇 原発再稼働反対デモに湧く茱萸坂に取り残されたミトンの弓手 二嶋 結 昨今の我が国に於いては、「反体制的デモ行進」らしい「デモ行進」を目にする機会が極めて少なくなりましだが、掲出の一首の題材となったのは、先年、「茱萸坂」を中心とした国会周辺で行われた「原発再稼働反対デモ」である。 八十路坂の半ばを行く今となっては、すっかり老いさらばえてしまった私ではありますが、その当時の私は、今と違って...
『郷里・旧喩騒町を歌う』 二嶋 結〇 「ミヨシギセル」の発見者たる三好氏は佐竹南家の藩医の末裔!〇 三好氏の隣り屋敷は同級生・渡部杏子の生家の病院〇 夏至来れば柘榴の珠の割れるころ渡辺病院黒塀越しの〇 黒塀に縋りて柘榴を捥ぎ取るは悪たれ小僧の永沢庄司〇 鹿子畑とふ変な苗字の級友も既に黄泉路をたどる存在〇 創業は元和元年!ご破算の木村酒造の惣領息子〇 元来は...
〇 落ち蟬の骸(むくろ)つぶれてシャッター街 おらが総理は既に死に体 二嶋 結 九月初めの土日に、私は、凡そ十年ぶりに生まれ故郷の秋田県湯沢市に帰省した。 山形新幹線の新庄駅で奥羽本線の鈍行に乗り換え、秋田県側に入ってから二つ目の横堀駅が現総理・菅義偉氏の故郷駅であり、私の下車駅は、それから三つ目の湯沢駅である。 湯沢駅で下車し、駅前通りを五分ほど進み、大町と柳町の境目の交差点を左折してから...
十二首連作「成城臼井の有料レジ袋」 二嶋 結〇 風立ちぬ!お腹膨れぬ!飛び去りぬ!<成城臼井>の有料レジ袋!〇 成城学園前駅・駅前の果物店が前身だとはややややこしい!〇 お高くて毛嫌いされてる臼井嬢「性情薄い!」と囃され泣いた!〇 紀ノ国屋・明治屋ぐらいは眼じやないぜ!盛者必衰<成城臼井>!〇 BENZ以外は駐車禁止と聞いてたが、成城臼井の駐車場 !〇 「BENZほか外...