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  • 二十一歳 志賀さん(1)

    十二月に入り、仕事が忙しくなっていた。 そんな中、関連会社の営業マンが出入りしていて、会話を交わすようになっていた。 私より5つ年上の26歳。 志賀 圭一郎さん。 身長は175cmくらいで標準体型。 お洒落で話が面白く、ハンサム。 本店に限らず、志賀さんに好意を寄せている女...

  • 二十一歳 トキ(5)

    23時に電話が鳴った。 急いで出る。 「早いね。」 とタクオが笑っていた。 私も笑う。 「した?」 タクオが聞いてくる。 「うん。」 と答える。 耳許で聞こえるタクオの声をずっと聞いていたい。 今日のセックスの話をした。 タクオは静かに聞いていた。 「クリでイッた時に何を考...

  • 二十一歳 トキ(4)

    私はジャスミンに電話を掛けた。 0時を回っていたけれど、多分起きているはずだった。 コールしてもなかなか出ない。 切ろうとした時に、ジャスミンが出た。 「もしもし。夜分にごめんね。」 そう言うとジャスミンは笑った。 「お風呂から出たとこだったんだよーっ。取るのが遅くなってご...

  • 二十一歳 トキ(3)

    トキとの次はない。 そう思っていた。 23時のタクオからの電話に私はコール2回で出た。 R「もしもし。」 T「ルル?元気?」 R「元気だよ。元気?」 T「元気だよ・・・電話に出たってことは何かあった?宿題?」 R「うん・・・」 T「話してみて。」 大好きなタクオの声だった。...

  • 二十一歳 トキ(2)

    マジマジとトキの顔を見つめる。 高校時代にあんなにモテていたけれど、顔自体はハンサムでも何でもなかった。 腫れぼったい目はめちゃくちゃ小さい。 鼻先が丸くて、全体的にチャウチャウ犬のような顔だった。 ただ、唇の形は魅力的だ。 口角がキュッとしていて、ポッテリとした下唇が色っ...

  • 二十一歳 トキ(1)

    本店に移動になって1ヶ月が過ぎた。 小さな支店とは違って、本店は人間関係がドライだった。 私にはそれが有り難く、それなりに快適だった。 私の担当は窓口業務だ。 窓口には切れ間なくお客様がやってくる。 カルトンを出して通帳を受けとる作業を淡々とこなさなければならない。 「おい...

  • 二十一歳 南口(16)

    東京駅で待ち合わせしたジャスミンとタクオに見送られて、私は新幹線に乗り込んだ。 帰りたくなかった。 でも、そんなわけにはいかなかった。 私はずっとタクオの宿題について考えていた。 考えてはみるものの、私とセックスしてくれるような男子は周りにいなかった。 身近な男性なんて職場...

  • 二十一歳 南口(14)

    身体の力が入らなくなる程、私は何度もイカされた。 汗と涙で濡れた頬をタクオの舌が撫でていく。 後ろから突かれると内腿がプルプルと震えて、背中が粟立つ。 乳房を揉みし抱かれ、白い波に拐われるような感覚がする。 「愛してる。」 耳許で囁かれて、私の子宮がペニスを締め付けた。 シ...

  • 二十一歳 南口(14)

    下着を着けようとした私に 「そのままでいいよ。」 とタクオが言う。 寝室で抱き寄せられると、タクオの右手が私の頬を包む。 「まだ痛いよね。」 口角の傷に指先で触れながら、タクオが聞いてくる。 頷くと、舌先で傷に触れてから唇を舐められた。 「ルルは綺麗だよ。大丈夫。」 と言わ...

  • 二十一歳 南口(13)

    ジャスミンが泡風呂が作れるボディソープを用意してくれていた。 浴槽にソープを垂らしてシャワーを当てるとモコモコとした泡が発生する。 ストロベリーの甘い香りは駄菓子のフーセンガムの香りを思い出させた。 ぬるめのお湯に浸かり、身体を泡で撫でる。 タクオが手を伸ばして私の乳房をま...

  • 二十一歳 南口(12)

  • 二十一歳 南口(11)

    日本製では合うサイズがなくて、私はインポートの下着を着けていた。 学生の時は70Eで何とか凌いでいたが、つけ心地は悪かった。胸が潰れるし、アンダーを大きくすると不意にホックが外れることもあった。 65F。 身体に合ったサイズの下着をつけた時は感動した。動いても、身体の動きに...

  • 二十一歳 南口(10)

    電話が鳴る音で目が覚めた。 タクオに声を掛けると、反動をつけて起き上がり電話に出た。 ジャスミンからだった。 時計を見ると22時。 どれくらい眠っていたんだろう。 寝返りをうつと、筋肉痛のような痛さを感じた。 よくよく考えてみると5ヶ月ぶりのセックスだ。 ゆっくりと身体を起...

  • 二十一歳 南口(9)

    しつこく耳に舌を這わせてくる。 セックスのスイッチが入るように、膣が熱くなる。 滲み出すようにじんわりとヴァギナが濡れてくるのが分かった。 タクオのぺニスが固くなって太股にあたる。 手を伸ばしてソッと撫でた。 「入れたい。」 タクオが囁く。 私を横向きにすると、後ろから抱い...

  • 二十一歳 南口(7)

    ジャスミンに連絡を取って、部屋を整えると私達は部屋を出た。 明日のお昼にはまた戻ってくる約束をした。 タクオはギンガムチェックのボタンダウンシャツに黒のチノパンツを合わせ、ハイカットの黒コンバース、黒のリュックだった。 タクオはいつもオシャレだ。 私はタクオに合わせて黒のテ...

  • 二十一歳 南口(7)

    元々私は濡れにくいのだと思う。 シロさんとする時も濡れなかったり、濡れてもすぐに渇いてしまうことが少なからずあった。 渇き始めると痛かったが、シロさんに悪くて途中で止めて欲しいと言えなかった。 「濡れにくい体質かもね。」 とよく言われていた。 でも、何回かに一回はビショビシ...

  • 二十一歳 南口(6)

    目が覚めると隣でタクオが寝息を立てていた。 頭が痛くて、ほんのり気持ち悪かった。 昨日のワインのせいだろう。 「これが二日酔いというやつか。」 そんなふうに考えながら、目を閉じた。 次に目が覚めると6時過ぎだった。 タクオはもう起きていた。 「おはよう」 そう言ってソファー...

  • 二十一歳 南口(5)

    テーブルの上を片付けようと立ち上がろうとして、バランスを崩した。 タクオに抱き止められた。 どちらかと言うと私はお酒が強い。 呑んでも、自分で歩けなくなるようなことはそれまでなかった。 「ストローでワイン呑むとほんまに酔っぱらうんやね。」 と言うとタクオが小さく笑ったのが分...

  • 二十一歳 南口(4)

    私は東京行きの航空チケットを片道分購入した。 夕方のチケットが取れてホッした。 母親には 「体調不良の先輩の代わりに三泊四日で東京研修に出ることになった。」 と嘘をついた。 「そんな顔で行くの?」 と当然のことを言われたが、マスクしてれば分からない、と交わした。 電話の呼び...

  • 二十一歳 南口(3)

    当日は支店長も参加していた。 地元の方々に混じってお祭りに参加した。 お祭りの場所は銀行の真裏だったので、更衣室で浴衣に着替えた。 マリさんは大胆な花柄の藍色の浴衣ですごく色っぽかった。 私は白地に藍色の切り替えが入ったシンプルな浴衣だった。 盆踊りは20時からだが、それぞ...

  • 二十一歳 南口(2)

    相変わらずの先輩女子の対応だったが、優しく接してくれるパートさんもいたから何とか頑張れた。 マリさんとマリさんの彼氏のジョウさん。 私の前年に入行した男性行員さんちゃん(彼女なし) と四人でカラオケに行ったり、食事することが増えていて一人じゃない気持ちにもなってきていた。 ...

  • 二十一歳 南口(1)

    3月の末から、私は働き始めた。 地元の銀行に就職した。 30人程の支店に配属となり、普通預金を担当した。 仕事内容に適正があるとは到底思えなかったが、お給料を頂く以上はちゃんと働かなければならない。 後から知ったことだが、私はコネで入行したらしい。母親がお偉いさんに頼んだと...

  • 二十歳 ジャスミンとタクオ(61)

    案の定、母親にはこってりと絞られた。 気持ちが落ちるようなヒステリーだったが、無視されるよりはマシだと自分に言い聞かせて乗りきった。 「タクオは無事に帰れただろうか。」 そのことが気になった。 子供ではないし、旅慣れているから大丈夫だと理解していても気になる。 タクオの電話...

  • 二十歳 ジャスミンとタクオ(60)

    夜行バスはすごく狭かった。 でも、その狭さが私達にはありがたかった。手を繋いで寄り添うように小さくなってウトウトと眠った。 5時半過ぎに岡山についた。 ここでタクオは新幹線で東京に向かって帰り、私は実家に向かう電車に乗る約束だった。 実家のある町まで送ると言ってくれたけれど...

  • 二十歳 ジャスミンとタクオ(59)

    私は困った顔をしていたと思う。 タクオは涼しい顔をして隣に座ると私のスーツケースを自分の膝の間に引き寄せて、私の手に自分の手を重ねた。 手を繋いで電車に乗り込んだ。 流れて行く外の景色を黙って見ていた。 私は幸せだった。 今出来る精一杯のことをしてくれることが嬉しかった。 ...

  • 二十歳 ジャスミンとタクオ(58)

    濡れた私のお腹と内腿等をティッシュで拭き取ると腕枕をしてくれた。 タクオの身体に自分の身体を寄せて胸に顔を埋めた。 泣きたくないのに、涙が止まらなくなる。 タクオを困らせたくはなかった。 「愛してる。」 タクオは私の髪にキスをしながら、何度も言ってくれた。 顔を上げて唇を重...

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もうすぐ50歳、いつ死ぬか分からないから、自分の人
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