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2018/08/24

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  • 不朽の名作。秋山父子の活躍、剣客の生きざま、すべてが体に馴染む。池波正太郎さんの「剣客商売」を読み返す。

    近頃、「剣客商売」を読み直している。 まだ、本満載の船便、第二弾が届かないものだから、 本棚にしまってあるシリーズを引っ張り出して来た。 ワタシなぞが、書くまでもない、 超有名な名作シリーズだ。 今から、半世紀前に書かれたものだが、 いつ読んでも、面白い、唸らされる。 今、次から次へと出版されている大衆小説の中で、 これから半世紀後の読者をこれだけ楽しませるものが、 果たしてどれほどあるのだろうか。 シンプルで、自然で、分かりやすい文体。 こちらの読む流れを止めることは、全くない。 秋山小兵衛の人柄や、考え方、生き様、 すべてが、体にしっくり馴染んでくる。 江戸の匂いが、そのまま、こちらへ流れ…

  • 事件の繋がりは明らかになるが、さらに深い泥沼にはまったような…。黒幕の正体が浮かび上がり、決着へ…。伊兼源太郎さんの「残響 警視庁監察ファイル」を読む。

    残響 警視庁監察ファイル 作者:伊兼 源太郎 実業之日本社 Amazon あ~、三作目にして、やっと、片が付いた、のだよね。 二作目から、いろいろな人物や部署が関わり、 置いてかれないように、何とか、ついていったつもりだが、 ここに来て、より複雑さを増し、 かろうじて、本筋だけは見失わないですんだみたいだ。 黒幕一人の思惑に、すべての人物が駒として動かされた構図は、 すべてが、むなしい。 正義もへったくれもなく、そして、人の命も…。 決着をみたのだとしても、後味の悪さが残った、かもしれない。 結局、監察の話だから、組織の膿だの、権力争いだの、 生臭い物語になるのは仕方ないが、 佐良や皆口の活躍…

  • おちかと勘一の行く末は、どうなるのだろう。どうしても気になる…。宮部みゆきさんの「三鬼」と「あやかし草紙 三島屋変調百物語」を読み返す。

    三鬼 三島屋変調百物語四之続 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon 「三島屋変調百物語」シリーズの第四作、「三鬼」を 何度繰り返して読んだことだろう。 このシリーズ、現在は聞き手が富次郎に移ってしまったが、 やはり、百物語は、三島屋おちかの物語だと思うので、 何か、物足りなさを感じる。 それで、どうしても、過去の作品を読み返してみたくなるのだ。 特に、「三鬼」の最終話は、淡い恋心を抱いていた利一郎との別れ、 そして、お勝が「縁がある」と言った瓢箪古堂の勘一との出会…

  • 「ぼんくら」シリーズを上回るか、期待度ハンパない。宮部みゆきさんの「きたきた捕物帖」を読む。

    きたきた捕物帖 作者:宮部みゆき PHP研究所 Amazon この作家さんは、人物描写がホントにうまい。 登場人物一人ひとりが、出てくると同時に、こちらの心をわしづかみにする。 だが、この作品の主人公、北一のキャラは、まだ、ぼうっとしている。 心を持っていかれるほどではない。 ま、最初からシリーズものだと決まっているらしいから、 これからなのだろう。 それよりも、目の不自由な松葉や、 「桜ほうさら」にも登場した差配の富勘といった、 脇を固めている人々、そして、北一とコンビニなるという、 喜多次のほうが、初回から、気になって仕方ない。 「桜ほうさら」の富勘のように、別の作品のキャラが、 シリーズ…

  • 「ジンイチ」チームが次に挑むのは、警察資料の流出。斉藤を殉職させたのは。誰が黒幕なのか…。結末は遠い。伊兼源太郎さんの「ブラックリスト 警視庁監察ファイル」を読む。

    ブラックリスト 警視庁監察ファイル (実業之日本社文庫) 作者:伊兼 源太郎 実業之日本社 Amazon 読んでから視るか、視てから読むか、 よく、提起されること。 ワタシの場合、後者だった。 TVドラマ「密告はうたう」を視て、読んでみようと。 その時点で、もう、シリーズ三作目が出ていたので、 二作目から読み始める。 この作家さんの他の作品を読んだことはあった。 でも、そもそも、警察官同士がわちゃわちゃする、 監察の物語はそれほど好きではなかったから、 避けて通っていただんだけど。 でも、このシリーズは、TVの連続ドラマのように、続くんだわ。 一作目の事件も解決しないうちに、別の事件が起こり(…

  • 小学生、中学生、高校生の女の子たちが、過去の殺人事件に関わっていく…。ほんわかミステリーと思いきや。甘いお菓子の中に隠されているのは、苦い…?大崎梢さんの「さよなら願いごと」を読む。

    さよなら願いごと 作者:大崎 梢 光文社 Amazon 悪意のあの字もなさそうな装丁。 この作家さんの持つ、ふんわり、柔らかで、温かみのある これまでの作品の雰囲気にぴったり、と、思いはするのだが、 人生の苦味だって、そして、悪意さえも存在する。 第一話は小学生、二話は中学生、そして三話が高校生、 どれも女の子の視点で、物語は紡がれていくのだけれど、 各話の橋渡しをしていくのは、殺人という、 禍々しいもの。 それも、小さな女の子が殺された事件。 若い彼女たちが、悲しい想いに囚われて欲しくないなぁ、 そう思って読み進めてきたが、 ホッと胸をなでおろすような結末は、 この作家さんならでは。 甘さと…

  • 刑事指導官時代の風間。新米刑事を震え上がらせる雰囲気は相変わらず。そして、物語は、警察学校へと…。長岡弘樹さんの「教場X 刑事指導官・風間公親」を読む。

    教場X 刑事指導官・風間公親 作者:長岡 弘樹 小学館 Amazon お馴染み、「風間公親」シリーズの刑事指導官時代の物語。 全六話の短編が収録されている。 新米刑事が送り込まれるのは、風間がみっちりと刑事の イロハを教え込む「風間道場」。 前作、「教場0」の続編のようなものか。 この作品も、犯人が初めから判明している倒叙法で描かれている。 新米刑事が洞察を働かせ、どう、真犯人に迫るのか。 そして、それを風間がどう、導くのか。 「交番勤務か、警察学校に逆戻りするか」、 風間道場門下生は、風間の無言の圧に、常にさらされる。 六話目は、少々、変化球。 現場に呼ばれるのは、新米刑事ではなく、かつての…

  • 何のために検事になったのか。浅草を吹く風に乗って、生身の検事の声が聞こえてくる。直島翔さんの「転がる検事に苔むさず」を読む。

    転がる検事に苔むさず 作者:直島翔 小学館 Amazon 調子は軽いんだが、キッチリと芯が通っている作品で、 非常に安定感があった。 東京の中心でキビキビと仕事をする、 冷静かつシャープな検事の物語、 ではなく。 いやに人間味あふれた、隣にでもいそうな検事だった。 不勉強で、東京区検察庁というものがあることを初めて知った。 舞台は浅草で、だからこそ、柔らかな雰囲気が とっつきやすかったのかもしれない。 主人公は、浅草分室に勤める検事、久我周平。 検察庁の勢力図の争いに巻き込まれたり、 嫌味な同僚に絡まれたり、思春期の娘を抱えた父親だったり、 それが、それほど深刻で、肩に重い感じではないところが…

  • 今度は、新米刑事時代に逆戻り。凪子の熱く、初々しい活躍、これもまたいい。松嶋智左さんの「貌のない貌 梓凪子の捜査報告書」を読む。

    貌のない貌 梓凪子の捜査報告書 作者:松嶋智左 講談社 Amazon 一度、気に入った作家さんの作品を読みつくす。 というわけで、続けざまに。 「虚の聖域」の続編。 当然、探偵、梓凪子のその後の物語なのかと思ったが、 なんと、新人刑事時代のエピソード。 これは、やらかしたという件の話かと思いきや、 全く別の事件の話。 前作は「調査報告書」で、こっちは「捜査報告書」。 と、振り回された感じだが、そう思うのは、こちらの勝手な思い込みか。 周囲から期待などされず、失敗を繰り返し、それでもナニクソと、 前へ進む。 新米で、足が速いだけが取り柄のペーペーの一捜査員で、 だからか、探偵になった後の凪子より…

  • 「やらかし」て警官を辞め、探偵になった凪子。不仲の姉から、息子の転落死の真相を探ってくれと依頼されるのだが…。松嶋智左さんの「虚の聖域 梓凪子の調査報告書」を読む。

    虚の聖域 梓凪子の調査報告書 作者:松嶋 智左 講談社 Amazon 「調べつくすのが、私の流儀」と言い切る。 流儀をうんぬんするのは、もはや、ハードボイルドだ。 この作品は、主人公の梓凪子が探偵であるということばかりでなく、 皮肉たっぷりの言い回しや、乾いた文体、 前の作品、二作の警官小説とは趣を異にした、 完全なるハードボイルである。 女探偵のハードボイルドとなると、頭に浮かぶのが、 若竹七海さんが描くところの、「葉村晶」が頭に浮かぶ。 物事や人を、斜めから、裏から見、 冷えたところ、歪みがありそうな葉村が大人だとすると、 凪子は、多少、子どもじみたところがなくもない。 乾いた文体が小気味…

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