「闇が滲む朝に」🐏章 第19回「ちみの瞳に恋してるってか!?」
秘めた二人の逃避行? 「この前に外出したのはいつだったかねえ。夏ごろだったかなあ」 はなえがタクシーの窓の外を眺める。「8月頃・・・・?」「そうだね。確か・・・・」 タクシーが信号待ちで停車した。「確か息子夫婦と食事したんだね・・・・」 再び、タクシーが動き出す。 「息子さんたち、たまに来るの?」 徹が聞いた。「そう。たまにね・・・・」 やがてタクシーが「キツネ駅」近くの繁華街に入った。繁華街の街燈で一瞬、車内が明るくなった。 「その辺で止めてください」 「キツネ駅」に通じるエスカレーターの前でタクシーが止まった。徹が料金を確認すると運転手に千円札を渡した。「はい、710円ですね」 運転手は言…
2020/01/29 11:30