「闇が滲む朝に」🐑 章 第10回「ぶうん!! ん?突然の五十六の足蹴りに怯む」
中華屋の客はほとんどが建設作業員 「中華屋・ぶんぺい」はいつの間にか満席になった。客のほとんどが建設作業員だ。 騒がしい中で徹は「ちゃんぽん麺」をすすりながら目を閉じた。熱いのだ。 「弟さん、クリーンモリカミで働いてどれくらいになるんですか」 徹は五十六の顔を見た。 「七八か、さあ、どれくらいかなあ。結構、長いんじゃねえの。『キタキツネビル』で働いているよ」 五十六がぐびっとビールを飲む。 「『キタキツネビル』には面接にいきました」 徹が水を飲む。 「そうか。でかいビルだよな。そこでは仕事してないのか」 五十六がくみ子に手招きすると空のビールグラスを渡した。 「ええ、面接で『ラッキー園』に行く…
2019/12/29 13:13