クロール
深夜。 日々の生活に彩りを加えるメランコリー気質が、またもドドメ色のスプレーを噴射した。 こういう時はどこかに吐いた方がいい。 ネット上は避けるべきだ。 なのでこの頃は、気が付いたその時にメモ帳に書き出すことにしている。 つっても、書くような落ち込むことがなけりゃそれがいちばんだろ。夜の日付も変わりかけの時間になにも布団から起き上がって、書くっていっても言っちゃあ泣き言じゃねえか。 と、体調の悪さを示唆させる悪態をつきながらもメモ帳のあるリビングへ、足取り重く向かった。 母がいた。 背中をぐりぐり押さえたり揉んだりしている。 ウーウー言っている。 私が「どうしたの」尋ねようとした瞬間、こちらを…
2021/09/07 18:14