創作『此岸より』
「青春」を遠く眺める場所に身を置いた私は 過去を懐かしむには早いとはいえ もうこの手に「青春」はいないある人がよく泣きよく嘆き哀愁を着た場面に またある人が居合わせただけのひとつの事象から 尊さを贈り合い輝きを与え合う 夢を誰もが見ていたのだ「青春」の効力が切れ始めた時 薄目を開けた視界の先には 絶えず明るい街並みが広がっていたただただ涙を呑み別れを告げる 明るい街のひとりになった **************** essay 青春期は、余りあるエネルギーが万能感と不全感の表裏となり、それらが激しい痛みを伴って自分自身を追い詰める。全ての感情に美しさが与えられることも青春期の特徴であり、多くの…
2019/12/27 00:18