危話§首都高速は右へ左へ
運転免許を取ったのは、ちょうど三十代に入った頃のこと。住んでいたあたりは、駅までの便がバスしかなかったのと、仕事があまりにも忙しくて、食料品などのまとまった買い物は週末にしかできなかったりだった。 それで音を上げて免許を取ったのだが、まあおもしろいことに高速道路の運転はさほど怖いと思わず、さっさと走り始めたのだ。理由は簡単で、会社からの午前様&朝帰りにはタクシーが利用できて、タクシーが首都高から中央自動車道を走ることで、経路が頭の中に入ってしまったのである。 特に都心から首都高四号線の流れは、ほぼ完璧に把握してしまった。どこに出入口があるのか程度だが、首都高には建設時のスペースの問題ゆえなのか幡ヶ谷出口や高井戸出口のように、右車線から一般道に出て行くようになっていて、慣れない人には混乱を生じさせるところがあるのだ。 そんな不親切な構造の首都高を、自分が使うことになった時、..
2023/06/30 00:01