【シスター・コンソラータ ー 愛の最も小さい道 ー】(第4部・第29章)完結
第二十九章燔祭〈なつかしい修道院へもどる〉コンソラータはなつかしい修道院を去る時、もはや二度と戻れまいと考え、完全な犠牲をささげたが、一九四六年七月三日、イエズスのおはからいによって、再びモリオンドヘ帰れるように諸般の事情が運ばれた。その知らせが患者たちの間に広まると、コンソラータの病室はどんどん混んでいった。もう一度コンソラータを見たい人々がつめかけ、数人は泣いていた。だがコンソラータは落ち着いていて、微笑しながら人々にこたえていた。コンソラータの目方は今三十五キロとなり、二十年前、修道院にはいったころに比べ、三十キロも減った。カプチン会の修道服は骸骨をおおい隠しているようだった。患者運搬自動車には指導司祭と姉のテレサが付き添った。コンソラータは担架の上に寝ていた。目を半分閉じたまま絶え間なく愛の心を起こすこ...【シスター・コンソラーター愛の最も小さい道ー】(第4部・第29章)完結
2020/07/28 23:31