倖せの人 ユノの物語 121
扉の閂が重い音をたてて、ユノは敷布に埋めた顔をゆるゆると上げた。開いた扉の向こうにはゴヌが立って、中を覗いていた。「ジオ、お前は俺が呼ぶまで閂をかけて外で見張ってろ」後ろに控えるジオに言うと、ゴヌは部屋に入り後ろ手で扉を閉めた。ユノは身体を起こして寝台の縁に腰掛けた。ゴヌはゆっくりとユノに近づいてきた。黙ったままユノを見下ろすゴヌは浅黒い顔に気味の悪い笑顔を浮かべていた。「……ユ デヒさんは、私をど...
2023/03/18 23:08
2023年3月 (1件〜100件)
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