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ユノとチャンミン ふたりのanother worldへようこそ

BL・GL・TLブログ / 二次BL小説

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2018/04/06

  • 倖せの人 ユノの物語 121

    扉の閂が重い音をたてて、ユノは敷布に埋めた顔をゆるゆると上げた。開いた扉の向こうにはゴヌが立って、中を覗いていた。「ジオ、お前は俺が呼ぶまで閂をかけて外で見張ってろ」後ろに控えるジオに言うと、ゴヌは部屋に入り後ろ手で扉を閉めた。ユノは身体を起こして寝台の縁に腰掛けた。ゴヌはゆっくりとユノに近づいてきた。黙ったままユノを見下ろすゴヌは浅黒い顔に気味の悪い笑顔を浮かべていた。「……ユ デヒさんは、私をど...

  • 倖せの人 ユノの物語 120

    ユノは再び後ろ手に縛られ、馬車の荷台に乗せられた。今度は若い方の手下のジオが一緒に荷台に乗り込んだ。ユノが逃げないよう見張るためだ。ユ デヒが自分をこのまま帰す気はないことをユノはあらためて悟った。「あの…… お訊きしたいんですが……」馬車が動き出してから、ユノはジオに向かって声をかけた。轍の音に紛れて、ユノの声は表の二人には聞こえないだろう。「ユ デヒさんは、どうして私を一緒に連れていくのでしょうか?...

  • 雑談

    おはようこざいます。二人の誕生日イベントが無事に終わりましたね。二日間、素敵な動画や写真、コメントで楽しませてもらいました。ツアーも始まって、参戦した方達の興奮と喜びいっぱいの記事を羨ましく思いつつ楽しませていただいています。今回のツアーは、ビギ先行とオフィシャル先行で敗れ、自分の体調等もあって、参戦を諦めました。ドーム追加も発表ありましたが、東京大阪は無理~一回、福岡ドームでもやって欲しい!九州...

  • HAPPY BIRTHDAY 2

    僕の幼馴染み、二つ歳上のユノヒョン。男らしくてカッコよくて、スポーツ万能、頭だっていい。でも、少しもそれを鼻にかけたりしないし、誰にでも優しくて思いやりがあって、小さい頃からいつだって、みんなの人気者だった。今になって思い出せば、僕は幼稚園の頃から、いつもユノヒョンの後を付いて回っていた。恥ずかしがりで、自分から人の輪の中に入ってゆくことができなかった僕だったけど、ユノヒョンだけはいつも僕の相手を...

  • HAPPY BIRTHDAY 1

    俺は両手いっぱいの荷物に溜め息をつきながら、早足で家へと急いでいた。今日は俺の18回目の誕生日だ。毎年この日を友人達が祝ってくれる。今日も俺のために近くのカラオケボックスでパーティーを企画してくれている。その前にこの荷物をとりあえず家に持って帰り、私服に着替えてから出かける予定だ。パーティーのあと家に戻れば、多分両親と妹がケーキとプレゼントを用意して待っていてくれるはずだ。それはここ数年、恒例行事み...

  • 倖せの人 ユノの物語 119

    馬車の荷台を覆う幌の隙間から、外の明かりが射し込んでいる。ユノは薄暗い荷台の床に横向きに寝そべっていた。砂利道を進む馬車の振動が全身に伝わる。九月初頭の昼間、荷台の中は蒸し暑かった。荷台にはロウンの店から運び出された家具や調度品が無造作に積み込まれていた。馬車が揺れるたびにそれがギシギシと擦れ合う。職人達が丹精込めて作った物が粗末に扱われるのがユノには腹立たしく、しかしどうにもできないのが辛かった...

  • 倖せの人 ユノの物語 118

    ユ デヒは椅子に深々と腰掛けて、ユノとヨンスクを交互に眺めて薄笑いを浮かべていた。巻き煙草を何度か吸うと、指先で弾いて床に灰を落とした。ヨンスクはそれを見て顔をしかめて声をあげようとしたが、ユノが手を握ってそれを押し留めた。普段は温厚なヨンスクが、今は苦虫を噛み潰したように渋い顔で必死に怒りをこらえている。ユノは片腕にポムをしっかりと抱きしめ、優しく頭を撫でた。ユノはユノで、そうして自分の気持ちを...

  • 倖せの人 ユノの物語 117

    ハン ロウンの葬儀は、街を挙げての盛大なものだった。ロウンの家から墓所まで、葬列は一時間ほどかけてゆっくりと街の通りを進んだ。どの商店も店を閉め、街中の人々が葬列に向かって花を手向け手を合わせた。葬列には職人組合の親方衆と林業組合の木こり衆が整然と並んだ。それぞれの総代のウソンとホソクが先頭で棺桶の両脇をかかえ、その後にそれぞれの顔役が続き、ユノは一番後ろでミンヒョンと左右に並んで棺桶を支えた。ソ...

  • 倖せの人 ユノの物語 116

    その場に泣き崩れて嗚咽を漏らしていたヨンスクは、暫くして落ち着きを取り戻した。いつまでも泣いているわけにはいかない。これから忙しくなるのだ。ヨンスクは涙を前掛けで拭って、よろよろと立ち上がった。ユノはベッドの上でまだロウンを抱き寄せて、小さな子供にするように髪を撫でつけ、頬に指を滑らせている。すぐ横まで歩み寄ってもヨンスクの姿は目に入らない様子で、穏やかな顔つきでただ一心にロウンを見つめていた。「...

  • 倖せの人 ユノの物語 115

    「どうでしたか?」「え、ええ……」ヨンスクの問いかけにユノは小さく答え、差し出された両手に食器を乗せた膳を渡した。食の細くなったロウンのために食べやすく工夫された夕食は、殆ど手付かずのまま残されていた。「じっとしているばかりで腹も減らないと言われて……あ、でも、野菜のスープはお召し上がりになって、とても美味しいと……」「そう、よかった」ヨンスクはほっとしたように目尻を細めて頷いた。少しでもロウンが口にし...

  • 倖せの人 ユノの物語 114

    ウソンはロウンの部屋を出て食堂へ向かった。昼食は煮しめだろうか、醤油の煮える甘い匂いが厨房から漏れている。「旨そうな匂いだな」「あ、ウソン親方。ロウン様は?」流し台に向かって昼食の用意をしていたヨンスクが振り向いた。「話し疲れて眠った。昼食ができるまでそっとしておいてくれ」「そうですか。承知しました」ヨンスクはほっとしたように肩の力を抜いた。鍋の火を止めると前掛けで手を拭いて、ウソンのために冷茶を...

  • 倖せの人 ユノの物語 113

    ユノとミンヒョンが部屋を出ていってしまうと、部屋の中はしんと静まった。ウソンは旧友の穏やかな顔をじっと見つめ、かける言葉を探す。ロウンの目が見えないことが今は良かったと思う。どんな顔でロウンと向き合えばよいのか、ウソンには冷静でいられる自信がなかった。忙しさに追われて暫く会わなかった間に、ロウンは急激にやつれていた。夏の暑さがこたえたのか、顔色は悪く頬はこけ、半袖の寝間着から覗く痩せた腕は赤黒く浮...

  • 倖せの人 ユノの物語 112

    コンコン、と、扉を叩く音に、ロウンは微睡みから引き戻されてた。「ロウン様、起きていらっしゃいますか?」ユノの柔らかな声の方へゆっくりと顔を向けた。風通しを良くするために部屋の入口の扉は開かれたままで、扉の陰から顔を覗かせて微笑むユノを頭の中に思い浮かべる。今日のユノの声は明るく穏やかだった。ユノの小さな声の変化にもロウンは敏感になった。姿が見えないからこその気付きだった。余計なことは話さないユノだ...

  • 倖せの人 ユノの物語 111

    「ソルリ様が、ユ デヒへ嫁ぎたいと……自ら御主人様に許しを請われたのです」そう言うと、ヨンスクは気持ちを落ち着かせるようにゆっくりとお茶を啜った。「それは、ソルリ様もユ デヒ様をお好きだったということですよね?誰にも知られないうちに、二人は相思相愛の仲だったのですね……」ユノはソルリとユ デヒの密かな愛を夢想した。美しい深窓の令嬢の恋とは、ユノの好きな小説の中の物語のようだった。「……ソルリ様は、それまで...

  • 倖せの人 ユノの物語 110

    「……ユノさんもご存知のように、元はこの辺りの土地のほとんどが代々ハン家の所有地で、今、林業組合と家具職人組合の事務所が建つ場所には、かつてはハン家の立派な御屋敷が建っていました」ヨンスクは湯呑みを食台に戻して、ゆっくりと語り始めた。「ハン家の御主人様……ロウン様のお父様は、ソンサンの街の誰からも尊敬される立派な方でした。奥様はとても穏やかで上品な美しい方でしたが、生まれつきお身体が弱く、しかし御主人...

  • 倖せの人 ユノの物語 109

    ユノはロウンの寝室の扉をそっと開けて中に入った。眠っていると思っていたロウンはすぐに顔を動かして、「ユノ?」と、小さく名を呼んだ。「起きてらしたんですか」「ああ。……ん? これは……山梔子(くちなし)か?」「よくおわかりになりましたね」ユノは微笑むとロウンの寝台の横へ進んだ。「先ほど先生をお見送りに下に降りたら、良い香りがして……」裏庭に山梔子の低木があり、白い愛らしい花を咲かせていた。ユノは一枝だけ手折...

  • 倖せの人 ユノの物語 108

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