手を伸ばせば⋯⋯ The Final 7.
街灯に彩られた煌びやかな街中を、俺たちを乗せた車はスムーズに走る。戸惑うつくしを引き摺るようにして車に押し込めたが、しかしつくしは、繋いだ手を決して離そうとはしなかった。その手を見て改めて思う。────この小さな手があれば、他には何にも要らねぇ、と。 手を伸ばせば⋯⋯ The Final 7.「緊張すんな、大丈夫だから。腕の良いって評判の医者だ」少しだけ汗ばむつくしの掌。緊張が伝わってくるようで、小さな手の甲を、慰...
2022/08/31 00:00