いいんだよ

いいんだよ

思えば、たくさん回り道をしたものだ。 母から認められたい、愛されたいという 思いが根底にあったわけだが、 その思いを認めるのにも時間がかかった。 記憶を捏造したり取り繕ったり しないでも立っていられるようになるまで そこからさらに時間がかかった。 最初から、ストレートに受け取り 認め、渡せたなら今の私とは かなり違った自分になっていただろう。 けれど私はこの私しかいないし、 なんだかんだ人間臭い自分が好きなのだ。 感情の豊かさを感じられるのは、 翻弄されたことがあるからだし 失っていた2年間包まれていた あの透明な膜を知っているから。 豊かさ=幸せではないと 豊かさ=善ではないと、 自分だった…