アマチュア落語家の太助が、落語入門者のために落語紹介、落語公演情報、お勧めの落語家など紹介します。
落語好きが高じて、落語教室に入り、落語をスタート。実際に自分で落語を話すことで、さらに落語の魅力や奥深さに気づきました。これから落語を見てみたいという初心者の方に、落語の魅力を、伝えていければと考えています。落語入門、お勧めの落語家紹介、落語とビジネス、落語の本・動画紹介、落語公演情報などを書いています。 http://osamuya-tasuke.hatenablog.com/
こんにちはアマチュア落語家の太助です。今回は六代目・三遊亭円楽の自伝『流されて円楽に 流れつくか圓生に』を読む機会があったので、ご紹介します。六代目・円楽といえばテレビ番組「笑点」のレギュラー出演者として、全国的な知名度があります。画面に向かって右から二人目、紫の着物の落語家といえば、お分かりの方も多いはず。笑点では「腹黒い落語家」というポジションで、時おり回答に政治への批判など入れたりもします。本書は、六代目・円楽の口述形式の自伝です。 望んで入門したわけではない落語家への道 ご存知かもしれませんが、六代目・円楽は青山学院大学の落研(おちけん:落語研究会)の出身です。このため、いいとこのお坊…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。そろそろ年末が近づいてきました。流派を超えた落語界もいろいろ開催されるのがこの季節。ぜひ視野を広げて、さまざまな落語家と出合ってください! にぎわい座 名作落語の夕べ「唄う噺特集」 日時:11月2日(土) 開演:18:00 料金:3,100円 出演: 春風亭一花「千早ふる」 桂夏丸「小言幸兵衛」 春風亭一朝「植木のお化け」 入船亭扇辰「紫檀楼古木」 立川龍志「片棒」 場所:横浜にぎわい座 問い合せ:045-231-2515 http://nigiwaiza.yafjp.org/ ⇒一朝、扇辰、龍志、古典落語の練達が繰り広げる落語界。春風亭一朝の演目は、は…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。今回は書籍『なぜ柳家さん喬は柳家喬太郎の師匠なのか?』を紹介します。 師匠は弟子にとって唯一無二の存在 落語業界は、師弟制度の残る極めて特殊な世界です。落語界に入るためには、必ず落語家に弟子入りしなければなりません。弟子入りが認められなければ、落語家になることはできないのです。また、師匠の意向にそぐわないことをしたり、失敗をして師匠から破門されると、弟子は落語界から即座に追放処分となります。 弟子入りすると、師匠のお手伝いや寄席の下働きなどをしながら、師匠から落語を教わっていきます。以前は内弟子といって師匠の家に住み込んで修行する形態もありましたが、住宅…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2019年3月2日、江戸川落語会に足を運びました。今回は会場である江戸川総合文化センターの開館35周年を記念して、昼夜2本立ての興行です。昼は古典落語、夜は新作落語という構成。通し券も発売されていましたが、私は新作の会を観にいきました。 落語会のサブタイトルは「若手競演! 春の落語まつり:夜の部 飛翔!新作落語・改作落語」です。新作落語は大正以降に作られた創作落語を指します。古典落語は従来からある噺を、師匠などから教わり、継承していくものなので、長い歴史の中でストーリーは練り込まれており、所作(動き)も型ができあがっています。新作落語は落語家がストーリー…
暖かくなり、気持ちもゆるんでくるこの時期は、春の落語をいろいろ楽しみたいものです。大の月(31日のある月)の31日は、各寄席では特別興行が行われます。寄席でおめにかかることのできない出演者や特別企画など行われますから、落語ファンは必見ですよ! 池袋演芸場・昼席「新作台本まつり」 日時:下席 3月21日~30日 開演:14:00~17:15 料金:2,000円 出演:主任は日替わり。各日の主任を表記 21日 林家彦いち、22日 柳家はん治、23日 柳家小ゑん、24日 三遊亭円丈、25日 林家時蔵、26日 林家正雀、27日 柳家喬太郎、28日 金原亭世之助、29日 夢月亭清麿、30日 桂才賀 場所…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。落語によく出てくる登場人物は、大体決まっています。長屋の八っつぁん、熊さん、ご隠居さん、おかみさんと子供、商家の大旦那、若旦那、番頭さん。廓噺(くるわばなし)の女郎や幇間。今回は、長屋噺での主要人物、子供について話します。 落語に登場する子供は、長屋暮らしの男の子です。名前は「金坊」「亀吉」。父親は職人で学がない。機転が利いて、弁舌たくみな子供が、父親からうまく小遣いをせしめたり、やりこめたりします。 元気な子供が登場する噺(はなし)なので、老若男女問わず楽しめます。このため、寄席では必ずといってよいほど聞くことのできる落語です。短い噺のため、前座や二つ…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2019年2月~3月のお勧めの落語会をピックアップしました。2019年には、神田松之丞、柳亭小痴楽の人気者二人が真打昇進することが決定しました。落語芸術協会は勢いのある二つ目が多いので、世代交代が楽しみです! 両国寄席 日時:2月12日(火) 開演:18:00 料金:1,500円 出演:三遊亭兼好、王楽、喜八楽、全楽、萬窓、鳳笑、他 場所:お江戸両国亭 問い合せ:03-3635-7619 ⇒円楽一門会は、毎月1~15日にお江戸両国亭で寄席を開催しています。これだけのメンバーの落語をたっぷり楽しめて、お値段は1,500円。両国駅から徒歩7、8分のお江戸両国…
糸井重里『すいません、ほぼ日の経営。』:「おもしろいことないかなぁ」が口ぐせのあなたに
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。あなたの身の回りにいませんか? 「何かおもしろいことないかなぁ」が口ぐせの人。もしかしたら、あなたもそうだったりして……。 このフレーズをよく口にする人は、自分にとっての「おもしろいこと」が何か、はっきりしていないことが多いようです。 自分にとっておもしろいことを挙げて、なぜ好きなのか考える 私は登山が好きです。しかし山登りの経験がない人を、「おもしろい」からと言って、山に誘うことはしません。なぜなら、ある程度の体力や技術、知識を持っていないと、山登りはつらいばかりで、おもしろくもなんともないからです。また山は過酷ですから、体力や装備が伴っていないと危険…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。今回は落語の名作と呼ばれる「子別れ」を紹介します。この落語は、夫の浮気で別れた夫婦が、幼い息子が縁結びとなってよりを戻す人情噺です。上、中、下の三話に分かれる大作で、通しで語ると1時間近くになります。一般的に、「子別れ」というと「下」の『子は鎹(かすがい)』をさします。 あらすじ 上:腕はいいのに大酒飲みで遊び人の熊さん。ご隠居の葬式の手伝いに来たのだが、大酒飲んでいい気持ちになり、吉原に繰り出そうということになる。仕事の前金を貰ったので、気が大きくなっているのだ。「銭がないから」としぶる紙屑屋さんを無理やり連れ出し、吉原で居続けのどんちゃん騒ぎを繰り広…
みなと毎月落語会「白鳥、彦いち、白酒三人会」:白鳥よ、より高みへ!
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年12月11日、赤坂区民ホールで開催されたみなと毎月落語会に行ってきました。出演は三遊亭白鳥、林家彦いち、桃月庵白酒(とうげつあん・はくしゅ)。人気落語家の三人会なので、期待が高まります。 みぞれ交じりの雨が降る平日の夜、会場の赤坂区民ホールには、たくさんの人が集まってきます。仕事帰りの方や、1人で来ている方も多く、この落語会の人気の高さがうかがえます。区民ホールは、客席にかなりの傾斜がつけられた見やすい会場です。開演時間の7時には満席となりました。 トップバッターは、林家彦いち師匠。落語家のダブルブッキング、レベルの低い高校での落語公演など、マ…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2019年2月のお勧めの落語会をピックアップしました。年始興行も一段落した2月は、じっくりと落語を楽しめる季節です。二つ目さんの落語を聴きに行って、未来の名人を探すのも楽しいものですよ! 雲助・一朝・小里ん「立春 雲一里」 日時:2月4日(月) 開演:19:00 料金:3,500円 出演: 五街道雲助「居残り佐平治」 春風亭一朝「火事息子」 柳家小里ん「猫の災難」 場所:日本橋劇場(水天宮前) 問い合せ:03-5809-0550 ⇒達者な師匠が3人そろい踏み。高座名の頭文字を取って「雲一里」。江戸の風情を感じさせてくれる公演会になること間違いなし。雲助師…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2019年1月のお勧めの落語会をピックアップしました。年末年始は、観客も増え、落語がいちばん活気づく季節です。正月気分で、のんびりと聴く落語は最高。ただし、年末年始の寄席はとても混むので、入場はお早めに! 特撰落語名人会「さん喬、菊之丞、白酒」 日時:1月6日(日) 開演:13:00 料金:3,600円 出演:柳家さん喬、古今亭菊之丞、桃月庵白酒 場所:江東区文化センター 問い合せ:03-6240-1052 https://www.eifuru.com/ticket/534 ⇒年明け最初の日曜日は、古典落語の練達による三人会。年初の落語会として、間違いの…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。落語によく出てくる登場人物は、大体決まっています。長屋の八っつぁん、熊さん、ご隠居さん、おかみさんと子供(金ぼう、亀という名が多い)、商家の大旦那、若旦那、番頭さん。廓噺(くるわばなし)の女郎や幇間。今回は、名バイプレーヤーというべきおかみさんを取り上げます。 落語には夫婦をテーマにしたものがいろいろあります。夫はボンヤリしていたり、なまけ者だったりですが、それを支えているのが、しっかり者のおかみさんです。 落語の貧乏夫婦ものの傑作は、なんと言っても「火焔太鼓」でしょう。道具屋の甚平さんは、ボ~としていて商売が下手。つまらないガラクタを高値で仕入れてきた…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。落語を聴いていると、長屋や宿屋、廓など、いろいろな場所が登場します。しかし自分の想像力だけでは、リアルに情景が浮かばないこともあります。そこでお勧めしたいのが「深川江戸資料館」です。 都営大江戸線の清澄白河駅より、歩いて5分。江東区深川江戸資料館の魅力は、何といっても江戸時代末(天保年間)の深川の町並みを実物大で再現していることです。 地下1階から地上2階までの空間に作られた町並みには、表通りには大店(肥料問屋)や白壁の土蔵、船宿が並んでいます。通りに沿って猪牙舟の浮かぶ掘割も作られています。 深川の大店といえば、木場材木問屋、米問屋、そして干鰯・魚〆粕…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年12月のお勧めの落語会をピックアップしました。年末は恒例の落語界などが目白押し。冬にピッタリの落語を聴いて、一年を締めくくりましょう。 文京らくご会「扇遊・兼好二人会」 日時:12月8日(土) 開演:14:15 料金:3,500円 出演:入船亭扇遊、三遊亭兼好 場所:文京シビック・小ホール(春日) 問い合せ:03-6304-8545 ⇒江戸の粋を感じさせてくれる扇遊師匠と、いつも元気いっぱい兼好師匠。二人のコラボレーションが、どんな世界を生み出してくれるのか、期待大です! COREDO落語会 日時:12月9日(日) 開演:17:00 料金:5,…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。いま『棒鱈(ぼうだら)』という噺を稽古しています。 料理屋の二階で江戸っ子が二人で飲んでいる。一人は酒癖が悪く、すでに酩酊状態。芸者を呼んで待っていると、隣の座敷に芸者が大勢入って、大騒ぎしているのが聞こえてくる。隣ではしゃいでいるのは薩摩侍。マグロの刺身を「赤べろべろの醤油漬け」と呼んでみたり、野暮ったい歌ばかりうたうので、酔った江戸っ子は腹が立って仕方ない。相方が止めるのも聞かず、隣の侍の顔を覗きに行くのだが、酔っているのでふすまごと座敷に転がり込んでしまう……。 この田舎侍が噺の中で、国元の歌(?)をいろいろと歌います。 もずの口ばし ♪もずの口ば…
落語ディーパー:東出昌大の落語への熱愛ぶりが微笑ましい落語番組
http://www4.nhk.or.jp/P4544/ こんにちは、アマチュア落語家の太助です。NHKで不定期に放映されている『落語ディーパー』をご存知でしょうか。サブタイトルには、「東出・一之輔の噺(はなし)のはなし」と銘打たれています。 NHKのホームページには、このように番組紹介されています。 落語に魅せられた東出昌大が、「若い世代が落語を知らないなんてもったいない」と立ち上がり、毎回ひとつの演目をとりあげ、春風亭一之輔、柳家わさび、柳亭小痴楽、立川吉笑、雨宮萌果アナウンサーと深―く語り合います。 落語を深く掘り下げて、解説していく番組 この番組では、毎回、落語1話を取り上げ、ストーリ…
『マリア・シャラポワ自伝』トップの座に就き、トップであり続けるための条件
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。最近、「プロとアマチュアの差とは何だろう?」と考え続けています。そこへ飛び込んできたのが、テニスの大阪なおみの全米オープン制覇です。日本人初の快挙ということで、大きなニュースとなりました。テニス好きの太助はこのニュースを聞いて、17歳で全英オープンを制したマリア・シャラポワについて思い出しました。 プロになるまでの波乱万丈の人生 190cm近い身長とブロンドの髪を持つ端麗な容姿のテニスプレーヤー、マリア・シャラポワをご存じの方も多いと思います。17歳にして全英オープンを制覇し、その後、世界ランキング1位を獲得、生涯グランドスラム(4大大会をすべて制覇)も…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年11月のお勧めの落語会をピックアップしました。暑さがやわらいできたと思ったら、早くも年末の情報をお届けする季節になってしまいました。11月はめずらしい組み合わせの落語会も登場します。チケット予約はお早めに! 道楽亭出張寄席 「立川こはる、春風亭百栄師の胸を借りる」 日時:11月4日(日) 開演:18:00 料金:2,500円 出演:立川こはる、春風亭百栄 場所:お江戸日本橋亭(三越前) 問い合せ:03-6457-8366 ⇒旬の若手噺家が,尊敬する師匠の胸を借りるシリーズ。今回は立川こはるが、古典・新作両刀遣いの爆笑王春風亭百栄師匠の胸を借りま…
三越落語会(第605回):さん喬、鯉昇、左龍、扇遊、夢丸 古典の名手が一堂に!
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年9月19日、三越落語会に足を運びました。長い歴史のある落語会で、今回でなんと605回。出演は、三笑亭夢丸(さんしょうてい・ゆめまる)、柳亭左龍(りゅうてい・さりゅう)、入船亭扇遊(いりふねてい・せんゆう)、瀧川鯉昇(たきがわ・りしょう)、柳家さん喬(やなぎや・さんきょう)。 なんとまあ豪華な! 古典落語の名手が勢ぞろいです。太助のいち推しの落語家、夢丸、左龍、扇遊、鯉昇を一度に観られるなんて、滅多にないこと。期待に胸をふくらませて、日本橋三越本店6階の三越劇場に足を運びました。 三越劇場は、世界でも珍しい百貨店内にある劇場です。1927年(昭和…
落語の登場人物:八っつぁん、熊さんのエネルギーが「笑い」を巻き起こす!
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。落語によく出てくる登場人物は、大体決まっています。長屋の八っつぁん、熊さん、ご隠居さん、おかみさんと子供。商家の大旦那、若旦那、番頭さん。廓噺(くるわばなし)の花魁(おいらん)や幇間(ほうかん)。おなじみのメンバーですが、あなたの周りにも、きっと似たような人がいるはずです。ぜひ、探してみてください。今回紹介する登場人物は、八っつぁん(八五郎)、熊さん(熊五郎)です。 落語には長屋を舞台にした噺が多いのですが、この長屋の住人の代表格が八っつぁん、熊さんです。八っつぁん、熊さんという具体名が出てくる噺もあれば、ハッキリと名前は出てこないものもあります。 落語…
『一発屋芸人列伝』:ブームが去っても、戦い続ける芸人たちへの応援歌
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。「プロとアマチュアの違いって何だろう」というテーマで、以前、こんなことを書きました。 将棋や囲碁のように、はっきりと勝敗のつく分野は容赦のない厳しい世界ですが、勝てないことで逆にあきらめがつくのかもしれません。落語家や役者は、勝ち負けのはっきりしない世界です。人気という漠然としたものが、才能のバロメーターになります。それは観客という他者の手にゆだねられているのです。 芸人の世界では、誰もが一度は人気者になることを夢見るでしょう。しかし、人気者になれる芸人は、ほんのひと握りであり、大半は名前も知られぬままの存在で終わります。 中には、学校や居酒屋、ネット上…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉があります。江戸は大火事が多くて火消しの働きぶりがはなばなしかったことと、江戸っ子は気が早いため派手な喧嘩が多かったことをいった言葉です。 とにかく江戸時代は火事が多かったようで、市街を焼き尽くした大火災も10回あります。なかでも有名なのが明暦3年(1657)の明暦の大火、いわゆる振袖火事(ふりそでかじ)です。振袖火事は、江戸時代最大の火災で、江戸城本丸御殿と天守閣が全焼したほか、大名・旗本屋敷1200以上、寺社350余が消失、町の被害はさらにひどく、死者は総計10万人以上にのぼりました。 この火事を契機に都市計画が見直…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年9月後半から10月のお勧めの落語会をピックアップしました。秋は落語を聴くベストシーズンです。趣向を凝らした落語会もいろいろありますので、ぜひ足を運んでください。 第605回 三越落語会 日時:9月19日(水) 開演:18:00 料金:3,500円 出演: 柳家さん喬「寝床」 瀧川鯉昇「武助馬」 入船亭扇遊「藁人形」 柳亭左龍「壺算」 三笑亭夢丸「富士詣り」 場所:三越劇場(三越前) 問い合せ:0120-03-9354 (10:00~18:30) ⇒古典落語の実力者揃いの豪華な落語会。古典落語を堪能したい方には絶対にお勧めです。太助、いち押しの左…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。仕事から疲れて帰り、夕飯を食べて寝るだけの毎日という方も多いかと思います。そんなときは体だけでなく脳も疲れきっているので、難しいことは一切考えたくないし、テレビのニュースさえ見たくないものです。ただ、そのまま布団に入っても、「仕事脳」がオフになっていないので寝つけないことがよくあります。 そんなときにお勧めなのが、寝る前の落語です。のんびりとした口調の落語家さんが語る、のんきな噺(はなし)を聴いていると、脳がリラックスしていくのが実感できますよ。毎晩、寝つけないでお悩みのアナタ。ぜひ、お試しください! 柳家小さん「笠碁」 碁が大好きな商家の旦那二人。両人…
ビートたけし『やっぱ志ん生だな!』:たけしが認める落語家の最高傑作・志ん生
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。『やっぱ志ん生だな!』は、ビートたけしが敬愛する古今亭志ん生(ここんてい・しんしょう)のすばらしさについて語りつくした本です。 志ん生さんに勝っている落語家っていまだに見たことがないんだよ。芸人全般を見渡したって、皆無なんじゃないか。(中略)「時代とともに人間は進化する」と言われるけど、それって人間が進化しているというよりは、時代ごとに天才が現れて、世の中を便利にしているだけじゃないかと思う。(中略)志ん生さんの芸にもそういうところがあると思う。いきなりポッと出て、何かを変えてしまった人なんだよな。(p.4) たけしは以前から、古今亭志ん生を敬愛し、志ん…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。落語会に行くと、落語家さんは素晴らしいのに観客がとても少ないことがよくあります。そんな時、「落語にもっと観客が来るには、どうすればいいのだろうか?」と考えます。 現在、観客の動員数が多い娯楽は、プロ野球や人気ミュージシャンのコンサートなどが頭に浮かびます。人気のある球団やミュージシャンは、何万人という単位での観客動員が可能です。 野球やコンサートで、ファンはなぜ同じ振りで動き、声を揃えるのか? 私はプロ野球では、ヤクルトとロッテを長年、応援してきました。この2球団の組み合わせを「なぜ?」と思う方がいるかもしれません。私は生まれも育ちも東京です(現在は千葉…
落語の名作「品川心中」:あたしもそのうち行きますから。さよなら、失礼~
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。今回は落語の名作「品川心中」を紹介します。かつては店のナンバーワンだった女郎・お染が、金の工面ができないために心中を決意します。その相手に選ばれたのが、頼りにならない男、金蔵。映画「幕末太陽傳」でも、サブストーリーとして登場する傑作落語です。 品川心中のあらすじ 上段 1)品川宿の白木屋で長年、板頭(いたがしら:遊郭の最上位の遊女)を務めてきたお染。寄る年波には勝てず客が減り、紋日(もんび:五節句など、江戸時代の遊郭で特に定めた日)に必要な金の工面ができない。 勝気なお染めは、思い切って死のうと思うが、一人で死んだのでは、金に困って死んだと言われて悔しい…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。落語教室に通い始めて3年目となり、いまではベテランと呼ばれるようになってきました。 落語を始めようという方はとても多いのですが、1、2回でやめてしまう人もたくさんいます。続ける人とやめてしまう人の違いは何でしょうか? 落語を長く続ける方は、当たり前のようですが落語好きです。お気に入りの落語家がいて、好きな演目があり、いつかその演目をやってみたいという人は、かなりの確率で落語を続けていきます。 落語を始める場合、最初は登場人物も少なく、場面転換もない、いわゆる前座噺から入ります。そして、いろいろな噺に挑戦することで、演じられるキャラクターが少しずつ増えてい…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年9月のお勧めの落語会をピックアップしました。まだまだ厳しい暑さの続く9月ですが、落語を聴いてクールダウン! 秋の噺が、しだいに増えてくるので楽しみです。 特撰落語名人会「さん喬、扇辰、白酒」 日時:9月15日(土) 開演:18:30 料金:3,600円 出演:柳家さん喬、入船亭扇辰、桃月庵白酒 場所:タワーホール船堀(都営新宿線・船堀駅) 問い合せ:03-6240-1052 https://www.eifuru.com/ticket/343 ⇒古典の名手、さん喬、扇辰、白酒がそろい踏み。落語初心者の方もこのメンバーだったら、間違いなく楽しめます…
大崎善生『将棋の子』:プロとアマチュアの境界線とは何だろう?
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。「プロとアマチュアの違いって何だろう」と考えることがあります。アマチュア落語家でも、プロ顔負けの上手な方がいらっしゃいます。しかし、どんなにうまくても、素人はプロの落語家にはなれません。 プロである条件ってなんでしょうか? それを本業として、食べていけることでしょうか? しかし落語家に限らず、役者や漫才師でも、それだけでは食べていけない人がたくさんいます。 落語家になるには、落語家に弟子入りを認められ、2~3年の前座修行を積まなければなりません。弟子入りして前座になることで、師匠の入っている落語団体に所属することになります。そして、前座から二つ目、真打と…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年8月のお勧めの落語会をピックアップしました。暑さの厳しい8月ですが、夏休み期間でもあるので、落語会は結構活発に開催されています。落語を聴いて猛暑を乗り切ろう!(笑) 桃月庵白酒 志ん生に挑む 日時:8月10日(金) 開演:19:00 料金:3,500円 出演:桃月庵白酒、高田漣(ゲスト) 場所:大和田伝承ホール(渋谷) 問い合せ:055-262-2071 ⇒桃月庵白酒師匠が、昭和の名人・古今亭志ん生に挑みます。志ん生といえばフリージャズのような変幻自在な芸風で爆笑を巻き起こした名人。その域に白酒師匠がどこまで迫れるか!? 雷門小助六&三笑亭夢丸…
お勧めの落語家:三笑亭夢丸 愛らしい童顔から繰り出す練達の芸
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年6月19日、三笑亭夢丸師匠の独演会に足を運びました。 お蕎麦屋さんで開催され、蕎麦も楽しめる落語会 場所は、日本橋の蕎麦屋「藪伊豆総本店」。この老舗の蕎麦屋さんは、3階の大広間で定期的に落語会を開催しています。このお店の嬉しいところは、落語のあとに、「おアトもよろしくセット」という、つまみとお蕎麦のセットが楽しめることです。 三笑亭夢丸師匠は、平成14年に三笑亭夢丸(初代)に入門、平成27年に真打昇進して二代目・三笑亭夢丸を襲名。落語芸術協会(以下、芸協)に所属する30代半ばの落語家さんです。80代の落語家がいまだに現役として君臨する芸協では、…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年6月7日、古今亭の二つ目落語家による落語会「古今亭ねくすと VOL.4」に足を運びました。場所はお江戸日本橋亭。日本橋三越のすぐ近くにある、とても便の良いホールです。 落語家は亭号(ていごう)というものを使います。名前の苗字にあたるもので、三遊亭、柳家、古今亭(ここんてい)、林家、立川、春風亭、桂などがあります。プロの落語家の場合、弟子入りというかたちで落語界に入ります。同じ師匠の流れをくむ人たちを一門といい、基本的に同系の亭号を名乗ります。落語は師匠から弟子へ受け継がれる芸なので、各一門には独自の芸風があり、得意とする噺(お家芸)があります。…
落語入門:江戸時代のお金(1) 千両って、どのくらい高価なの?
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。落語を演じていると、江戸時代の風俗、習慣、制度などを、きちんと知る必要があります。 いま「宿屋の富」という落語を稽古しています。この噺では、江戸時代の富くじ(今の宝くじ)が登場します。富くじ1枚が一分(いちぶ)で、1等の賞金は千両です。噺の中に「富くじを買うために借金をした」という会話が出てきますが、一分とは、どの程度の価値なのか理解していなければ、きちんと楽しむことができません。 そこで今回は、落語に登場する江戸時代のお金について、調べてみたいと思います。 落語の中には、お金がいろいろ出てきます。「宿屋の富」や「富久」などの富くじが登場する噺では、前述…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年7月のお勧めの落語会をピックアップしました。暑さの厳しい7月は、クーラーの効いた寄席で時間をつぶすのもいいですよ。7月は親子会(師匠と弟子の落語会)もいくつか開催されます。 実験落語neo「シブヤ炎上まつり」 日時:7月5日(木) 開演:19:00 料金:3,800円 出演:三遊亭円丈、柳家喬太郎、立川談笑、玉川太福、笑福亭羽光 場所:CBGKシブゲキ!! 問い合せ:03-6415-3363 ⇒渋谷ジァンジァンで開催されていた三遊亭円丈主催の新作落語の会「実験落語」を復活させた「実験落語neo」。今回は、出演者全員が円丈作のネタを高座にかけると…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。今回は、三遊亭円丈(著)『師匠、御乱心!』を紹介します。昭和の名人・三遊亭円生が、落語協会の方針に反対し、協会を脱退した騒動の顛末を、一門の円丈が内側から描いた作品です。 本書は1986年に『御乱心』として刊行されたものですが、文庫版として再販されたので、改めて読み返してみました。 事件が起きたのは昭和53年(1978年)5月。落語協会の副会長だった三遊亭円生が、古今亭志ん朝、三遊亭円楽、立川談志など協会の若手幹部を引き連れて、新協会「三遊協会」設立を図ります。事の発端は、落語協会で始まった大量真打です。 落語家には、前座、二つ目、真打(しんうち)という…
落語の登場人物:泥棒 落語に出てくる泥棒は、ちょっとマヌケで憎めない
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。落語によく出てくる登場人物は、大体決まっています。長屋の八っつぁん、熊さん、ご隠居さん、おかみさんと子供(金ぼう、亀という名が多い)、商家の大旦那、若旦那、番頭さん。廓噺(くるわばなし)の女郎や幇間。今回は、泥棒を取り上げます。 泥棒噺というジャンルが存在するほど、泥棒の登場する落語はたくさんあります。これは「お客の懐(ふところ)を取り込もう」という願いが込められているそうで、泥棒噺は縁起のいい噺とされています。 落語に出てくる泥棒はマヌケで、ドジをふんでばかりいます。しかし、どこか愛嬌があり、憎めない連中ばかり。代表的な泥棒噺を紹介しましょう。 締め込…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年6月のお勧めの落語会をピックアップしました。梅雨入りする6月は、アウトドアではなく、インドアの落語会を楽しむには打ってつけの季節!? この時期の落語会は、通好みの演者が多いのが特徴ですよ。 深川落語倶楽部 日時:6月8日(金) 開演:18:45 料金:3,000円 出演:柳家花緑、林家時蔵、柳家喬太郎、春風亭一之輔、春風亭ぴっかり☆ 場所:深川江戸資料館(清澄白河) 問い合せ:03-3633-7961 ⇒豪華なメンバーを、江戸の香りあふれる深川江戸資料館で楽しみましょう。時間があれば、ぜひ資料館も覗いてみてください。江戸時代の長屋がリアルに再現…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。いま「宿屋の富」という落語を稽古しています。 文無しの貧乏人が、馬喰町(ばくろうちょう)のさびれた宿にやってくる。この男、家には奉公人が数百人いて、大名や商人に数万両貸していると大ぼらを吹きまくる。人のいい主人は、それをすっかり信じ込み、「自分のところは宿だけではやっていけないので、富くじを売っているが、一枚買ってくれないか」と頼み込む。結局、ほら吹き男は、なけなしの金で富札を買うことになり、一等の千両が当たったら主人に半分分けてやるという約束までしてしまう。ところが、一文無しになってしまった男が、富くじの発表を見ていると、なんと一等が当たってしまう………
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。今回は落語の名作と呼ばれる「芝浜」を紹介します。「よそう。また、夢になるといけねえ」というオチのセリフは、とても有名です。『笑点』でもギャグで使われているので、みなさんも耳にしたことがあるかもしれませんね。 芝浜のあらすじ 1)魚屋の勝五郎(魚勝)は酒におぼれて、しばらく仕事をさぼっている。女房に尻を叩かれ、魚を仕入れに芝の河岸(かし)に来てみると、まだ早すぎて開いていない。仕方がないので芝の浜で一服していると、流れ着いた財布を見つける。開けてみると、なんと五十両もの大金が入っていた。勝五郎は長屋に戻り、仲間を集めて、大酒を飲み、ご馳走をふるまって、その…
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年5月中・下旬のお勧めの落語会をピックアップしました。5月は、連休もあるため人気落語家の独演会も数多く開催されます。独演会は、落語家さんが大技・小技を繰り出しますので、色々な魅力が発見できますよ。 この人を聞きたい「生志・兼好二人会」 日時:5月12日(土) 開演:18:00 料金:3,000円 出演:立川生志、三遊亭兼好 場所:中村学園フェニックスホール(清澄白河) 問い合せ:090-2761-9769 http://rakugokai.jp/form/ ⇒明るい芸風の立川生志、三遊亭兼好の落語会。この二人は、どんな共演者ともマッチできる柔軟さ…
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