自堕落な日々「羨望」
吸い殻が灰皿に山のように積まれている。その脇のテーブルには、ビール、酎ハイ、ワンカップが散乱している。部屋はゴミ屋敷の一歩手前というところか。この部屋の持ち主、望月力は53歳。現在、北海道釧路市でアルバイトで細々と生活をして生計を立てている。「馬鹿にしやがって」先日、望月はアルバイト先で、大学生のアルバイトとケンカをして首になっていた。理由は、自分の仕事がいい加減だから。大学生は、ルックスもよく、半年後には、札幌の銀行に就職が内定している。仕事もできて、礼儀もしっかりしている。アルバイトだが、私とは違って、店長からも信頼されて、次々と責任のある仕事を与えられている。それだけで53歳のダメ中年男からは、おもしろくないと思うものだ。しかし、自分もかつては、この大学生のように将来を嘱望されていたころがあった。そんなこ...自堕落な日々「羨望」
2020/08/31 07:13