chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
断片録
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2017/02/23

arrow_drop_down
  • 西洋近代について 11

    ※まだソ連在りし若き頃書いた駄文。記念に載せます。過ちも多いので、読者諸氏よ、夢信じる勿れ。ルネサンスの長所としては、何ものにもとらわれない自由な精神であり、喜怒哀楽の豊かさであり、不自然にエロスを抑圧することもない。自然を大いなる書物とみなし、古典を尊重し、特定の主義主張に拘泥しない。その理想はある意味ではレオナルド・ダ・ビンチである。逆に、ルネサンスの短所は共産主義に集約されている。生命に対する畏敬の念の欠如であり、人権意識の濫用であり、暴動への衝動であり、放恣への傾向である。これみな共産主義の心理的傾向を一面において如実に表すものではないだろうか。西洋近代について11

  • 西洋近代について 10

    ※まだソ連在りし若き頃書いた駄文。記念に載せます。過ちも多いので、読者諸氏よ、夢信じる勿れ。総じてルネサンス人は、野蛮で、けんかっ早く、自分の権利を主張するばかりで(ルターもどこかでそんな指摘をしている)、他人の権利を尊重せず、生命に対する畏敬の念も持たない、実に猥雑なる人種であった。半面、素朴な信仰心を持ち、素朴に神を信じる者も多かった。パフォーマンスが得意で、機知と諧謔に富み、時に悪意でもって他人をからかうこともしばしばであった。同時に個性的で、喜怒哀楽も豊かであり、自分の才能を思う存分開花させていた。当然、当時は議会などもなかったから、君主や政治家が世論を汲んで政治を行うこともできず、政治が順当に行われなければ、人々の不満は潜在化し、鬱積し、突然の暴動となって現れるしかなかった。野蛮な人々が多かったから、...西洋近代について10

  • 西洋近代について 9

    ※まだソ連在りし若き頃書いた駄文。記念に載せます。過ちも多いので、読者諸氏よ、夢信じる勿れ。ミラノのある若者貴族たちは、扇動者に扇動され、さる君侯の殺害計画を立てた。殺害前には、彼らは民衆のために聖者に成功を祈願した。計画は首尾よく運んだが、彼らは捕まった。実は彼らに影響を与えたものが、古代ローマの陰謀家カティリナであった。カティリナは、古代ローマ共和制末期の野心的陰謀家である。彼は当時のローマ社会で貧富の差が激しく、社会にわだかまっていた不満を利用して、暴力により政権を取ろうとして陰謀を企てた。大動乱の一歩手前まで進んだが、政敵キケロから元老院で、陰謀を弾劾され、逃亡中敗死した。彼の陰謀は社会改革的なものではなく、単に自分自身の野望を成就せんがために、社会不満を利用したものだった。彼の人柄も、当時のローマ社会...西洋近代について9

  • 西洋近代について 8

    ※まだソ連在りし若き頃書いた駄文。記念に載せます。過ちも多いので、読者諸氏よ、夢信じる勿れ。中世と同様、ルネサンス人は容易に群衆となり、暴徒の群れと化した。この時代、暴君に支配され、自由を奪われていた地域に住む人々は、まず暴君の殺害を考えた。暴君さえ排除されれば、問題は自ずと解決されると人々は不合理にも考えていた。法は尊重されず、法自体も無整備だったので、どんなやり口さえも認められた。ボッカッチオは述べる、「私は独裁者を王とか君侯とかと呼び、これを自分の首長として忠誠を守るべきであろうか。否!その者は国家の敵である。その者に対して私は、武器、陰謀、密偵、陥穽、詭計を用いることができる。それはやむを得ない神聖な仕事である。暴君の血よりも好ましい犠牲は存在しない」と。暴君の殺害は、時には市民の理想とも信じられた。か...西洋近代について8

  • 西洋近代について 7

    ※まだソ連在りし若き頃書いた駄文。記念に載せます。過ちも多いので、読者諸氏よ、夢信じる勿れ。ルネサンスは、カトリック教会により不自然に抑えつけられていた感情を解放した。人間的な喜怒哀楽のみならず、憎悪や破壊衝動さえも野に放った。それは放恣にも近い自由で、混乱と暴動、ついには内乱をも招来しかねない自由だった。規範が必要だった。外的な規範(他律)はもはやアテにならなかった。人々は自分の心の中に規範を樹立させなければならなかった。これが自律ということであり、この仕事は宗教改革を待たなければならなかった。西洋近代について7

  • 西洋近代について 6

    ※まだソ連在りし若き頃書いた駄文。記念に載せます。過ちも多いので、読者諸氏よ、夢信じる勿れ。過酷な実力主義があらゆる分野に秀でた万能人を生んだ。アルベルティという人物は、スポーツ万能だった。音楽は独学者ながらも、作曲をすれば、その道の人を驚かせた。法律学者で、物理学者・数学者だった。散文詩や小説の分野でも人をあっと言わせる才能の持ち主だった。「家政論」は資本主義的にして合理的に家族の在り方を論じた、おそらくは史上初の論文である。本職は彫刻、絵画、建築で、特に建築はルネサンスの第一人者だった。「絵画論」も古典的作品となっている。観相術の達人にして靴直しの秘伝の体得者であった。彼は述べている、「人間は欲しさえすれば、自分の力で何でもできる」と。レオナルド・ダ・ビンチに関しては、言うまでもないだろう。彼は画家、数学者...西洋近代について6

  • 西洋近代について 5

    ※まだソ連在りし若き頃書いた駄文。記念に載せます。過ちも多いので、読者諸氏よ、夢信じる勿れ。ルネサンスは実力主義の時代だった。人間の価値をはかる何よりの基準は実力だった。人々は自分の実力を磨き、売り出すようになった。売り出すためには目立たねばならず、パフォーマンスが重視され、よりアクの強い、より個性的な人間が誕生した。ルネサンスは世界と人間の発見と言われるが、人間とはすなわち個性なのであった。人々は個性を欲し、独自性を追求した。人々は極端に走りがちになり、中庸はしばしば無視された。西洋近代について5

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、断片録さんをフォローしませんか?

ハンドル名
断片録さん
ブログタイトル
断片録
フォロー
断片録

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用