自句自賛

夏大根

夏大根危く指も擦りかけし 夏大根は硬くてすりおろしにくいので、思わず力を込めてしまい、指も滑って怪我しやすいです。

2024/05/26 22:11

芍薬

芍薬の驚くほどに開ききり 芍薬は蕾はとても小さいのに、花が開くとびっくりするくらいに大きくなり、花弁が開きます。同じ時期に咲く薔薇に比べるとその差異が際立ちます。

2024/05/26 22:08

白薔薇

紅よりも白薔薇脆く崩れけり 咲き切った薔薇は花弁を散らしますが、白薔薇のほうが紅の薔薇より早くハラハラと崩れました。

2024/05/24 09:58

たかんな

たかんなの曲がりて時を失せりと 竹の子は見つけるのに苦労して掘り出すくらいが良く、伸びて曲がって誰にでも簡単に見つかるような状態になってしまっては遅いのです。

2024/05/23 08:45

鳳梨

仏前に硬き鳳梨の直立す パイナップルは果肉は柔らかいものですが、そのままの姿で仏前にお供えすると、仏様はどうやっていただくのだろうかと気になります。

2024/05/22 10:17

小満

小満や朝の勤めの声高し 寺院の朝の読経が聞こえました。まだひんやりとした早朝の空気の中、揃った声が響いていました。

2024/05/21 15:12

サングラス

黒鳩の歩み見つめしサングラス 駅のホームで黒鳩が何かを啄みながらちょこちょこ歩き、それを電車待ちの何人かが眺めていました。

2024/05/20 14:01

レース

シンデレラ城にレースの少女たち 清楚なイメージのレースですが、最近はコスプレなどで違う雰囲気のレースも目にします。数が揃うとさらに圧巻です。

2024/05/20 08:10

蓮の花

人知れず浮くやうに咲く蓮の花 葉が水面を覆う中、浮き上がるようにしてところどころにはずが咲きます。中にはわざと隠れるような目につかない位置に咲く蓮もあります。

2024/05/19 14:09

蜻蛉生る

薄き影落として蜻蛉生れけり 蜻蛉は羽が透けて体が細いためか影も薄くなります。何か薄いものが足元を過ぎったと思うと、蜻蛉でした。

2024/05/19 14:04

夏蝶

夏蝶の光の中へ消えゆけり 常にではありませんが、気がつくと最近体験した身近な死について考えてしまいます。身に纏わるように飛ぶかと思うと、すぐに見失う蝶に死者の魂のようなものを感じます。

2024/05/17 10:09

薔薇

大輪の薔薇咲く他を押し除けて 混み合った状態で薔薇が咲くと、まるで他の花を押し除け合って空間を確保しているような、生命力と圧を感じます。

2024/05/16 15:12

青梅

滑らかな青梅雨を弾きけり 葉蔭に隠れながら雨を受ける青梅の実は、ビロードのゆやうに滑らかな肌を持ち、雨を弾いていました。

2024/05/15 17:13

夜濯

夜濯の水音高く流しけり 朝の洗濯は、明るい日差しに気分も晴れやかになりますが、夜は一日に溜まったものを水とともに流してしまおうという気持ちから、ザバザバと手すすぎの水をたくさん使う気がします。 洗濯

2024/05/14 12:01

五月雨

五月雨のランチの小さき黒ビール 雨降りの日、ランチに小振りのビールをつけて、静かに飲む人がいました。気持ちがちょっと上がる効果があるかもしれません。

2024/05/13 12:18

夏日

髪も裾も短く切りし夏日かな 長く伸びてきて鬱陶しい髪、そしてちょっと長めだったワンピースの裾も短く切ったのは、夏日だったからだと思います。

2024/05/11 14:26