3話 「明確な意思で逃げろ」
ある朝、追跡伝書鳩がヒキコの足元に手紙を落とした。 「なんだろう」 拾い上げ、封を開けた。 「どこにいるのだ、賠償金は必ず支払ってもらうぞ」 ヒキコの気分は沈んだ。 過去に所属していたカンパニーからの手紙だった。 返事はしなかった。 お金はないし、以前になんども自分の意思を伝えてあった。 そして精神力「MP」を前に進むこと以外に使うことは それこそ八方塞がりになってしまうことを知っていたから。 カンパニーから自分の悪評が広がる事は恐れていなかった、 なぜなら 自分の意見はしっかりと持っていたし、 そもそも 自分をよく見せようという「メッキ」なんてまとっていなかったから 悪評を広められるという事…
2019/01/31 23:49