『フリッツ・ラング』鏡の国の冥界の秘密(米時代全検証レビュー)
映画監督に著作権は無くともその刻印は存在します。フリッツ・ラングにおける鏡はこれ見よがしに演出されるのではなく、さもそこに在る事が当然のような正確さで実務的に対象を反射しています。それはアクション、サスペンス、ロマンスといったジャンルを問わず、ヒッグス場のような目に見えぬ相互作用の場を刻印して一瞬の質量を与えているように見えますが、果たしてそれが意味するものは何か。そこには何かオカルトのように恐ろしい何かが潜んでいるのかもしれませんし、映画製作上の止むに止まれぬ事情によるものなのかも知れません。 ラングにおける鏡の扱い関してはもちろん多面的なラングの一面をかいま見る一つの側面でしかありませんが…
2018/09/17 22:16