小津安二郎のサイレント時代全レビュー ~萌えモダニズムと見返り美人の韻画リズム~
小津安二郎のサイレント時代 1927年デビューから1936年までに小津は35本のサイレント映画(音響版を含む)を撮っていますが、その内現存するものが残念な事に約半分の17本。同時期の山中貞雄に比べればマシな方だという事もできますが、これはやはり残念としか言いようがない現実です。 例えば「監督として情熱を持って力一杯仕事した」と小津自身が語っている(*1)1931年の『美人哀愁』ですらも現存しておらず、その情熱の成果を確認することができません。これでは小津映画の全貌を語る事などは偉い評論家や大学の学者先生だろうが出来はしないといっても過言ではないでしょう。 ...という事で現在小津の全貌をまとも…
2018/06/22 23:14