小説を暗記する方法、またはなぜ小説を覚えるのか?
桜が見頃を迎えたというのに、ひたすら小説を暗記している。 芥川の蜜柑の全文はすっかり覚えてしまい、いまは梶井の檸檬を脳内へ入れ込んでいる。今回は小説の暗記方法について考えていきたい。 まず小説を覚える理由なのだが、これは退屈でどうしようもないときに脳内で読むためでもあるし、夜眠るときにやってくる不安を追い払い、目を閉じながらでも小説を楽しむためでもある。小説を暗記するために重要なのは「記憶術を使わない」ことだ。もともと記憶術と長文暗記は相性が悪い。場所法も置換法も有効ではない。また、すばやく効率よく暗記することがどんな場合でも正しいわけではない。制限時間があるわけではないし、読書を楽しみながら…
2019/04/04 01:00