蒼き運命 -アオキサダメ- 104

蒼き運命 -アオキサダメ- 104

いよいよ暮れも押し迫ったその日は、朝からずっと雨だった。午後十時半を過ぎた今も尚、静かに降り続けているのが飲食店等のネオンサインの煌めきとともに、下ろされたブラインドの隙間から確認できる。酔客で賑わう繁華街の一角にある青龍組の事務所内は決行を目前に控え、いつになく空気がピンと張り詰めていた。組員たちが慌ただしく出入りする中、ジョンヒョンは装備品一式が整然と保管されている部屋でひとり黙々と身支度を整...